4.仲間
『もちろんわざとですよね?』
『そりゃね、手っ取り早くランク上げるには吹っかけるのが1番だし。』
シオンはシェリルと会話をしながらメリアの後を付いて行く。そして、開けた場所に出るとドームで囲われた闘技場に着く
「では、ここで試合を行ってもらう。勝敗についてはどちらかが降参の宣言をするまで続けてもらう。」
「俺は問題無いよ〜」
「俺達シルバーウルフからはリーダーである…」
そう言って言葉を続けようとする声を遮りシオンは呟く
「え、皆でかかって来ないの?」
キョトンとした表情を浮かべる
冒険者達はその言葉に我慢ならないといった表情を浮かべ言葉を返す
「良いだろう、お望み通り全員でやってやるよ。死んで後悔すんなよ」
「んじゃ、死んだ方が負けで行こうか。おじさん達も自分の言葉には責任持ってね。」
そう言って、シオンは会場の奥へと進んでいく
「メリア、これで双方の同意を得られたんだ止めるなよ。」
「はぁ〜、分かった。私はこれで後にするが観客が居ることを忘れずにな。」
そう言って会話を終えるとメリアは会場を後にし、シルバーウルフはシオン同様に会場の奥へと進んでいく
「では、これより。AランクパーティーのシルバーウルフとGランク冒険者シオンの試合を開始する!」
すると、シルバーウルフの面々は1人を残し後ろに下がる
「どうしたの?」
「先ずは俺がてめぇに現実を教えてやるよ。安心しろ、死ぬギリギリになったら回復してやるからよ」
「あ、そ…本当なら時間を掛けて戦って上げても良いんだけど、目的があるし、そーゆのには飽きたから直ぐに終わらせるね。」
そう言うとシオンは一言呟く
「消滅」
すると、前に出て来た冒険者は足元から崩れ声も発せぬまま塵となって消える
その光景に誰しもが理解が及ばず静寂が続く中シオンは呆気からんと声を発する
「えーっと、他の皆様方はどうします?」
シオンのその言葉を聞いた冒険者達は素早く武器を下ろし頭を地面に擦りつける
「ど、どうか命だけは…」
「でもさ、始まる前に言ったじゃん。言葉には責任を持ってねって。どうやって取るの?」
「私達にできることなら何でも致します!!ですので、どうか…」
「んじゃ、俺の広告塔になってくれれば問題無いよ!それじゃ僕の勝ちで良い?」
冒険者達は一斉に頷く
「メリアさんも大丈夫?」
「あ、あぁ…勝者シオン!」
メリアもこの事態を飲み込めておらず促されるままに勝敗を告げる
「それじゃ、発生」
そう言うと、塵に消えた冒険者がやせ細った姿で蘇る
「おじさん達には悪い事したからね。これはお詫びね。それと、今まで通り冒険はしてもらって構わないけど、僕の事に付いてはいっぱい宣伝して行ってね!!」
「宣伝とはどのように…」
声を震わせながら、冒険者は問う
「そうだね…この箱から出る紙を此奴は強いなって思う人に渡してって」
シオンは小さな包み箱を精製すると問い掛けて来た冒険者に渡す
「それじゃ、よろしくね〜。」
そうして、会場を後にすると出口付近にメリアの姿が現れる
「こんにちは、メリアさん。」
「待っていたよ。少し話がしたいんだが…」
「もちろん良いよ。場所はどうします?」
「付いてきてくれ」
メリアはシオンを連れてギルドの一室に案内する
「掛けてくれ。単刀直入に聞くが君は何者だ」
「異世界人って知ってる?」
「あぁ、過去この世界に危機が訪れた時に現れる来訪者だと伝えられている。」
「そう…」
シオンは相槌をすると同時にシェリルに話し掛ける
『ねえ、シェリルこの世界にいる人に今行われている事を説明するのって大丈夫?』
『問題ありませんが、絶対に他言出来ないように服従させる必要があります』
シオンはりょーかいと返すとメリアとの会話を再開する
「色々話したい事はあるんだけどさ。ちょっと誓約が合ってね…もしこの先を知りたいのなら僕の従属かにならないといけないんだねよね」
メリアは生唾を飲み込み問う
「従属における条件とは何だ…」
「特に無いけど、これから話す事を他言しないようにするだけ。それ以外に枷は無いよ。」
「破った場合にはどうなるんだ?」
「あれかな、破られる前に魂や体が完全に消える。そうなるようにメリアさんの体に呪いを掛ける。」
「そうか…もし、その事を知って私の命が狙われる事はあるのか?」
「無いと思うけど、配下に置いた人にはなるべく生きていて貰いたいから修行をしてそれなりの力を付けて貰う予定ではあるよ。」
「そうか、なら私を配下にしてその先を教えて欲しい。」
「良いけど理由を聞いてもいいかな?」
「私も1人の冒険者だ、未知を明かしたいという理由だけでは足りないか?」
シオンはその言葉を聞き笑みを浮かべると従属魔法を発動させる
「これから宜しく頼むよ。」
「あぁ、この身朽ちるまで貴方の力となろう。」
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