7.やっと
『寝てますね。』
「あぁ、でも…殺るのは忍びないからな…」
そう言ってシオンはドラゴンの基まで近づき大きな声を出す。すると、その音に呼応するようにドラゴンは目覚め、大きな声で吠える
『まぁ、睡眠の邪魔されてんですものそりゃ怒りますよね。』
「でも、暗殺しないであげたんだし少しは落ち着いてくれると助かるんだがな…」
そう言ってシオンは自身に魔法を掛けると聞いた事の無い発音でドラゴンに喋りかける
『お前はなんでこんな所に居るんだ?』
その言葉が通じたのかドラゴンは吠えるのをやめてシオンを見つめて問い返す
『簡単な事よ我が里の場所が分からなくなった。要は迷子だ』
シオンはドラゴンの口から迷子という単語が出てきて吹きかけるがギリギリ耐え忍んで会話を続ける
『んじゃ、里にさえ戻れれば良い感じだよね?』
『無論だ。』
『んじゃ、ちょっとばかし血を頂くぞ』
『なに?』
ドラゴンはシオン物言いに対して臨戦体制を取るがそんな事はお構い無しに血を少量瓶の中へと保管する。それから複数の魔法陣を重ねて魔法を発動する
『ほい、これ飲めば里の位置が大体分かるようになったと思うよ』
『どういう事だ?』
『血を媒介にして魔力の解析をした後、それに似た魔力を感知できるように魔法を施した感じかな…?』
『そうか…よく分からんが。構えていたのに反応すら出来ず何されたかも分からなかったのだ。お主の言う事は聞いた方が良さそうじゃの…』
それを聞いたシオンはドラゴンの方に血の入った瓶を投げるとドラゴンは瓶ごと付与された自身の血を飲み込む
『おぉ、本当に仲間の魔力がより鮮明に感知出来るようになったの…礼を言うぞ。最後に名前だけ聞かしてくれるか異界の者よ』
そう言ってシオンは笑みを浮かべながら答える
『シオンだ。今度会いに行くから盛大にもてなせよ龍王』
ドラゴンはシオンの言葉を聞くと翼を大きく羽ばたかせて森を去って行くので合った
それから、シオンは森の中を縦横無尽に駆け回り魔物達の間引きを行って行った。また、何度かあった救援の信号を受け取り冒険者達の救助も行った
正午を回った所で依頼にあった魔物の間引きあらかたを完了した為街へと帰還する
その後、昼食を終えるとギルドの元まで行き依頼書の提出をする
「依頼の確認お願いします。」
「シオン様ですね。この度は数々の冒険者の救援、救助ありがとうございます。ギルド並びに冒険者からの感謝の印です。」
そう言っていきなり大金の入った麻袋を机に置かれ、職員からお辞儀をされる。
「あぁ、良いよ。それと、魔物の死体とか魔石とか出したいんだけど、処理場まで案内お願いできる?」
職員は「はい!」と返事をすると、直ぐに案内をする
そして、大きく開けた屋外に着く。その後、シオンは狩った全てのドロップ品やらを区分けして出して行く
「こんな感じかな。」
職員は唖然としながらもシオンに申し訳無さそうな表情を浮かべる
「すみませんが、これら全てを買い取る資金がギルドには…」
「大丈夫だよ別にお金に興味無いし。もし、何かしらで返したいなら他の街の職員とかにさ、超凄い冒険者のシオンがって噂だてしてくれれば良いから。それじゃね」
シオンは職員からの返事も待たずに掛け足のままギルドを後にするとそのまま宿へと戻る
『そのうきうきさで何が起こるのか分かりますよ。』
「確定だな。今日中に仕掛けて来るぞ!」
『今から死ぬかもしれないのに…』
「そん時はそん時よ。何して待とうかな…」
そう言いながら、時は過ぎていき。日が暮れシオンは再度お腹を膨らませると大きな欠伸を1つして床に就く着く
それから、街が寝静まった頃音もなく気配も無くシオンの元まで辿り着く者が1人
そして、床に就くシオンを確認する
「寝たフリなんて気持ちが悪い事辞めなさいよ。さっさと始めるわよ」
「あら、バレてたの?どうして殺そうすらしなかったの?」
「そんな事したら、戦利品も貰えないし。何より決闘した事にならないじゃない。」
「あ〜、なるほどね…てか、そうだよね。んじゃ、やろうか」
シオンがその言葉を口にした瞬間淡い光と共に2人は消えていく
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