水月学園ハロウィンパーティー
みなさん、ハロウィンですね。なので特別短編です。
ある学園に通うカップルのハロウィンパーティーでの出来事を書いてみました。
いたって平凡なカップルのいたって平凡な日常なのでシリアス、ギャグは期待しないでください。
あと、部屋は明るくして、PCから(ry
さて、今日は10月31日。
今日はオレの住む水月島の水月学園で1日かけてあるパーチィーが行われる。
パーティーとはいってもほとんど文化祭のようなノリだけどな。
で、何のパーティーかというと日付を見て気づくだろうがハロウィンパーティーだ。
別にオレはカトリックどころかキリストにも興味はないのだが
色々と騒ぎの好きな(多分そうだろう)学園長がおもしろいからという理由で始めたんだろう。
他にも冬休み中であるはずの12月24日にはクリスマスパーティーが開かれる。
で、ハロウィンパーティーとはどんなパーティーかと言うと・・・・・
「ねぇねぇ一緒に回らない?」
と椅子に座って外を眺めながら読者にどうのこうのと解説してるオレに話しかけてきたのは同じクラスのスピカ。
アホ毛の目立つクリーム色の髪ロングヘアー、そしてエメラルドのような色をした瞳の女だ。
ちなみに説明すんのもこっ恥ずかしいがオレの彼女だ。
まぁなれそめまで説明する必要はないだろう。
そういやオレの自己紹介がまだだったな。
オレの名前は浅井 昴。読み方をミスるヤツが多いので忠告しておくが名字はあ・ざ・いだ。
水月学園2年1組1番。はい、自己紹介終了。
「ん?ああ、そうだな」
外の様子を見ながらゆっくりと腰を上げオレを見ているスピカは黒い猫耳に猫のような尻尾があって服は黒ずくめだ。
そのせいかクリーム色の髪が目立つ。
ついでに続きを説明しておこうどんなパーティーかと言うと仮装パーティーだ。
それぞれ不吉な怪物なりなんなりに仮装し中庭や校庭で模擬店があったり
体育館で舞踏会があったりしてそれを回るなりして好きなように過ごすのだ。
ちなみにオレはドラキュラで主にマントを羽織っているだけだ。
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さて、廊下に出てみればいるわいるわ化け物共が。
ただの白い穴あきの布を被っただけの幽霊にカボチャ男にオレのようなドラキュラ。
模擬店は主に外でやってるのでローファーに履き替え校舎を出る。
模擬店の規模は文化祭と同じなのだがさすがはハロウィン、単なる固定観念からかカボチャやお菓子の模擬店ばかり。
昼飯はどうすんだ。カボチャか?
なんて思ってる間に◎―の形をした大きなペロペロキャンディーが売ってある店へ走っていく黒猫が。
オレも店の前までたどり着くと「おごってほしいな〜」と言わんばかりのキラキラした眼でこちらを見てくる。
早速奢れと。
「しゃあねぇな・・・・・・2本くれ」
「ありがと〜」
結構大きかったので値段もそれ相応だ。
「ほれ」
左手に持っているキャンディーを1本渡す。
「わぁ〜」
夢にまで見たって感じだな。
自分のキャンディーをしばらくうっとりと眺めた後、オレのキャンディーを見て
「Trick or Treat♪」
と空いた左手を差し出して言ってきた。
「ぬあ」
思わず声を上げてしまった。
奢ってやった上、もう1本寄越せと。
「自分の金で買えよ」
「Trick or Treat♪」
スピカはそのままもう一度言う。
「もっかい奢ってやるから」
そうするとオレの財布が厳しくなるのだが。
悪かったな貧乏で、オレはそんなに金持たねぇんだよ。
「Trick or Treat♪」
スピカは左手を差し出したままだ。
つまり、オレのをくれと。
「それは無理だ」
断るとなんかされそうだがそれは覚悟の上だ。
「うっ・・っく・・うえぇぇぇぇん・・・うわぁぁぁん!!」
「な!!??」
こんなに人のいる所で泣き出すのか!?
「どうしたの?」
「あいつが泣かしたんだろ」
「うっわ、サイテー」
くっ・・・視線が辛い。
「わぁったわぁった。オレのもやるから泣くな!」
「わーい♪」
ピタッと泣きやみひったくるようにオレのキャンディーを奪い取ると嬉しそうに舐め始める。
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ・・・・・・・
「とりあえず、どっか座ろうぜ・・・・」
しばらくして中庭にあるベンチに座り、スピカが舐め終わるのを待つことにした。
「おっこんなトコにいたのか」
ぼーっと空を見上げていると聞き覚えのある声がした。
「ん・・・ああ山口か」
顔を前に向けると尖った茶色い耳に長い口を持った(おそらく)狼男に扮した山口信助と
魔女に扮した山口の彼女である辻百合花がいた。
4人とも同じクラスだから結構話もする。
「スピカ泣かせたんだって?」
「ぅっ」
『う』とも『え』ともつかない呻き声を上げた。
「こいつが嘘泣きしたんだよ」
「えへ☆」
「えへ☆、じゃねぇ」
こいつ、悪魔だな。
「午後から体育館で舞踏会があるんだってよ」
そういやそんな事があるって張り紙にあったな。
「あ、そう。で?」
「それまで一緒に回らねぇか?」
「・・・スピカは?」
「私は・・・ペロ・・・別にいいよ・・・ペロペロ・・・」
「ならオレもいい」
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「筋肉自慢のフランケンと腕相撲・・・ねぇ〜・・・」
「くっ・・・・」
「昴〜ガンバレ〜」
「だああぁっ!!・・・勝てるか!こんな筋肉野郎に!」
「じゃ、信助とやってみたら?」
「・・・・・・っつ・・・・・・っしゃああ!!」
「やったー!昴の勝ち〜!」
「ま、勉強で勝ってねぇからな。これぐらいはな」
「不甲斐ないわね」
「申し訳ないです・・・」
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「やっぱ昼飯はカボチャ絡みか」
「カボチャパイ。これも結局は菓子の部類に入るよな」
「いらないなら私がもらうわよ?」
「いいえいただきます」
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「魔女の占いの館だって!入ってみよ」
「・・ん〜・・・・男性の方、あなたは明日バナナで滑るでしょう」
んなバナナな。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
『ドクターイソマツの怪しげな実験室』
「「「「じゃんけんぽん!!!」」」」
「山口、やはりお前はギャグ担当だな」
「うぇ・・・これ飲むのか?」
山口の持つ透明なコップにはデロッとした緑色の準液体物が入っている。
「「飲〜め♪飲〜め♪」」
周りで失神するヤツあり(おそらく)トイレへ駆け込むヤツありな状況で山口はついになぞの準液体物に口を着ける!
「・・・・・・・・・ちょっとト―――」
全てを言い終わる前に科学室を飛び出した。
すまんな辻よ。
怒ってなさそうだが一応心の中で謝っておく。
辻は付属ん時からの付き合いだがあいつ、怖ぇからな。
正直彼氏ができるとは思わなかったし。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
―え〜まもなく体育館で『怪物たちの舞踏会』が行われます。参加希望者は速やかに体育館へ入場してください―
「もう始まるな。行こうぜ」
んなわけでオレたち4人は一応メインイベントである、『怪物たちの舞踏会』をしに体育館へ向かった。
「結構いるな」
舞踏会なだけあってほとんどが男女のペアで参加している。
男同士や女同士で参加している物好きなヤツらもいるが。
「じゃ、踊るか」
山口たちと別れ、オレはスピカへと手を差し伸べる。
そういやドラキュラと黒猫のダンスか。ミスマッチだな。
いや、周りを見れば案外そうでもないか。
「うん。よろしくお願いします」
その手の上にスピカの温かい手が乗せられる。
「あ〜先に言っておくがオレはこんなの踊ったことねぇからな、適当だぞ」
「そういやこんな風に踊るのって今までなかったよね。大丈夫、私も初めてだから。リードよろしくね」
「ああ」
そしてオレたちは踊り始めた。
音楽にも合わせることなく非常に独創的なダンスだったがまぁ初めてにしてはまぁまぁだろ。
スピカをくるくる回らせたり、ふわっと持ち上げたりなんやらかんやら・・・・
他のヤツも一部を除いて同じような感じだったし。
まぁその間スピカはかなり楽しそうだしオレも楽しいからいいんだけど。
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「楽しかったね♪」
「そうだな」
舞踏会が終わり体育館からわらわらと人が出てくる。
山口たちとはそのまま別れた・・・っていうかまた集まる予定もなかったが。
そしてメインイベントが終わりそれと同時にハロウィンパーティーもお開きとなる。
今日はHRもないので後は勝手に帰りやがれ状態だ。
「帰りに商店街に寄ってかない?」
「いいぞ」
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「こっちも色々やってるねぇ」
商店街はハロウィン一色・・・・というほどでもないがちらほらとハロウィン独特の飾りが見られる。
「あ、アメ配ってる」
とある菓子店の前でそれぞれ魔女とフランケンシュタイン(耳辺りにネジがあるしそうみられる)
に扮した店員(か?)がガキたちに籠に入ったアメを配っていた。
だがガキたちは魔女の方ばかりに集まりフランケンに集まってくるのは極わずかだ。
「もらってくるね」
と言ってオレに鞄を持たせるとたったったと駆けて行き、スピカはフランケンの下へ・・・
スピカが両手を差し出すとフランケンは眼に腕を押し当て泣いているように演じると両手に余るほどのアメ玉を渡した。
よっぽど寂しかったんだろうな。
「はは、いっぱいもらっちゃった♪半分分けてあげる」
「ありがと」
片手にいくつかのアメ玉を渡され、オレはそれをポケットに突っ込む。
スピカはと言うと早速贅沢にも2個頬張って残りは同じようにポケットに入れた。
「今日のパーティー楽しかったね」
「そうだな」
「これからどこ行く?まだ時間あるよね?」
「ああ・・・・スピカの好きなようにすればいいさ。どこへでもついてってやるよ」
「地獄でも?」
いきなりとんでもないこと言いやがるな。
「さすがにそれは無理だな。オレは天国へ行く」
「うぅ・・・どこでもついてくって言ったばっかりなのにぃ・・・・」
「嘘泣きされた仕返しだ。で?い・ま・か・ら・どこ行くんだ」
「昴の傍♪」
「あ、そ」
腕に抱きつかれたオレはその感触を楽しみながらただ前へと足を運び続けるのだった。
いかがだったでしょうか?
終わり方がどうかなぁって思ったんですけどまぁこんなもんでしょ。
実はこれあるサイトのハロウィン企画用に書いたものなんです
こんなん書くぐらいなら『終わりなき闘争曲』の続きを書けって言うかもしれませんが・・・・・
感想&評価待ってます