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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
三章 ビジネスショッピング
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86.カトカがさらに進化したようです

 先程の事を説明して、クマを仲間に迎える事になったことを説明した俺。

 するとみんなはさほど警戒もせずにすぐに迎え入れてくれた。

 キュビカからこの者からは邪悪な気配は感じないという言葉が決め手となったのかもしれないな。


 ちなみにクマの名前はクータにしておいた。

 特に深い意味はない。

 でも当の本人も気に入っていたので、それでいいと思うのだ。


 クータはあっという間に俺達の住処に慣れて、すっかりくつろいで寝っ転がって休んでいた。

 その適応の早さには目を見張るものがあるな。

 まあ慣れてもらえたようで何よりだ。


 そんな訳でちょっと忙しかった一日を終えて、俺は眠りにつくのだった――






「お父さん、お父さん起きて!」



 んー?

 この声はカトカか。

 カトカが起こしにくるなんて珍しいな。


 そう思いながら眠い目をこすり、起き上がる俺。

 するとそこには見たことのない人型の生物が。


 えっ?

 まさか人間!?

 そう思って目を凝らせば、皮膚は鱗状になっているので、人間ではなかったようだ。


 ちょっとほっと胸を撫で下ろしてから再びその人型の生物を見てみる。

 どうやらその生物は剣と盾を持っているようで、あと皮の鎧のようなものを着ているようだ。

 この生物は以前の世界でやっていたゲームでいうリザードマンの特徴と似ているな。

 でもなんでこんな所にリザードマンが?



「あ、あなたは誰ですか?」

「えっ? 僕だよ。カトカだよ、お父さん!? 朝起きたら進化していたんだってば!」



 うんうん、カトカな。

 カトカはここにいてもおかしくないもんな。


 ……ってええっ!?

 今目の前に立っているリザードマンが、まさかカトカだというのか!?

 朝起きたら進化していたって、まさかそんないきなり!?

 トカゲの次の進化先はサラマンダーじゃないのか!?



「え、えっと……カトカ、さん?」

「どうしたの、お父さん? さん付けするなんてらしくないよ」

「あーやっぱりカトカなのか。何だか全然信じられないけど」

「僕も信じられないよ。朝起きたら体が一気に大きくなっていたんだもん。しかも良く分からない物を持っていたし」



 そういってカトカは剣や盾、皮の鎧を指し示す。


 そういえばリザードマンって何故かそういう道具を持っているよな。

 どうしてそういう人間が作ったような道具を身につけているか謎だったが、もしかすると体の一部なのかもしれない。

 進化と同時にそれが現れる位なんだからな。

 ということは、剣や盾などは体から外れないのか?



「カトカ、その剣や盾を外すことってできるのか?」

「うん? もちろん出来るよ。ほらっ」



 カトカはそう言うと床に剣や盾を置いた。

 どうやら体と一体化したものではないらしい。

 ますます謎は深まるな……

 ちなみに皮の鎧も着脱可能なのだとか。


 それにしてもだいぶ大きくなったな、カトカ。

 二本足で立っているから背丈もだいぶ大きく感じるし。

 多分2メートル程の大きさはあるんじゃないか?



「うーん……あっ、おはよう、エンラ。起きていたのね。あれっ? そこにいるのは?」

「あっ、コクリお姉ちゃん。カトカだよ。今日の朝進化したんだ、僕!」

「そ、そうなの……? ずいぶんと大きくなったわね……」



 さすがにコクリもカトカの変化に戸惑っているようだ。

 そりゃあこんな急に変わったら戸惑うわな。


 ……ってええっ!?

 今何気なくカトカの奴、コクリと会話していたが、もしかして――



「なあ、カトカ。今のお前ってもしかして日本語を話せるのか?」

「うん。今までずっと言葉を聞いてきたからね。後は発声さえできればと思っていたんだけど、今日からそれができるようになったんだ!」



 へぇ……

 それはすごいな。

 いくら体が変わったからといって、言葉を完璧に急に喋れるようになるかよ、フツー。

 カトカが変化したのは外見だけではないって事だよな、これ。

 恐ろしい変化だわ……。



 それからリザードマンとなったカトカと話をしていると、いつものキュビカ達の狩りの時間がやってくる。

 カトカの姿を見たキュビカや鷹達もみんな驚いてはいたが、カトカの親しげな様子を見ると、特にそれ以上の反応は示さなかった。

 きっと姿が変わってもみんなはすぐにカトカ本人だと見極めたんだろう。

 何と切り替えの早いことか。

 俺なんてしばらく戸惑っていたというのにさ。


 キュビカ達が狩りに行く様子を見送る俺達。

 するとカトカが声をかけてきた。



「ねえ、お父さん。今日の朝食は何にするの?」

「うーん、そうだな。考えていなかったな。今日もちょっと冷えるし、温まるものでも作ろうかな」

「だったら、僕にも手伝わせてよ! 今の僕ならきっとお父さんがやっている事も手伝えるよ!」



 確かにそうだろうな。

 リザードマンになったカトカなら、手先も器用だろうし、道具を扱うことも全く問題にならないだろう。

 むしろ俺よりも道具を使うのは上手くなるかもしれない。

 今まで小さなトカゲだったカトカは料理に関して何の手伝いも出来なかったから、もどかしい思いをしていたのかもしれないな。



「ああ、分かった。それなら今日はカレーを作ろう。手伝ってもらってもいいか?」

「うん、任せておいて!」



 拳を胸にボンと当てて張り切った返事をするカトカ。

 気合いは十分のようだな。


 朝からカレーはどうかと思うかもしれないが、シチューはいつも食べていて飽きちゃうしな。

 まあ他の料理を作ればいい話なんだろうけど、せっかく料理を教えるのなら、作り慣れた料理じゃないと。


 ということで、俺は早速カレー作りの準備を始めた。

 まず鍋や火を起こすもの、まな板、包丁などを用意する。

 ちなみに念の為、使う道具をスプラッシュの技で洗浄しておくことも忘れない。



「じゃあカトカ。このニンジンを切ってみてくれ。こうやるんだぞ」

「ふむふむ。分かった。ちょっとやってみるね」



 カトカは俺が包丁でニンジンを切る様子をじっと見た後、自分でもニンジンを切ろうとする。

 だけど、手がブルブル震えているし、結構危なっかしいんですけど……



「う、ううっ……えいっ!」



 スコン!



 カトカが初めてニンジンを切った瞬間だった。

 カトカはニンジンを初めて切る事ができて感動しているようだ。



「切れた……切れたよ、お父さん!」

「ああ、良かったな。コツを掴んだらどんどん続いて切っていってくれよ」

「うん、分かった!」



 カトカはそれからというもの、順調に野菜を切っていく事ができた。

 最初は戸惑っていたものの、慣れてくるにつれ、野菜を切るペースも上がっていく。

 だが、そうやって調子にのっていった時……



「痛っ……!?」

「どうした、カトカ? あー、指切っちゃったのか」



 カトカはどうやら自分の指を傷つけてしまったようだ。

 カトカの指から出血している。


 ちょっと慣れてきた頃は油断しちゃって一番危ないとはよく言うもんな。



「今治してやるからちょっとじっとしていろよ?」



 俺はヒールを使ってカトカの指を治してあげた。

 この世界はこういう即効性のある治療ができるからいいよな。

 前の世界ではばんそうこうを張って傷が治るまで大人しく待つものだったし。


 傷が癒えた後、俺はカトカに注意を促し、再び二人でカレー作りを始めたのだった。




 それからは特に何事もなく順調に調理が進み、ついにカレーは完成!


 ちょうどキュビカ達も帰ってきたので、獲物を売却してから、みんなで朝食。

 みんなは美味しくカレーを食べている様子で、どうやらカレー作りは上手くいったようだ。


 みんながカレーを食べている様子をカトカは嬉しそうに眺めているようだった。

 うん、自分が作った料理を気に入ってもらえるって嬉しいよな。

 カトカにもその気持ちが分かってもらえたようだ。



********

六十八日目:残金5340050B

収入:キュビカの獲物66000B

支出:食料など12000B

収支;+54000B

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