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つまらない話

作者: 砂鳥 二彦

これは一切特定の個人は団体を攻撃する意図はなく。

ぶっちゃけ勢いで書きました

短いので流し読みできる方どうぞ

 ある大きな杉の木の上に大きなフクロウがいました。

 その大きなフクロウはおおよそ熊ほどの体長があり、物静かでありつつも威厳というものを身体で表して杉の中にいる家族を守っていました。

 フクロウの家族は大きなフクロウの妻、母フクロウと何匹かの子供のフクロウたちがいました。

 その中にはいずれは大きなフクロウの代わりに杉を守ることになるであろう長男のフクロウがいました。その長男は実のところあまり器用ではなく、力こそあれど不安の大きな迷惑なフクロウでした。

 ある日、成長したフクロウは今まで飛べずにいたため杉の中から外の世界というものを見に行きました。

 それが長男のフクロウの間違いであり、自由でした。

 長男のフクロウは杉の中から顔を出すと、そこには驚くべき世界がありました。

 山脈は大きなフクロウの何倍もあり、それが白い雪を帽子のように被り、並々と列を連ねており。大きな水たまり。つまり海というものですが、それは太陽の輝きを受けてさざめくように煌めいておりました。

 広大な外の世界に不器用な長男のフクロウは戸惑いました。

 自分はいずれこの大きな杉の木を守るためにとどまる必要があり、なによち大きなフクロウを尊敬していて家族も大好きでした。自分がいなければおそらく、この杉の中にいる兄弟もろとも家族は散り散りになってしまうでしょう。

 ですが、長男のフクロウは外の世界にあこがれました。でも杉の木を守り外の世界を知るために大空を舞えるほど器用ではありませんでした。

 どちらかを選ぶ。それしかありませんでした。

 長男のフクロウは考えました。相談もしました。でも、ばかばかしいお前はこの杉を守るのだ。その後でゆっくりと外の世界を見て、感じればいいと。

 それでも長男のフクロウは納得できず枝の上で考えてしまいました。

 そんな時、長男は考えすぎて注意をおろそかにして杉の枝から足を滑らせてしまいました。

 長男のフクロウは見ました。重力にひかれてどんどん遠ざかる優しい杉の枝の偉大さと、目前まで迫り自分の命を刈り取ろうとする地面の存在を。

 長男のフクロウは今までにない恐怖を感じて羽ばたきました。

 なんとか地面に激突せずにしみましたが、長男のフクロウは気づきました。

 いくら羽ばたこうとある高さまでは登れず杉の枝に帰ることができないことに。

 家族のフクロウは長男のフクロウが消えてしまったことに気付き、十分に飛ぶことができる大きなフクロウと母のフクロウが迎えに来ました。

 長男のフクロウは困惑しました。自分には十分な力があるはずなのに元の大きな杉の枝に帰ることができない理由がわからなかったのです。

 もちろん、大きなフクロウと母のフクロウも困り果てました。何故飛べないの、何故帰ろうとしないの、何故なの。何故なの。何故なの。

 長男のフクロウにもさっぱり分かりませんでした。

 そのうち長男のフクロウは近くの茂みに隠れました。ですが、尾の部分だけは隠すことができず、すぐに二匹のふくろうに見つかってしまいました。

 そこで二匹のフクロウは提案しました。

 あそこに小さくて低い杉の木があるので、とりあえずそこまで飛んで住まわせてもらえ、と。

 長男のフクロウは試すことにしました。存外それは簡単で、あっという間に杉の枝に身体を潜らせることができました。

 長男のフクロウは小さな杉の木から大きな杉の木と外の世界を見ました。

 外の世界は相変わらず輝きを失っていませんでしたが、住み心地の良い暖かい大きな杉の木にはどうやったって届くことができないことは明白でした。

 長男のフクロウは踵を返すと、小さな杉の木を探検してみました。すると、そこは案外住み心地の良い場所であり、エサも豊富にあることが分かったのです。

 長男のフクロウは喜びました。だったら、この小さな杉の中で過ごして外の世界にあこがれ続ける一生も悪くないのだと。

 しかし長男のフクロウは周りの危険な視線に気づきました。それは同じフクロウなのですが毛色も体格も違うフクロウたちでした。

 彼らは長男のフクロウに何もしませんでしたが、長男のフクロウは恐ろしくなって逃げ出しました。重い足を上げて、枝から枝へ飛び移り、誰もいない場所へ行こうとしました。

 そんな、無茶をしているうちについに長男のフクロウは再び枝から落ちてしまいました。

 長男のフクロウはまた同じ喪失を感じました。ですが、もう羽ばたく気力さえありませんでした。同じことを繰り返すくらいならこのまま落ちてあこがれの外の世界の一部分になってしまえばいいと思ったのです。

 長男のフクロウは羽ばたくことをやめてしまいました。





 しかし、死ねませんでした。

 落ちる寸前、大きなフクロウと母のフクロウが何とか受け止めようとしました。

 長男のフクロウはそれに気づき、羽ばたきました。彼は何もかもに絶望していましたが、家族のことはやはり好きだったのです。

 長男のフクロウは再び地面に降りると大きなフクロウと母のフクロウと向き合いました。

 今度は隠れようとしませんでした。

 何故足を滑らしてしまったのか、長男のフクロウと二匹のふくろう。それと成長した兄弟たちとともに長男のフクロウの身体を調べました。

 そうしているうちにあることに気付きました。

 長男のフクロウの足に何かおもりのようなものが絡みついていたのです。

 それは罪悪とか悔恨とか無気力だとか。

 そういうものでした。

 長男のフクロウはゆっくりとおもりを外していきました。すると身体は軽くなり、足もよく動き、まだ生きられるのだと知りました。

 長男のフクロウはまた選択肢を与えられたのです。


 ここで話が終わってしまうのはなぜかといいますと私も知らないからです。

 つまらない話でしょ。オチがない。物語としては駄作ですね。

 でも大丈夫。

 これはフクロウの話で、人間の話ではないのです。


まあ、あれです。言い訳と経過報告と衝動書きです。

誰も覚えていないでしょうが一応五年以上前から物書きのふりをしていました。

結局はただの弱い人間だということをやっと認められるようになりました。


ところで半年か一年後長編を出す予定です。

内容はSFで今回とは似つきもしないものです。

ほんとひねくれ者ですね。

五年前の二の舞にならぬようほとほとやっていきます。

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