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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
十一章 ドラゴンショッピング
342/357

342.ドラゴン相手でも十分戦えているようです

 混沌国の人達の避難が完了した所で、テレーナと一緒にみんなの所に戻る俺。

 すると、みんなが少しそわそわしていることに気付く。



「あっ、エンラ。大変なんだな」

「どうしたんだ、ユニ? もしかして、ついに来たのか?」

「ああ。商業国のベージェ町が襲撃を受けているらしい。ドラゴンの大群の中でも速い奴らが大陸に到着したんだろうな」



 ユニに代わってトラージが状況を説明してくれる。

 ベージェ町は俺が指定した場所のうちの一つだから、その町のギルドにはきっと大勢の人が集まっているはず。

 早めに避難をしてあげなくては。



「みんな、今すぐベージェ町に行くぞ。準備は良いか?」

「ああ、いつでも行けるぜ」



 すぐに返事を返したトラージと、黙ってうなずくみんな。

 どうやら心の準備はもう大丈夫そうだ。

 という訳で、俺はすぐさま瞬間移動を使用して、町中へと転移する。



「キャー!?」

「みんな、ギルドに急げー!」



 ベージェ町はパニック状態になっていた。

 町の建物のあちこちは倒壊し、崩れ落ちている様子が見える。

 避難をしようと大勢の人が移動をしている最中のようだ。


 恐らく、ギルドマスターがあらかじめギルドに避難するように伝えてはくれたんだろうが、人々はそれを信じようとはしなかったんだろう。

 で、実際にドラゴンを見た人々が今になってギルドに大集結しようとしているって感じか。

 まあ、そんな感じになるとは思っていたけど、案の定、後手に回った感じになったか。

 襲撃された最初の町だから仕方ないと言えば仕方ないのだが。



「俺は避難を進めようと思う。テレーナ、トラージ、ユニはドラゴンを少しでも長い間足止めしてほしい」

「了解。倒しちまっても問題ないんだよな?」

「そうだな。ただ、洗脳されているだけの可能性もあるし、余裕があったら、殺すまではしないでもらえると助かる。あくまで人命優先で構わないけどな」

「考えとくよ。それじゃ、行ってくるぜ!」



 トラージ達は人の流れに逆らうような形で移動をし始める。

 さて、俺は早い所、ギルドに向かわないとな。

 俺は再度瞬間移動を使い、今度は町のギルド内へと転移することに。


 ギルドの中は混みあっていそうだと思った俺は、ギルドの天井付近に転移し、ウェイトチェンジで重力をゼロにして、宙に浮かぶ。

 そして重力をほんの少しだけ戻し、ゆっくりとした速度で高度を下げ、目につきやすい位の高さまで来たら、そこで重力をゼロにし、その場にとどまる。

 それから建物にいる人に呼び掛けることにした。



「ここにいる人達は、みんな避難希望者ということで良いんだなー!?」

「おい、人が浮いているぞ!? どうなってるんだ!?」

「あっ、あいつ、闘技大会で優勝したヤツだろ!? 何か不思議な魔法を使っているに違いねえ!?」

「このドラゴンの襲撃も予知していたらしいぜ。本当、やべえヤツだよな……」



 俺を見て、そんなことを口々に言う人々。

 一人一人聞いている時間もないし、とりあえず転移させるとするか。



「それじゃ、避難希望者ということで、避難させるぞー! 3,2,1―――」



 カウントダウンを始め、そして0になったタイミングで、瞬間移動を発動させる俺。

 すると、何百人もいた人達が突然湖の中に転移し、人々はものすごく慌てている様子が見えた。

 だけど、既にいる混沌国の人達が普通に息をしているのを見て、自分も息ができることを察し始める人々。

 少しいた湖から出ようとする人に対しては、俺が瞬間移動で無理矢理引き戻したので、湖から一人も出すことなく避難を終えることができた。

 さて、認識できただけの人しか転移できていないから、何度か繰り返さないとな―――


 俺は何度か湖とギルドの往復を続けた。

 5回も行き来すれば、とりあえずギルドにいた人々、ギルドになだれこんでくる人々を全て湖に送り込むことができた。

 この瞬間移動の能力、本当に高性能すぎるなとしみじみ実感するな。


 こうしてそんなに時間がかからずに避難を終えた所で、俺は"女神モニター"を使って、テレーナ、トラージ、ユニの様子を見る。

 見た感じ、どうやら三人とも善戦しているみたいだな。

 テレーナはドラゴンを光の刃で切り付けて、一撃で気絶させているし。

 トラージは肉弾戦で素早い動きでドラゴンを翻弄。

 その周囲にはトラージにやられたと思われるドラゴンが数頭倒れているのが見えていた。

 ユニは幻術魔法でドラゴンを惑わし、ドラゴン同士で戦わせたりしている。

 どうやら、まだ三人とも余力を残していそうだな。

 なら、俺は念のため、逃げ遅れがいないかを確認してくるとするか。


 安心した俺は、一旦ギルドの建物の中に転移し、気配探知のスキルを使っては、また別の場所に転移することを繰り返し、町を探し回ることにした。



 こうして20分ほど転移を繰り返し、探し回って、何人かを救い出した後、俺は仲間達と合流する。



「ユニ、うまく戦ってくれたな。お疲れ様。一旦退くぞ!」

「了解なんだな」

「トラージ、ずいぶん派手にやったな。もうここはこれで退くからな!」

「ちぇっ、これから面白くなってきた所なのによぉ。まあ。しゃあねえか」

「テレーナ、ドラゴン相手に手加減できるなんて成長したな! とりあえず今はここを退くぞ!」

「うん、わたし、頑張った」



 それぞれの反応をうけ、瞬間移動で一気にベージェ町を離れる俺達。

 そして、他の商業国の町のギルドに転移し、避難を本格的に進めることにした。

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