ある英雄の記憶
コルクはフラットに何を思ったのか。
雨は身体を濡らした後に
目下の土へと還るでしょう
風も野草を撫でながら
知らぬ世界を目指すのでしょう
それらと同じくして
言の葉も身体を貫いて
新たな扉を開くでしょう
それが自然であって 世界であるはずなのに
あなたは世界を否定するかのように
心の内に 鍵を閉め
外界の営みを天上から眺める天使のように
ただ静かに 静かに
笑っていた事だけは 覚えています
あなたに届けた言の葉の小包は数知れず
それでいて
開かれることなく ずっとずっと
いつまでもあなたの門の前で
積み重ねられていくのでしょう
それに気付けなかった 愚かな私