野宿は嫌だ
私は、森の調律を終えると森を出て麓にあった村に行った。
さすがに森で野宿は嫌だし。それでもやっぱり調律を終えたばかりだから身体が怠い。うーん、この調律を終えた後に来る怠さはどうにかなんないかな。
調律すると結構魔力を持っていかれるからなぁ。
(とりあえずは、村に宿があるといいな)
結構、身体がしんどくなってきた。
早めに森を抜けないと。
私は怠い身体を引きずる様に何とか森を抜け村にたどり着いた。村は簡素で小さく長閑だ。
とりあえず私は声を出せないから近くにいた女の人を捕まえて喋りたい事が現れる石版を見せて宿の場所を聞いた。
『すみません、この村に宿はありませんか?』
すると女の人は少し驚いた様だ。多分、この石版だろうな魔法道具は、あんまり流通して無いからね。
「え、えっと、この村に宿は無いわよ?」
『えっ』
無いの!?
どうしよう、このままじゃ野宿に。
そんな不安が顔に出ていたのだろう。
「よかったら、家に来る?」
『えっ、いいのですか?』
「ええ、困っている人を見過ごす訳にはいかないから」
そう言って女の人はにっこりと微笑んだ。
(この人、良い人だ...!)
レイの表情がパァァッと明るくなった。
「私はマリーナ、よろしくね」
『はい、私はレイです。よろしくお願いします』
私は、今日マリーナさんのお宅にお世話になる事が決まった。
マリーナさんの様な優しい人がいて感じよかった!
「何も無い所だけどゆっくりしていってね」
『はい!』
ちょっと引きこもりの方は遅くなりそうです。