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【どこへでも】②
開けた視界は、眩しかった。
穏やかな午後の街が見下ろせる。
雲一つない晴天と、立ち並ぶビルの群れが良いコントラストを描いている。
「来た来た」
よるが嬉しそうに笑った。
二人並んで、眼下の景色を眺める。
「この街は、変わらないね」
「うん」
涼やかな風が吹いた。
「あさひ」
「うん?」
「良かったらさ、旅に出ない?」
「旅?」
「うん。二人だけでさ、どこへでも行こうよ」
よると私、二人だけの旅。
どこへでも。
私はよるの顔を見つめ、もう一度街を見下ろした。
「やり残したこともないし、ここにずっといたって何も変わらないよね」
呟く。答えは、決まった。
「うん、行こう! 行ってみたいところが、たくさんあるんだ」
「全部行こう。全部行ってみたら、他にも行きたいところができるかもしれない」
よるが手を差し出す。
私は迷いなく、その手を掴んだ。




