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とうぎ部員は白黒つけたい!  作者: 伏見沙織
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新入部員歓迎戦

こつこつ書いていければいいかなと思うので


一話一話は短いですがよければ見てくださいね!

「新入部員なんていらないわ。だって今のままのほうが『とうぎ』のバランスがいいもの」

「いいえ!絶対にタカくんはこの部活に必要なんです!!!」

 

 4月のこの時期に新入部員募集中の看板を作ったあとでこんな討論が繰り広げられるなんて思いもよらなかった。

「大体、なんで勧誘しといて今更これなんですか?」

「それはね~正直僕の方も新入部員が入るなんて思ってなかったからさ。まあ歓迎会だと思ってさ、楽しんでくれたまえよ~」

 

 それが問題なんだよ。

 僕がなぜ入部することに話が進んでんだよ!

 

「はぁ?この冴えない頭ん中『やべぇこのフィギュアのクオリティたけぇ~!!!特にこのパンツの部分とかぁぁウヒョォォォォォ』って感じの思考回路してそうな奴が役に立つと思うのよ?」

 

 え?先輩ひどくない!?

 てか今日先輩と初対面だよね!?初対面でこんなにDisられたの初めてなんだけど!!!

 

「ちょっと黒ヶ峰クン、言いすぎだよ」 

「部長は黙ってて、これは私と沢白さんとの『討議』なんですから」

「そうですよ!タカくんの弁護は私の役目なんですから部長は引っ込んでおいてください!!!そして、先輩はタカくんのことをな!ん!に!も!わかってないです」

「俺を容疑者みたいに言うな!!!」


 これが『とうぎ部』の日常なのかと考えるだけでも頭が痛くなってくる。ていうか悠璃は一体俺の何を知っているというのだ…。

 

 とうぎ部の正式名称は『討議部』

 新入生歓迎のポスターには相手を打ちのめしましょう!とか見返してやりましょう!なんかが書いてあって物騒な部活だと噂されてしまってるが、実態はしょうもないことについて日々討論する部活である。

 

 部員は三人だけ(僕はまだ部員じゃない…はず)


「今日の討議はまた二人共気合が入ってるね~、新入生にお互いいいところを見せたいのかな?」

 いや片方は完全に僕の入部を否定してるんですが…


「そういえば部長は討議には参加しないんですか?」

「ん~公平には討議には見届け人と裁判官みたいな人が必要になるんだよ~だから参加しないの」

「わざわざ同好会を設立したくらいなのに参加したいとは思わないんですか?

 ほかの二人のどっちかにその役目を任せて」

 

 この部活は正式な部活ではない。

 二年生の時にこの部長が黒ヶ峰先輩と二人で設立した部活らしい。

 同好会なので力はそんなにないのだが、なぜか生徒会室を間借りさせてもらっている。


「そうだねぇ…もちろんこの二人に任せるというのは考えたんだけど、二人共見ての通りの偏った考え方の人間だからねぇ。それに…」

「それに?」

「この二人と討議するのは単純に怖くて(笑)」

「あぁなるほど…」


「タカくんの意見は素晴らしいんです!みんなを笑顔にできるんです!」

「討議に笑顔なんてどこに必要なのかしら?」

「それは…でも!みんな納得させられる力があるんです!」


 あのときのことまだ言ってんのかあいつは。

 

「みんなを納得させても仕方ないのよ?これは戦いなんだから」


なんか先輩が言うと「討議」が「闘技」にしか聞こえない。

ちなみに勧誘文句も先輩が作ったそう(部長情報)


「は~い、それじゃあ今日の討議の最終弁論タイムだよ~

 ではでは白沢クンから」


「タカくんは絶対新入部員にするべきです!なにかしらいいことあります!」

 ざっくりしすぎだろ!


「このオタクを入部させると部の指揮が落ちる可能性があるし、部内のバランスが取れなくなるわ。よって反対よ」

 勝手にオタクイメージ付けられたし!


「それじゃあ、僕が判定するよ~赤城くんの入部を…」

 

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