スキルを確認しよう。
感想を頂きありがとうございます。
この小説を書く力になっております。
少しづつ更新していければと思いますので宜しくお願いします。
まずはスキルの使い方を色々と調べてみようか。
さっきはアイテムボックスを使えたけど他には『鑑定』『発見』『算術』『交渉』『回避』があることは確認できた。『算術』と『交渉』は今の所検証しようもない。特に『交渉』は人がいないとどうすることもできない。ちなみに人以外ではどうなんだろうか。魔物とかにも使えたりするのかな。これは町とか村に行けば使う機会もあるだろうしその時に考えればいいか。
次に『鑑定』はどうなんだろう、アイテムボックスと同じく神様からもらったスキルなので期待はかなり膨らむ。俺の考えではこれが今後の切り札になる予定だし、試しに森にある物を調べて見るか。
幸い森の中は広範囲に樹木が繁茂し葉音でゆれている。柘榴や桃に似た果実とか枇杷や橙のような木の実が見て取れる。当分はこの森で生活する予定なので食べるものには困らなそうだとやや安心しつつ近くの木の下に落ちていた樹の枝を拾い上げて『アイテムボックス』の時と同様に『鑑定』と念じてみる。
木の棒:レア1
ナプラの森に生えている一般的な樹の枝。薪の燃料に使われる。比較的脆く折れやすい。
「すごい、本当に『鑑定』が使えている。内容は見たままだけどとにかく使えて良かった!!」
頭の中にイメージとして内容が伝わってきて嬉しさがこみ上げてくる。確かに木の棒なんだけど説明してくれるのは有り難い。更に簡単な情報でも幾つか解ったことがある。この森の名前はナプラと言うこと、実際場所とかはまだ分からないが名前を付けられるくらい大きな森ってことなんだろうな。そして『鑑定』すると物にはレアというのが存在するらしい。木の棒で1ってことは数字が大きくなるにつれてレア度も上がっていくのだろう。価値的には大したことは無いのかもしれないが、薪にも使えるし初の『鑑定』物ってことで木の棒をアイテムボックスの中に入れておいた。アイテムボックスがあると荷物を手に持たずに済むから非常に便利だ。後はどれくらい入るかどんどん『鑑定』して入れていけばいいか。何が町の中で売れるかわかんないので手あたり次第入れていこう。そう考えると森の中って採取し放題のある意味天国みたいな所だなだんだん楽しくなって来たぞ。
続けて色々なものに『鑑定』をかけていく。別に手に取らなくても使えることも分かってきた。
樹の棒:レア1
ナプラの森に生えている一般的な樹の枝。比較的軽く丈夫な為、初級冒険者などの武器にもなる。
草:レア1
ナプラの森に生えている雑草。食べると苦い。
雑草:レア1
ナプラの森に生えている雑草。食べるととても苦い。
癒し草:レア1
ナプラの森に生えている雑草の一つ。薬草の材料になる。乾燥させると効力が上がる。
たまたま近くに落ちてた木の棒と違う種類の枝を見つけたので即鑑定。一見説明が似通ってたりもするがこちらは武器になるようだ。見た目は少し太いくらいの1mくらいの樹の枝なんだがこれは所謂『ひのきの棒』的な武器なんだろうか。昔はもっと良い物装備させてやれよと思ったりしたもんだが、今にして思うと初めての武器ってことと初級冒険者の武器になるとのことだったので後で装備してみよう。やっぱり素手よりはマシな気がする。
草類は草と雑草と癒し草と出た。なんか近くに生えていた雑草をそれぞれ引っこ抜いて違いを『鑑定』して見たが違う種類だったんだな。見た目は完全に分からなかった。しかも3分の2が食べると苦いととても苦いって、食べ物探す時気を付けよう……。
癒し草については薬草の材料になるらしい。現状薬草の作り方は分からないが、こういうのは大抵町か村で素材として扱っているはずなのでアイテムボックス大事にしまっておこう。
???:レア?
???????????????????
???:レア?
???????????????????
「……なんだこれ?表示がおかしくなったのか?」
説明してくれる人は誰もいないのでしょうがなく独り言を呟く。急に『鑑定』を使っても内容が頭の中に表示されなくなったようだ。理由については分からないので一旦『鑑定』の検証は一先ず置いとくとして次は『発見』のスキルを使ってみることにした。
商人といえばお宝!これを実現させる確率を増やすために『発見』のスキルをわざわざ入れたのだ。今のところアイテムボックスも『鑑定』も使うことができた。『発見』も理想通りなら今後の生活で大活躍してくれるはず。まずは使い方を覚えないとねーと頭の中で『発見』と意識して周りを見渡してみる。すると今までと変わらない景色が広がっている。「あれっ?」使い方が違うのかと暫く周りを散策しても変わらない。少しあせって森の奥の方に行ってみると先の方で僅かに違和感を感じる。そちらの方に向かっていくと違和感がはっきりしてきて視覚にもうっすらとではあるが薄光を出している草を見つけることが出来た。「お宝ゲットー!」とそれを手に取って見ると薄らとした光が強く感じられた。形などは周りの草と対して違いは感じられないが、お宝には違いない。ちなみに『発見』を切る様に念じるとその草の光も無くなり他の草と区別は付かなかった。試しに『鑑定』をかけると表示は???となっていた。草の情報は得られなかったが『発見』も使うことができた。とりあえずアイテムボックスに入れておく。
これで神様から貰ったスキルの使い方は分かった。と同時に分からないことも幾つか出てきた。『鑑定』が使えたり使えなかったりするのは?『発見』は見えてくる数やレアに関してどうなるのか?見つけても『鑑定』できなければ意味はない。2つ揃って始めて意味があるのに。試しにもう一度『ステータス』を出してみる。
『ステータス』
名前:神屋 洋
種族:人族
職業:駆け出し 商人
所持金額:0G
HP 50/50
MP 0/10
ATK 23
DEF 18
AGI 25
INT 10
DEX 33
LUK 50
装備:スーツ
革の靴
腕時計
所持スキル
鑑定1 アイテムボックス1 発見1 算術1 交渉2 回避1
となっていた。
相変らず職業は駆け出し 商人で所持金も0Gになっている。
しかし下の項目をよくよく見てみるとMPの所が0になっている。何か魔力を使ったという事だろうか。しかし何がきっかけでMPが消費されたのか。
1.アイテムボックスを使用
2.『鑑定』のスキル使用
3.『発見』のスキル使用
今の所予想できる行動はこれだけだ。ただ1についてはステータスを見る前に使っていたが、MPが減っていなかった。となると2『鑑定』か3『発見』か……。これも先ほどの行動を思い出せば大体予想はつく。答えは『鑑定』が原因。『鑑定』を何回も使った結果???表示されていた。その後『発見』にスキルは使えたのが理由だ。これも後で検証するが『鑑定』した数は5つ。MPが10から0になったと言う事は1回の『鑑定』に必要なMPは2だと推測できる。
MPの回復手段さえ分かればまた『鑑定』も使えるようになるだろう。
これからの行動指針としては、
1.スキルとMPとの関係性について調べる。
2.生物の調査とついでに衣食住の確保
3.町や村に着いた時に商売できそうな物を集める。
この三つだな。
始めての異世界、始めてのスキル、始めての生活はとても刺激的でやりたい事がいくつも浮かんでくる。まだまだやることが多くて検証も必要だが、少しづつこの世界について学んでいくとしよう。面白くなってきたな。
スキルは一つではなく組み合わせると強くなることが多いですよね。
神屋のスキルは『鑑定』と『発見』と『アイテムボックス』の組み合わせです。