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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
四章 ウィンターショッピング
110/357

110.砂漠の魔物を殲滅してみました

 空を飛びながら、話をする俺達とスナハ。

 ちなみに気を使って話されるとむずがゆいからという事で、スナハに対して俺はため口で話すことになった。

 その辺りもシロカと似ているんだよな。

 やっぱり二人って実は似た者同士なんじゃないか……?

 それだけ考えると仲良くなれそうなものだが、同族嫌悪という言葉もあるし、一概には言えないんだろうな。



「暴走した魔物は氷狼のエリアとの境界付近に出没している」

「氷狼のエリア? ああ、そういえばスナハさんのエリアは氷狼のエリアと接しているだっけ」

「ああ。アタイのエリアの北西部を氷狼のエリアと接しているんだ。最近は動きが分からなくて不気味な奴らだけどね……」



 スナハはそう言うと、少し気まずそうな顔をした。

 ああ、そういえばコクリもこの場にいるもんな。

 そりゃあ、あまり悪いことは言えないか。



「スナハさん、実はコクリも氷狼のエリア出身ではあるが、そこから逃げてきた身なんだ。だからもしよければ、最近の氷狼達の動向を教えてくれないか?」

「何だ、そうだったのかい。まあアタイもそれほど詳しく知っている訳ではないけど、それでも聞きたいかい?」

「ああ、是非頼むよ、スナハさん」



 スナハはしばらく考え込んだ後に、ゆっくりと話し始めた。



「およそ半年前まではたまーにだけど、氷狼と話す機会もあったんだ。そしてオオカミ達が砂漠の魔物を狩っていっていた」

「へえ、氷狼と話す機会があったのか。どんな奴だったんだ?」

「冷静で、でもどこか暖かい思いやりのあるヤツだったな。でも半年前ほどからはその会話がぱったりと途絶えた」

「会話がぱったり途絶える、か。以前まではどうやって会話していたんだ?」

「氷狼が時々砂漠に来ていたんだ。他の仲間と一緒にな。そんな時にアタイが近寄って話をすることもあった。それが今や全くヤツはぱったりと姿を見せなくなった。どういう事なのかね?」



 ふーん。

 今までは氷狼も仲間と一緒に砂漠に来ていたのに、今は全く姿を見せなくなったと。

 コクリによれば、氷狼はいきなり様子が変になっていたらしいから、その影響なんだろうな。

 半年前というのも大体コクリが逃げてきた時期と一致するだろうし。



「他のオオカミは来ているのか?」

「ああ、たまにな。それは今も変わらず来ているよ」

「何か変な様子はなかったか?」

「そうだな……そこまで変に思ったことはないな。強いて言えば氷狼が一緒にいない事位か。まあ遠くから見た感想ではあるけどさ」



 意外だな。

 てっきり他のオオカミもおかしくなっているものだと思っていたのだが。

 まあ、遠くから見ても分からないというだけで、何かしらの異変はあるのかもしれないけどさ。

 とにかく少しでも情報を聞けて良かった。



「ありがとな、スナハさん。情報助かるよ」

「いいってことよ。ちなみにこの時間帯はオオカミの助力は期待できないから、アタイ達だけで魔物は狩り尽くさないといけないよ!」

「ああ、その方がこちらとしては好都合だ!」



 下手にオオカミと出会ってしまうと、コクリに何かされかねない。

 できるだけ関わらない方が良いのだ、コクリ以外のオオカミとは。


 それからも話をしながら空を飛んでいると、ようやく目的地上空へと到着した。

 地表には確かにうじゃうじゃと魔物が徘徊している様子が見える。



「うわっ、確かにこの数はすごいな……」

「だろ? それじゃアタイはあっちの辺りの魔物を殲滅してくるから、この辺りの魔物はよろしく頼んだよ!」

「ああ、任せておけ」



 そう言うとスナハは遠くへと飛び去っていってしまった。

 というか、そちらの方にも魔物がいるのか。

 確かに地表を見る限り、どこまで続くのかっていうレベルで魔物がうじゃうじゃいるからな。

 数千、いや、数万はいるんじゃないか、この魔物達。

 恐ろしい数だよな。


 さて、もたもたしていても仕方ないし、早速攻撃開始といきますか。



「二人ともちょっと揺れるから、しっかり掴まっておけよ!」



 コクリとキュビカに注意を入れてから、俺は息を思いっきり吸い込む。

 そして――



「極寒吐息!」



 俺は地表の魔物に向かって冷気のつまったブレスを発射した。

 ブレスを数秒当てると、魔物は息絶えるようなので、そのブレスの範囲をゆっくりとずらして魔物を殲滅していく。



「私も手伝うわ! アイスニードル!」

「わらわも! 巫術・氷結の祈り!」



 コクリとキュビカの援護により、俺が倒し損ねた魔物も確実に仕留めていく。

 そうすること数十分。

 だいぶこの一帯の魔物を殲滅することができたな。


 とりあえず一息つくために地上に下りようとしたのだが――



「エンラ、待つのじゃ!」

「ん? どうしたんだ、キュビカさん?」

「この魔物どもの死骸から何か邪悪な気配が感じるのじゃ。このまま近寄ってはあまり良くない影響が起きるじゃろう。ちょっと待っておれ。巫術・神聖の祈り!」



 そう言うとキュビカは一人ぴょんと地表に降り立った。

 地表に下りたキュビカには薄い緑色のバリアのようなものが張られている。

 多分あれには邪悪なものを防ぐ役割みたいなものがあるんだろうな。


 キュビカはその場で目をつぶり、何かをぶつぶつと唱え始めた。

 そしてしばらくすると、キュビカを中心に巨大な魔法陣が発現する!



「ではいくのじゃ……極巫術・神聖浄化の儀!」



 キュビカのその言葉によって、辺り一帯が強烈な白い光に包まれた!

 うっ……まぶしい。


 あまりのまぶしさに少し目をつぶる俺。

 そしてしばらく待っていると……



「エンラ、もう降りてきてもよいぞ」



 キュビカからそう声をかけられたので、俺は静かに目を開ける。

 するともうキュビカの技による光は消滅していた。

 辺りには砂地の上に大量の魔物の死骸が転がっているだけだ。


 俺はキュビカの近くにそっと降り立った。



「ありがとな、キュビカさん。そういえばもしあのまま俺達が地表に降り立っていたらどうなっていたんだ?」

「そうじゃな……どうなるかはわらわにも分からんが、何かしら良くない影響は起こるじゃろうな。例えば精神乗っ取りとか」

「せ、精神乗っ取りだと……!? そりゃ恐ろしいな!?」

「まあそれはあくまで最悪の場合じゃよ。そんな事には滅多にならないわい。でもそういった邪悪な魔法、死霊術とはそれ位強力な事ができるものなのじゃよ……」



 そ、そうなのか……

 ちょっとそういう気配に触れただけでそうなっちゃうのだと思ってビックリしたわ。

 この世界どんだけ恐ろしいんだと思ったよ、本当。


 ちなみに精神乗っ取りって女神ショッピングで買える技なのかな?

 興味本位でちょっと見てみるか。



@@@@@@@@ 


 どの精神をのっとる方法をお買い求めですか?

 残り所持金 10994550B


おすすめ順 3件中3件表示


 スピリットドミネーション  10000000B

 スピリットインプリンティング 1000000B

 精神憑依薬           100000B


@@@@@@@@



 あれっ?

 買えちゃうんだ?

 別に買う気ないけど。


 まあ、一種の魔法にも関わらず1000万もするんだから、相当強力な魔法、もしくは技に違いないんだろうけどな。

 今後、死霊術を使いそうな奴が現れたら気を付けることにしよう。


 ちなみにそこらじゅうに散らばっている魔物の死骸は売却する事にした。

 売らずに放っておいたら、いつか腐って臭いがすごいことになりそうだからな。

 魔物一体一体の売却額はそうでもなかったが、あまりにも死骸の数が多かったので、最終的には2300000Bで売れることになった。

 思わぬ収穫だったな、これ。

 懐があたたまって実に良かった。



********

百六十九日目:残金13294550B

収入:魔物の死骸2300000B

支出:なし

収支;+2300000B

********

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