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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
三章 ビジネスショッピング
45/357

45.通貨について説明してみました

 価値を理解してもらうための方法、それは通貨だ。

 通貨があれば、朝のお目覚めセットがディナーセットの三分の一の価値であり、おにぎりの十個分の価値がある事が理解されるだろう。

 という訳で、通貨を購入するとしようか。



@@@@@@@@ 


 どの通貨をお買い求めですか?

 残り所持金 5441577B


おすすめ順 5203件中5件表示


 女神通貨たっぷりセット      1B

 日本通貨(1円)         1B

 アメリカ通貨(1ドル)    110B

 ヨーロッパ通貨(1ユーロ)  120B

 中国通貨(1元)        15B


@@@@@@@@



 日本円とか買えてしまうのか。

 でも1Bが1円か。

 分かりやすくていいかもな。

 ただ、だからと言って日本円を買うのは結構危険な行為だろう。


 俺はこれからみんなに通貨を使ってもらうために、通貨を大量製造する必要がある。

 その点で製造コストは安い方が良い。


 1Bが1円だと、500万円分しか製造出来ない事になるだろう。

 それに今でこそ1Bが1円だが、これから先もそうとは限らない。

 そもそも日本円は信用通貨であり、日本円自体に価値はない。

 日本銀行や政府などが保証して初めて価値のあるものだったはずだ。

 だがこの世界は異世界であり、当然日本なんて国はないので、信用元となる組織が存在しない。

 つまり、価値の保証元がないのだ。


 なんで日本円が1円につき1Bの価値が現在あるのか全く不明なのである。

 そう考えると今の相場って恐ろしすぎるだろ……

 それは他国の通貨も同様の事が言えるので却下だな。


 自分の意思で通貨を安価で製造したり、他者に価値を左右されない為には独自通貨を作るのが最善だろう。

 そして出来れば偽造されにくい物がいい。

 動物や魔物に偽造技術なんてあるとは思えないが、長く使っていくものと考えると、簡単に作れる物にはしない方が良さそうだ。


 とはいえ、今の俺では自力で精密な通貨を作り出す事はできない。

 設備も環境もないからな。

 となれば、女神ショッピングで現状安く買える通貨を俺達が使う通貨にする他なさそうだ。


 という訳で、通貨の安い順に見ていく事にした俺。

 その中でも良さそうと思って買ったのがこいつだ。



@@@@@@@@


 以下の物を購入しました。

 残り所持金 5441576B


 女神通貨たっぷりセット      1B


@@@@@@@@



 おすすめ順でもトップに表示されたその女神通貨というものだ。

 なんていってもこの通貨、どの種類の硬貨も1万枚入り1Bで購入できるという優れものである。

 他の通貨ではこうはいかないだろう。


 購入完了画面が表示されると一つの箱が現れた。

 中は結構ずっしりとして重い。

 多分何らかの硬貨がたくさん入っているのだろう。

 開けて確認してみるか。


 俺は箱を開けて中を確認する。

 すると中には五色の硬貨がたくさん入っていた!


 この女神通貨たっぷりセットなのだが、数えた所、五種の硬貨が2000枚ずつ入っていた。(数えるのめっちゃ疲れた……)

 そんなに入っているのにかかった費用はたったの1B!

 破格の安さだよな。


 五種の硬貨はそれぞれ白金、金、銀、銅、鉄みたいな素材でできている。

 全ての硬貨は10000枚1Bで買う事ができるので、素材的な価値はほぼ変わらない。

 つまり、大量製造が必要な硬貨だけを大量に購入する事も可能だって訳だ。

 白金っぽい硬貨も1Bで買えるあたり、メッキみたいなものなのかもしれないな。

 一応売却を試してみたのだが、その硬貨1枚を売却しようとしても、売却額は0Bだった。

 まあ、そりゃそうですよねー。

 でないと硬貨セットを買っては売る錬金術が出来ちゃうもんな。

 流石にそんなに甘くはないか。


 そういえばこの女神通貨、無駄にデザインが凝っているんだよな。

 女神通貨にはあの白い空間で見た人間姿の女神の顔が描かれているのだが、その女神の表情が違うのだ。

 正面から見ると笑顔の女神。

 左に傾けて見るとぶーっと頬をふくらませて不満そうな顔をした女神。

 右に傾けて見ると悲しい顔をした女神が見えるというようになっている。

 ……一体どんな技術を使ったらこんな物が作れるのやら。

 それに何でこんな物が破格の値段で売られているのも疑問だが、まあ俺の目的に合っているからこれで良しとしよう。

 高い技術が使われていそうだし、まず偽造される心配はないだろうしな。



「エンラ、それは何なの?」

「ああ、これは硬貨っていってな。物と交換する時に使うんだ」



 俺はそう言ってコクリに銅でできた硬貨を見せた。



「これが10枚集まるとおにぎり1個と交換できる。そしてこの銀の硬貨では1枚でおにぎり1個。金の硬貨では1枚で10個のおにぎりと交換できるんだ」

「そ、そうなの!? ならそこにいっぱいあるからおにぎり食べ放題―――」

「にはならないな」

「えっ、どうして!?」

「この硬貨はコクリなど、俺以外のみんなが俺に何かを頼む時に使うものだ。これはまだ俺の物。これが欲しかったらみんなその分働いてくれって事だ」



 働かざるもの食うべからず。

 食べ物が欲しかったらそれだけ働けって事だな。


 あと硬貨の価値だが、高い順で並べると、白金、金、銀、銅、鉄になり、それぞれの価値には十倍の開きがあるという設定にしておく。

 そして最低価値の鉄貨1枚が1Bの価値であるようにしておいた。



「働くっていってもどうしたらいいんだな?」

「ユニか。何、簡単な事さ。例えば見張り役を引き受けたり、獲物を狩ってきたりしたら俺が硬貨を渡す。その硬貨でみんなは俺から食料を買う。そういう事だ」

「つまり、みんなの役に立てばお金を貰えるという事ね?」

「その通りだ、コクリ。みんながより暮らしやすく、そして豊かな生活を営む事に貢献するほど、たくさんの硬貨が貰えるという訳だな!」



 ふーんとうなづいている皆さん。

 どうやらそれなりに仕組みは分かってくれたらしい。



「じゃったら、たくさんの獲物をエンラに売りつければ、それだけ多くの硬貨を手に入れられるという訳じゃな?」

「いや、そうはならない」

「へ? どういう事じゃ?」

「獲物を狩るという仕事にはもちろん価値があるし、欠かせない事だ。だが、もちろん獲物は有限だ。お金を稼ぐ為に乱獲しまくっていたらいつか獲物が滅びるだろう。だから一日狩れる獲物は今の鷹の数、16体を上限とする!」



 ええーっとがっかりしたような声をあげるキュビカと鷹達。

 獲物狩りは彼女達の特権だからこそ、それが制限されてきっと不服なのだろう。



「獲物を様々な地域で狩っているから大丈夫とは言っていたが、本当にそうなのか? 狩る数が多過ぎれば、自然と狩りのインターバルは短くなるし、個体の増加が減少分に追いつかなくなるだろ?」

「……ギクッ!?」



 キュビカからは汗が流れている。

 やっぱりキュビカ達が狩る数はだいぶ多かったようだな……


 今まではキュビカは己が食べる分だけの獲物を鷹達に狩らせていた。

 まあその量は膨大とはいえ、キュビカが生きていくには欠かせない量ではあった。

 だが、俺が制限なく獲物の買い取りを認めてしまったら、硬貨を稼ぐために必要以上の獲物を乱獲するようになってしまう危険がある。

 元の世界では営利目的で狩られた動物が絶滅の危機に瀕した事は何度もあったからな。

 この世界でそうなる事は極力避けたい。



「個人的に食べる分を狩る事までとやかく言わないが、俺が買い取る量は先程の数だけとする。だからむやみに乱獲はしないようにな」

「じゃ、じゃがお主からもっと食べ物を買いたい時はどうすればいいのじゃ? たくさん狩ってもダメなんじゃろ?」

「方法はいくつもあるだろ。例えば獲物の質をあげること。価値の高い獲物を狩ってくれば、その分報酬は弾むつもりだ。それにキュビカさんや鷹が獲物狩りしかしてはいけないなんて誰が決めた? 他の仕事をする事だってできるだろ?」

「む……確かにそれはそうじゃな。それなら大丈夫じゃ」



 キュビカと鷹の連携によって持ってきてもらう獲物は俺の資金源だ。

 今の俺の収入がほとんどそれに依存しているといってもいい。

 毎日多額の利益がもたらされるのだから、やめない手はないだろう。

 だからこそ、長期間それを続ける為に狩る量を制限をするのだ。

 獲物の枯渇によって狩りを続けられなくなるというのは俺にとって一番避けたい事なのだからな。



「まず今までもみんなは働いてくれていた訳だし、最初にみんなにお金をあげよう。ちょっと多めに渡しておくが、仕事しないとどんどんなくなっていくから気を付けろよ?」



 俺は首かけ型の財布を購入し、その財布の中に白金貨を1枚、金貨を2枚、銀貨を3枚、銅貨を4枚、鉄貨を5枚入れたものをみんなそれぞれに渡した。

 手が器用ではない者の方が多いから、そういう財布は必須だろうな。

 あと、色んな通貨の価値を知ってもらう為にあえて色んな硬貨を入れておくことに。

 少しの間働かなくても大丈夫なようにちょっと余裕を持って多めに通貨を渡しておいた。



「何か役に立つ事をしてくれたら、その小さな袋に俺が先程のような硬貨を入れる。みんなが何かを買う時はその分の硬貨を俺が抜き取るという事だ。ここまで分かったか?」

「ええ、大丈夫よ」

「であれば、早速みんなに初仕事だ。今日の夜の見張りは誰がやりたいか? 金貨1枚分の仕事だぞー?」

「もちろんわらわに任せるのじゃ!」

「私がやるわ!」

「おれがやる!」



 みんなこぞって名乗りをあげるのだが、さすがにみんなに見張りをお願いしては意味がない。

 そこでコクリ、ターガ、ユニ、カトカの中から二人。

 ターガ以外の鷹から五人。

 あとキュビカに見張りをお願いすることにした。

 見張り担当以外の人は普通に寝てもらう事に。

 見張り担当になった時に睡眠が不足するだろうからな。

 見張り担当の人も交代制で睡眠をとるだろうけど。


 特にキュビカのやる気は半端なかったので、断る訳にはいかなかった。

 寝不足にならないか心配したんだけど、それよりも食べ物だと言って聞かないのだ。

 キュビカの食欲は本当に底を知れないな……


 という訳で、仕事としての夜の見張りが初めて開始されたのだった。



********

十九日目:残金5439576B

収入:なし

支出:女神通貨たっぷりセット1B、財布2000B

収支;ー2001B

********

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