1 プロローグ
たまたま思いついた感じの奴を小説にしてみました。
「どうしてこうなった」
そう発言したのはたいして勉強などせず入る高校ならここかな~っていう気分で入った人物。萩原啓太。
辺りは草原、そこに1人、座り心地を確かめながら魔物が現れないか右手に棒を握りしめ確認している萩原啓太。
そろそろ食料も尽きてきたので早く次の町に行きたいのだがなかなか行動を起こそうとせず、魔物をただただゴキブリのように叩き潰しつつ過ごしてきて、はや1ヶ月。
絶賛迷子生活満喫中である。
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月曜日。それは一週間の内で最も憂鬱な時間の始まりの日。きっと俺含む誰もが、これからの一週間に溜息を吐き、前日までの天国を想ってしまう。
そんな中、萩原啓太は1人授業中にでもあるにも関わらずあることを考えていた。
それは、昨日の夜、【一から始める転生録】という小説を読んでいてクライマックスの戦闘シーンの途中で寝落ちしてしまい、起きたら遅刻寸前の時間で急いで学校へ。間に合ったのは良かったが肝心の小説を持ってこないという失態を犯してしまった。
そう、萩原啓太は途中まで読んだ小説の続きを気にしていたのだ。
「はやく学校終わらないかな~。」
一限目が終わり、休み時間を迎えていた啓太は自分の机にふて寝しながら呟いた。
「ハジメと魔王どっちが勝つか気になるからさ~早く終わんないかな~早く【一から始める転生録】見たいからさ~もういっそ仮病使って早退あるな。こう、ハジメが『闇の炎に抱かれ〇消えろ』って言われた瞬間魔王さんすげえやられまくって可哀想だったからな~あの爽快感が半端なかった。続きはよ。」
と、そこへ啓太ワールドを繰り広げている中にある人物が割り込んでくる
「お、萩原その小説確か魔王が勝つやつじゃん。結局ハジメってば油断して魔王に隙つかれてやられたんだよなぁ…ってまだ読み終わってなかったのかよ。」
と、言うのは啓太の唯一友達と呼べる友達、ホモじゃないよ友達だよという周りから見たらホモに近いかもしれないがホモじゃない立派な親友でもある友達、坪川直紀である。萩原とは高校からの出会いで小説の貸し借りや相談相手にもなるいい人である。だがたまにネタバレしてくるのは正直うざい。
「おい、今なんて言ったそれほんとだったら殺すぞくそはげナメクジに全身溶かされて消えろ。」
「あ、これネタバレだわ!すまんすまんわいとした事が口が勝手に開いて…って俺結局死ぬんかい。しかもナメクジて…。」
「わざとだろ!?それ絶対わざとだよなぁ!?」
直紀はいつもこうだ。高校に入り、入学式のときたまたま後ろの席にいたのが坪川直紀である。あかさたなはまやらわ順で席が決まるのでたまたま後ろの席にいた直紀は俺によろしくやらなんやら自己紹介てきなことをして趣味があってなんやらかんやらして今の状況に至る。
直紀と過ごしてわかったことはやたらと小説を貸してくれる親切野郎で露骨にネタバレを繰り広げる最低のクズ、である。【一から始める転生録】も元は直樹のである。小説を貸し、ネタバレをする最低な奴だが、根は優しいので俺は好きだ。あ、ゲイじゃないよ。
「そんなことより今日の放課後、俺が好きな絵師が書いた小説の発売日だし本屋行こうぜ啓太!ネタバレなんか気にしてたら何も始まんねえよ!」
「そんなことってなんだそんなことって!俺がどれだけ続きを楽しみにしてたらお前にはわかんねえだろ!くそ、こうなるんだったら早起きして最後まで読んどけばよかった…。」
「啓太が小説を深夜に読みすぐ寝落ちする癖は承知済なのだよ啓太くん。ってことで放課後ティータイム(本屋)と行こうか!啓太くん!」
「わかったよ。放課後本屋、な。もう結末わかったからついて行くだけ行きますわ…」
「あ、ちなみにあの小説、最後はハジメが強くなって復活して魔王を倒して終わりなんだよね。なんていうか王道って感じ?」
「あーーーー!!!!もう余計なことはいうな直紀!お前は俺の中で天災になりつつつあるからほんと。」
本当に直紀には困ったものだ。と啓太は思う。
根はいいヤツなのになぜこうなったと言わざるを得ない。
二時間目、数1が始まり、全員が授業に集中している。数1の先生はこの学校では美人で生徒思いな美奈子先生である。この授業を受けるために生きていると言いきれる生徒も少なからずひとりやふたりはいるだろう。
そんな中、萩原啓太は思う。
(異世界に転生したらどうなるんだろうな、魔物やらエルフやらゴブリンがいる世界に行くのかね、そんで色んな武器や防具着て神のご加護なんかを得て魔王を倒す勇者になってたりして。ま、無いな、うん。第一そんなことになったらくそめんどくさそうだしね。)
またもや啓太ワールドを繰り広げてる中、俺は気持ちを切り替えて数1の授業に集中する。
それは一瞬だった。
教室の真ん中辺りに突然非科学的な魔法陣っぽいのが出てきた。その異常事態には直ぐに周りの生徒達、先生も気がついた。全員がその異様な魔法陣に気付き、逃げ出そうとする人がいるがそれはもう既に遅かった。
その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。自分の足元まで異常が迫って来て魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。
数秒か、数分か、光によって真っ白に塗りつぶされた教室が再び色を取り戻す頃、そこには既に誰もいなかった。蹴倒された椅子に、机の上に開かれたままの教科書、黒板に途中まで書かれた数式、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消していた。
気が向いたらまた更新するかと思われる\\└ (' ω ') 」////