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【のみこむ】②
「そういうよるは、どっちが好きなの?」
「僕は断然夜」
「名前の音が一緒だから?」
「そう……ってそれもあるけど。明るいのはあんまり好きじゃないんだ。太陽の光より月の光の方がいい」
「月の光って、太陽の光を反射したものなんだよ?」
「……それでもちょっとマイルドになるから」
「あさひちゃんは?」と聞かれて、私は返答に困る。迷った挙句私は欲張ることにした。
「どっちも好き」
「質問に答えてないよ。僕は朝と夜、どっちが好き? って聞いたの。どっちか一つだけ答えて」
「選べないよ。どっちにもいいところがあるし、第一聞いてどうするの」
しばらく考え込んだよるは、唐突にはっと声を上げる。
「どうしたの?」
「ごめん……嘘吐いた。僕やっぱり、朝の方が好き」
「え?」
「朝が好き」
何を言い出すんだろう。二回も同じことを言わなくてもいいし、変えたところで何になるんだろう?
反応に困っていると、よるが露骨にため息を吐いた。




