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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
十章 ヒューマンショッピング
310/357

310.テレーナがエリアボス達に挑戦し続けました

「……参ったよ。強くなったね、テレーナ」

「へへっ、お手合わせありがとうございました、先生!」



 本気のカトカと勝負し始めてから1年。

 テレーナは最初は全くカトカに歯が立たなかったものの、だんだんとその動きに食らいついていく。

 そしてカトカと一進一退の攻防を繰り広げ、ようやくテレーナがカトカに打ち勝ったのだ。



「おめでとう、テレーナ。良い勝負だった」

「ありがとう、エンラ。やっと、やっと先生に勝てた……よ……」

「おい、大丈夫か、テレーナ!?」



 テレーナが倒れそうになったので、俺はテレーナを支える。

 全力を使い果たしたからなのか、体を支えるのもやっとのようだ。

 もちろん、勝者であるテレーナがそんな状態なら、敗者であるカトカも同様なのも無理ない話で。



「ごめん、お父さん……。僕も手を貸してもらっても良いかな……?」

「まったく。二人とも無茶しすぎだろ。それだけ全力だったということなんだろうけど」

「テレーナは強いよ。僕がこれだけ力を尽くしても勝てないほど強くなったんだ。僕が予想したよりもずっと早く、ね」



 カトカは俺の手をとった後、俺の肩に手をかけて、俺と同じ速度でゆっくりと歩いていく。

 カトカは数年でテレーナに抜かれると予想していたが、それを一年でやり遂げたんだもんな、テレーナは。

 それだけテレーナが頑張ったということなんだろうけど、それにしてもすごすぎる。

 修行の日々だったとはいえ、まだまだ幼さが残る少女だというのにな。


 テレーナとカトカはそれから森の家でしばらく休み、また修行は再開された。

 テレーナがカトカを実力で上回ったとはいえ、まだまだ修行の余地はあるということなのだろう。

 先程の戦いを振り返って、テレーナがより強くなるにはどうしたら良いのかをカトカがテレーナに教えていたようだ。


 その日はそのままカトカと修行をして、テレーナの一日は終了。

 そしてその次の日からは、カトカの推薦もあって、エリアボス達を相手にテレーナが戦い始めた。


 最初はイルカの湖にいるイタチの水刃を相手に戦った。

 ゴルザの乗っ取りを防ぐために、キュビカのエリアにとどまってもらっているため、水刃は本来の力が出せない。

 だが、それでもなお、カトカとは別のベクトルの強さがあり、最初はテレーナは水刃に敗北。

 数回戦って、コツをつかんでから、勝利をもぎ取った。


 次に、砂漠エリアにいるハゲタカのエリアボス、スナハと戦った。

 空も飛べるスナハはなかなかの強敵で、はじめのうちはテレーナは手も足も出ずに敗北。

 それでも負けん気を発揮したテレーナは、空中を移動する技を取得し、スナハに機動力で負けないようになる。

 そして、3ヵ月ほど戦い続け、ようやく勝利をもぎ取った。



「人間なのに空を飛べるって、そりゃないだろ……」

「エンラが空を飛べるなら、わたしだって空を飛べてもおかしくないでしょ?」

「いやいや、俺も人間態じゃ空なんて飛べるわけ―――いや、浮かぶことはできるけどさ」



 とんでもない技を身に着けたテレーナのことを言おうとしたら、俺自身も普通の人間目線でかなりおかしな状態にあることに気付く。

 飛ぶことはできないが、別にウェイトチェンジで重力をゼロにできれば、空中に浮かぶことはできるもんな。

 テレーナのことをとやかく言えないような気がしてきた。

 ……まあ、テレーナほど自在に空中を移動できる訳でもないし、俺はテレーナよりは常識の範疇内にいるとは思うんだけどな。


 スナハの次は、カモメのエリアボス、シロカが相手だ。

 空中での機動力を得たテレーナは、シロカに対して初戦からだいぶ良い勝負を繰り広げる。

 だが、シロカはやはりエリアボス。

 本気を出した途端、一気にテレーナは押し切られ、敗北。

 結局2週間ほど戦いを続け、ようやく初勝利を勝ち取った。


 シロカの次は、氷狼、雷虎……と続く。

 それぞれ俊敏な動きでテレーナを惑わせるが、何度も戦う事で動きに順応し、テレーナは氷狼と雷虎を突破する。

 こうして残るエリアボスはキュビカとボルドだけとなったのだが、ボルドは火山の統治で忙しいとのことで、勝負の相手はできないとのこと。

 ボルドが戦えないということなので、キュビカが実質最後のエリアボスということになる。


 エリアボス最強は雷虎だとエリアボスの中では言われている。

 だが、それは単純な戦力の強さを比較した場合の話だ。

 自分のエリア内、かつ対面での戦いとなれば、エリアボス最強は間違いなくキュビカで間違いないだろう。

 何しろ、全ての攻撃を無効化してくるんだからな。

 実質負けはないと思っても良いのではないだろうか。


 テレーナはそんなキュビカに挑もうとしている。

 キュビカに勝つことはできないから、認めさせることができるかどうかがテレーナの勝敗の分け方と言えば良いだろうか。



「お主、覚悟はできたのかの?」

「もちろん。それじゃ、いくよ、キツネさん!」

「ふん、甘いの」



 テレーナの攻撃をまっすぐに受けて、そのままはじきとばすキュビカ。

 身軽な体になったキュビカは避けることもできるはずなのだが、攻撃が効かないことが分かっているから、避ける必要もないということだな。

 はたして、テレーナはキュビカに認めさせることができるのか……。

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