表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いないないふたり  作者: 本間えるは
2/49

【あさ】②

 始業のチャイムが鳴ったというのに、立ち尽くしている私を注意する人は誰もいなかった。

 頭がぼんやりとしている。直射日光が当たっているから? それとも……。

 昇降口に着くと、靴箱を開けた。上履きに履き替えるためだ。しかしそこには既に靴が入っていた。私の上履きはない。出席番号を確認しても、自分の番号には違いない。

 サヤといい、靴箱といい、何かおかしい。私は首を傾げつつ、仕方ないので靴を入口に並べた。靴下のままで校内へ。

 遅刻は確定だが急ぐ気になれず、よたよたと歩く。六月の終わりの気温はじんわりと暑く湿っぽい。階段を上がって、換気のために開け放たれた後方の扉から入る。

「遅刻してすみません」

 一限目の授業は英語だった。黒板に文を書きつけた先生が、号令をかけた。ざわついている教室が、一瞬静かになる。

 目の前で棒立ちになっている私を、先生は叱らない。クラスメイトが私に目を向けることもない。

 何だろう、これ。

 ぼんやりと教室を見回して。ふと、あることに気づいた。

 昨日までと席のレイアウトが違う。

 私のクラスは三十七人の生徒がいる。

 だから、縦に六席、横が六席の配置で窓際の列だけ七席あったはずだ。それが今、窓際の列は六席。

 三十六席には生徒が全員綺麗に座っている。

 私の席は、ない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ