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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
四章 ウィンターショッピング
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91.ようやく長話が終わったようです

「というか、アンタ、キュビカって何さ? 聖焔さんは聖焔さんだろ? 名前も忘れたのかい?」

「無知なのは貴方の方ですわよ、このアホ鳥さん。聖焔という名前は昔の名前。今の名前はキュビカという名前なんですのよ」

「相変わらずアタイをひどい呼び方してくるな、アンタ。それにしても改名したのって本当なのかい? 聖焔、いや、キュビカさん?」

「そうじゃ。もともと聖焔というのは守り神としての名前。わらわ個人としての名前はキュビカになったのじゃ」



 ふーんという感じでうなづく不死鳥。

 そういえば不死鳥はキュビカの名前に関する会話を聞いていなかったんだな。

 この場にいなかったしさ。

 でもそうなるとどうしてここに来る事が出来たんだ?

 悪口が聞こえたから来たというのなら他の会話も聞こえていそうだが。

 ちょっと聞いてみるか?



「不死鳥さんにちょっと聞きたいんだが、どうして不死鳥さんはここに来たんだ? すごい怒っていたようだが?」

「あれっ? このドラゴンさん、アタイらの言葉が分かるのかい? もしかしてこのドラゴンさんもエリアボス?」

「あらっ、そういう事でしたの!? という事はもしかしてエンラさんは火山の新しいエリアボスさんだったりするのかしら?」



 そうシロカが言うとじっとみつめてくる三人のエリアボス達。

 い、いや、そんなんじゃないから!

 というか何でどさくさに紛れてキュビカもそんな目で見てきているんだよ!?

 そうじゃないって言ってくれる所だろ、そこは!



「キュビカさんに聞けば分かると思いますが、俺はエリアボスではありません。キュビカさんの土地で生まれた、ただの一人のドラゴンに過ぎないんです」

「そうなのか、キュビカさん?」

「キュビカさん、その辺りはどうなのかしら?」



 すると場を沈黙が覆い尽くす。

 そしてしばらくするとついにキュビカが重い口を開いた。



「実はな。このエンラこそが火山の新しいエリアボス――」

「あーあ、それじゃ俺は火山に行かないといけないからキュビカさんに食べ物売れなくなっちゃうなー」

「――ではないのじゃ! 冗談じゃ、冗談。エンラがエリアボスな訳なかろう! ハハハ!」



 キュビカの奴、俺が何も言わなければ絶対に悪ふざけしようとしていただろ。

 全く、冗談じゃないぞ。

 変な誤解されるのはこりごりだからな。


 というか、完全に話がそれてしまってるな。

 話を戻さなくては。



「えっと、先程の話なんだが……」

「ああ、どうしてアタイがここに来たかって? そりゃ決まってるよ。この白い鳥が変な事を口走りやがったから黙らせるためにここに来たのさ!」

「えっ、それって、自分のエリア内にいる状態で聞こえてきたのか?」

「まあ白い鳥が近付く気配がしたから警戒して、キュビカさんとのエリア境界線に待機はしていたけどね。自分のエリア内から白い鳥の言葉を聞いたのは間違いないよ」



 へえ。

 つまりは不死鳥はすごい聴覚を持っているという事は間違いなさそうだ。

 こことエリアの境界線ではそれなりに距離があるはずだからな。



「まあ全部が聞こえる訳ではないけどね。でもほとんどは聞こえているよ。特にこの白い鳥が言った悪口に関してはな」



 そう言うと不死鳥はジッとシロカの事を睨み始める。

 シロカも負けじと鋭い目で睨み返していた。

 やれやれ、本当に仲が悪いようだな、この二人は。



「わたくし気分が悪くなって参りましたのでこの辺りでお暇させて頂きますわ。エンラさん、お時間のある時に是非わたくし達のエリアにお越し下さいね。歓迎させて頂きますわよ?」

「あっ、ありがとうございます、シロカさん」

「もちろんキュビカさんも歓迎致しますわ。でもクソ鳥は絶対来んなよ……ですわ。来たらもちろん命はないものと思って下さいませね?」

「あー言われなくてもアンタのところになんて誰が行くもんですか。こちらから願い下げだね!」



 プイッとして、そう言ってからシロカは俺の家から出て行った。

 これで仲の悪い二人が同じ空間にいなくて済むから場の雰囲気が少しはマシになるだろうか。



「はぁー」

「なんじゃエンラ、ため息なんかついて?」

「いや、ようやく嵐が過ぎ去ったなと思ってさ」

「すまないな。アタイもちょっとカッとなり過ぎてしまったかもしれない。でもアイツと実際に会うと凄くイライラしてくるんだ……」



 不死鳥はそう言うと申し訳なさそうな表情をしていた。

 ……あれっ、そういえば不死鳥の体は大丈夫なんだろうか?

 俺が攻撃を制御できずに不死鳥を大怪我させてしまったんだが……



「不死鳥さん、申し訳ないです、大怪我をさせてしまって。怪我の方は大丈夫ですか?」

「ああ、全然平気だよ、これ位。こういうのは慣れっこだからさ!」

「そ、そうなんですか? 酷い傷でしたけど……」

「アタイは伊達に不死鳥なんて呼ばれ方はしてないよ。こう見えても生命力だけは自慢だからね。そこんじょそこらの攻撃じゃあ、全然へっちゃらなのさ!」



 フフンと自慢気にそう言う不死鳥。

 この感じだと、全然俺が攻撃した事に対して怒ってはなさそうだな。

 良かった良かった。



「むしろこちらこそすまなかったな。急に怒りに任せてドラゴンさんの家を攻撃しようとしてしまって」

「いや、大丈夫ですよ。少しばかり驚きましたけど……」

「まあ驚かせてしまっただろうな。アタイは頭に血が昇りやすい性格なんだ。アタイの事はそういう奴なんだと思ってくれると助かる」

「は、はぁ……」

「そういえばドラゴンさんってとっても強いんだね。怒りに任せて全力で放ったアタイの息吹に打ち勝ってしまうなんてさ。今度お手合わせをお願いしてもいいかな?」

「えっ!? いや、あまり戦いは好きじゃないんですけど……」

「そうなのか。それは残念。でも今度砂漠に遊びにおいでよ。何か歓迎できるかもしれないしさ!」



 戦いの練習の約束はイタチだけでもうお腹いっぱいなんだよな、正直。

 でも思った以上にフレンドリーな不死鳥さんで本当に良かった。

 普通あんなに体中傷付けてしまったら、恨みを買うどころじゃないからな。



「時間が出来たら立ち寄らせてもらいます」

「うん、そうしてくれるとアタイも嬉しいよ。あとそういえば、聖焔さんについたキュビカという名前はドラゴンさんが決めたんだっけ?」

「あ、はい、そうですが……」

「良かったらアタイにも名前をつけてくれないかな? 正直不死鳥という名前はあまり好きじゃないんだ」



 そうだったのか。

 まあ確かに不死鳥っていう見た目とはほど遠いもんな。

 そのあだ名は恐らく生命力の強い鳥→死なない鳥→不死鳥みたいな感じでつけられたんだろうし。

 そういう経緯もあって、今の名前の事があんまり好きじゃないのかもしれないな。



「それならそうですね……スナハとかどうでしょう?」

「スナハか……いいんじゃないか、その名前? 気に入った! よし、今度からアタイの事はスナハと呼んでくれ!」



 良かった。

 どうやらお気に召す名前を付ける事が出来たようだ。

 ちなみに今回の名前の付け方は、"砂を使うハゲタカ"から三文字とってつけた感じである。

 案の定、名前の由来を伝えたら拍子抜けされそうな単純なネーミングだ。

 でもバレなければどうってことないのだ、うん。



 名前をもらうと、スナハは満足そうにしながら自分のエリアの方へ帰って行く。

 ちなみにその頃にはもう日も暮れるような時間になっていた。

 一体何時間いたんだろう、あのカモメとハゲタカは。


 とにかく、こんな感じで一度に見知らぬエリアボスが二人も押し寄せてきた波乱の一日を無事終える事が出来たのだった。



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六十八日目:残金5324850B

収入:なし

支出:なし

収支;+0B

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