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プロローグ
ある男が呟いた。
城を落とすのに必要なのは何か…と
剣士であろう。
彼の脳裏にはこの世界でも有名なある男の姿があった。
だが1人では万の軍勢を破ることは出来ても堅牢な城壁を超えることは出来まい。
魔導師ならどうだ?
彼女ならばどれほど厚い壁であっても意味を成さず兵士達も為すすべも無いのではないか。
しかし魔女も人間。魔力が無くなればどうしようもない、現実には不可能であるだろう。
ならば勇者ならばどうだ?
彼の者は魔王を倒すほどの者、力も魔力も常人とは隔絶している。
足りないモノを見つける方が難しいのではないか。
だがそんなことをすれば最早勇者ではない。城を落としてしまえば第2の魔王となってしまう。本人もそれを望んではいまい。
ふと思考の片隅に浮かんだこの命題が、思いの外深く不確実なコトになったとこの部屋の主は愉しげな微笑を浮かべた。
そんなどこまでも広く白い空間の中で、主以外の声がポツリと呟いた。
「商人なら可能でしょう。」
この話はそんな神々の話の中で選ばれた1人の異世界人の話。
「って俺?!」
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