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いないないふたり  作者: 本間えるは
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【よる】⑧

 そう考えると悲しくなった。涙が溢れていた。

 部屋のことも自分のことも、多少は耐えられる。けれど、彼女がそばにいないのは耐えられない。

 心はゆっくりと、けれど確実に崩壊していった。

 崩れ落ちる膝。欠落したダムの水のように涙が溢れ、恥ずかしげも無く嗚咽が止まらない。

 決して人に見られていい状況では無いけれど、今は見られてもいいと思った。

 好奇、嫌悪、どんな視線に晒されてもいい。声を掛けてくれたら、尚のこと。

「誰か……誰か……っ」

 わんわん泣いた。子供のように泣いた。叫ぶように泣いた。獣のように泣いた。

 泣いている僕を慰めてくれる人は誰もいない。それが更に拍車を掛ける。

 どれだけ泣いただろう。人生の半分くらいは泣いたかもしれない。顔や身体は涙で濡れていたが、不思議なことに地面に水溜りはできていなかった。全部自分で吸ってしまったのか。

 温めた身体は涙に濡れて冷え、夜風の冷たさも相まって凍えそうだった。

 何もかもがどうでもよくなって、倒れ込む。

 このまま転がっていたら、土に還れたりしないだろうか?

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