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いないないふたり  作者: 本間えるは
38/49

【のみこむ】⑥

「朝と夜。太陽と月。光と闇。男と女。それから」

 強く顎を引かれる。

「君と僕とか」

 よるの顔がすぐ近くにある。少しでも動いたら、触れてしまう。

 顔の近さと耳元で囁かれた言葉に、心臓が慌て始めた。

「な、何言って……」

 視線を逸らしたいのに、よるの目は私を捕らえて離さない。

「よ、よるっ」

 それ以上近づいたら! 私は思わず目をつぶった。

「足が痺れちゃった」

 私の身体の下からよるが足を引き抜いた。

「膝枕、良かったでしょ? 僕も今度してもらおうかな」

 そう言い残して、よるは出て行った。私は一人、ぽつんと残される。

 寝転がったまま頬に触れる。温かい。きっと真っ赤になっているんだろう。

「よる」

 口に出してみる。なんてことはない。ただの名前だ。

 私を唯一認識できる人の名前。一緒にいる人の名前。優しい人の名前。

 よる。優しくしてくれるのは、私がよると同じ、認識されない子だからでしょう?

 仮にここにいるのが私じゃなかったら、よるは変わらず接していた?

 聞きたくても、聞けない。聞いたところで何にもならない。

 私はしばらく頬に手を当てていた。

 そしていつの間にか眠っていた。

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