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いないないふたり  作者: 本間えるは
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【あさとよる】⑫

「それまでも、何人もの人に声を掛けたんだ。でも、誰も立ち止まってはくれなかった。僕の声は誰にも届かないんだって、正直諦めてたね」

「でも、あの夜、話し掛けてくれた」

「うん。どうせ君にも聞こえないって、一瞬思っちゃったけどね」

 笑い声が同時に漏れる。

「久しぶりに思い出したよ。誰かと話すことが楽しいってことも、人の身体が温かいってことも。ありがとね」

 優しい声が、優しい言葉が、私の胸を締めつける。いたたまれなくなって、よるの手首を強く掴んだ。

「これからは、いつだって感じていいんだよ。楽しいことも、温かいことも、思い出さなくていいの。私が、ずっと一緒にいるから」

 口に出してしまってから、激しい羞恥心に苛まれる。こんなこと、誰にも言ったことない。

 すらすら言えるなんて、思わなかった。

 驚いた顔のよる。見えないけれど、自分の顔が真っ赤になっていることが分かる。

 よるが吹き出した。

「な、何で笑うの!」

 一世一代の勇気だったかもしれないのに。

「だってさ、真剣な表情をしたと思ったら、一瞬で真っ赤になっちゃうんだもん。おかしいったらないよ!」

 声を上げて笑うよるに、無言の怒りをぶつける。

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