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ドラゴンになってものんびり過ごしたい~動物達と気ままにスローライフ~  作者: かいものトカゲ
二章 ライフショッピング
11/357

11.ドラゴンの体って重いらしいです

二章に突入です。

 外から漏れ出てくる日の光によって目が覚める。

 ああ、今日も朝が来たようだ。

 俺は起き上がろうとして体を起こそうとする。



 ズシンッ!



 ズシンッ……?

 なんかいつもしないような重い音がしたんだが……

 それに何だか異様に穴が狭い。

 今いるのは、安全な穴に比べてはるかに大きい安全な大穴の中のはずだ。

 実際、安全な大穴の大きさはサラマンダーの時でさえ、入口は見上げるような所に存在した。

 スペースとしても、走り回れるほどの余裕はあったはずだ。


 それが今は大穴に体がすっぽりとはまるような感じになっており、スペースに全く余裕がない。

 以前のように、穴の大きさが足りなくて穴に圧迫される事にならなかったのは良かったが。

 さて、となると今回もアレがあるかな?


 ……あった。

 自分の体と壁に挟まっていた透明な抜け殻。

 こういうのを女神ショッピングで売却するのはもはや定番だな。



@@@@@@@@


 ”ドラゴンの抜け殻”を売却しますか?


 売却額 100530B


@@@@@@@@



 ど、ドラゴン……!?

 今の俺ってドラゴンになっているのか!?

 やけに体が大きいとは思っていたが、まさかドラゴンになっているとは……

 しかもただの抜け殻なのに10万で売れるんだな。

 今は金欠気味なので喜んで売却しておいたけど。


 ドラゴンということは、翼もあるんだろうか?

 そう疑問に思った俺は自分の背中の方を見ようとする。

 するとそこには一対の翼のようなものが見えた。

 となれば、もしかしたら空も飛べるのかもしれないな。


 そして、さらなる発見がある。

 なんと、ついに二足で立つ事が出来たのだ!


 サラマンダーの時までは四足歩行だったので、出来る事が限られていた。

 だが、それが二足歩行出来るようになるとなると、色々と出来る事が増えそうだ。

 これはかなり大きいぞ。


 今後出来る事に期待しつつ、俺は地上に出る事にした。


 そして地上に出ると、俺を見つめるオオカミが一匹。



「あなた、エンラ……よね?」



 そう恐る恐る聞いてきたのはコクリだ。

 俺の姿を見て恐れているのか、体をブルブル震わせている。

 ……そりゃあ、大きさも全然変わってしまったし、怯えるのも無理ないよな。


 俺は体長が大きくなっただけでなく、二足で立つ事が出来るようになった。

 なので一層俺とコクリの間の大きさの違いが際立つ。


 なんて言っても、見下ろすような位置にコクリの姿があるのだ。

 今までは俺が見上げる立場ではあったんだがな。

 まあ大きさが変わったからといってコクリとの関係性を変えるつもりは全くないが。



「ああ、そうだ。驚かせてすまなかったな」

「そりゃあ驚くわよ。あなた、進化したのよね?」

「多分そうだろうな。初めは小さなトカゲに過ぎなかったしさ」

「それは私も見ているから知っているわ。それにしても物凄いスピードね。進化する動物や魔物はいるとは聞いていたけど、でもこんな早さでするとはね……」



 やっぱりこのペースでの進化は異例らしいな。

 まあみんなが俺みたいに進化していたら、この辺りは凶暴な魔物で溢れているか。

 そうでないという事は、普通はそうならないということだ。

 俺の進化が早いのは何か理由があるんだろうか?

 まあ強くなれるに越したことはないし、考えた所で理由が分かるはずもないから気にしないのが一番だけど。



「俺も驚いているさ。でもこれで今度はコクリを守れる。そうだろ?」

「ふふっ、ありがと。そういえばエンラがサハギンを倒してくれたのよね。他の動物達、川の水が飲めるようになってとても喜んでいるみたいよ?」

「そうなのか……それは良かったな!」



 コクリはそう言ってニッコリと微笑んでくる。

 もしあそこでサハギン達を倒せていなければ、俺はこのコクリの微笑みを見る事もなかったんだよな。

 そもそも俺自身がこうして生きてすらいなかったんだけど。



「そういえばコクリはもう川の水を飲んだのか?」

「いえ、まだよ。良かったら一緒に飲みに行かない?」

「おっ、いいのか、一緒に行っても!?」

「当たり前じゃない。何そんな驚いた顔をしているの? さっさと行くわよ!」



 コクリは最初、怯えた反応をしていたから、まさか俺を誘ってくるなんて思いもしなかったし、少し驚いた。

 姿なんて関係なく、俺は俺として見てくれているんだろうな。

 ありがたいことだ。


 コクリが移動を始めたので、俺も移動しようとしたのだが……



 ドシーン!

 ドシーン!



 俺が歩く度に地面が揺れ、俺の近くにいたコクリは足がふらついてしまう。



「あっ、すまない……」

「い、いいのよ。エンラは悪くない訳だし! これ位、私には何てことないもの!」



 コクリはそう言ってはいるが、ふらふらしているし、明らかに大丈夫そうではない。

 これ、俺の体重が原因だよな。

 体が大きくなった影響で重さもかなりのものになっているのだろう。

 何とかして軽くできないだろうか?



@@@@@@@@ 


 どの体を軽くする方法をお買い求めですか?

 残り所持金 103020B


おすすめ順 62件中5件表示


 変身魔法           14000000B

 ウェイトチェンジ          30000B

 1ヶ月で8kg痩せる!炭水化物ダイエット 1800B

 歩数計                1000B

 体重計                5000B


@@@@@@@@



 ……なんかダイエットグッズが出てきたんですけど。

 俺の場合は体がもうこういうものだから、全く意味ないんだけどなぁ。


 ページをめくっても出てくるのは無駄に充実したダイエット関連のグッズばかり。

 結局俺が使えそうなのは変身魔法とウェイトチェンジだけだった。


 変身魔法は多分軽い生物に変身できれば軽くなるという理屈だろう。

 確かにそうすれば地響きの問題はなくなる。

 だけど1400万Bなんてとても払える額ではないし、今の俺には無縁の能力だろうな。


 ウェイトチェンジというのは、そのままの意味で受け取るなら体重変化できる能力。

 つまり体重を軽くして地響きをなくすという俺がしたい事がそのままできることになる。

 果たして、本当にこれが上手くいくのかどうか……



@@@@@@@@


 以下の物を購入しました。

 残り所持金 73020B


 ウェイトチェンジ  30000B


@@@@@@@@



 その画面が出たことを確認し、俺は自身の体を軽くしたいと念じることにした。

 すると少し足への負荷が減ったように感じる。

 だが、歩けばまだ地響きがする事に変わりない。

 あまり効果を実感できなかった俺はひたすら軽くなるように念じ続けた。

 すると、足が地面から離れた!?



「わわわわわっ!?」

「え、エンラ、どうしたの!? 急に地面から浮くなんて……それにぐるぐる回っているわよ!?」



 コクリの言う通り俺は宙に浮いて体がぐるんぐるん回っている。

 それはさながら宇宙空間。

 つまり今の俺の体は重力ゼロになってしまったということだろう。


 さすがにそれでは生活に支障がでるので、重力をある程度戻す事に。

 軽すぎてしまっても風に吹かれて吹き飛んだり、うまく歩けなかったりしたので、重さの調整にはだいぶ苦労することになる。

 試行錯誤の上、歩いても地響きがせず、かつ生活に支障のない重さを見つける事ができた。


 最初は気付かなかったが、頭の中で自分の現在の体重が普段の何パーセントの重さなのか数値にして感じ取れる事が判明した。

 ちなみに俺にとってちょうど良い重さは約3%の重さらしい。

 さすがに重さが本来の3%しかないだけあって、かなり身軽に動くことが出来る。


 こうして地響きなく歩く事ができ、気兼ねなくコクリと一緒に川の水を飲みに出かける事ができたのだった。



********

四日目:残金73020B

収入:ドラゴンの抜け殻100530B

支出:ウェイトチェンジ30000B

収支:+70530B

********

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