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一話 魔法少女は、キュートなピンクのドレスに身を包んでいる。トレードマークは赤いベレー帽。

初めての小説、初めての投稿です。

とまらないファンタジーの一話です。

 嘘だと思うだろうけど、今、僕の目の前には魔法少女がいる。僕が一番嘘だと思いたい。でも、そこには本当に、確かに、魔法少女がいるのだ。

「お…お前誰だよ!」

 僕の質問に彼女は驚いて飛び退いた。豪華な装飾のついたステッキを両手で握り締め、臨戦体制を取る。

「あなたこそ…誰です!ここはどこです!」

「ちがっ!ま!まって!」

 直感で命の危機を感じた僕は両手を上げ、必死に敵意のない事を体で表した。彼女は怪訝な表情をしながらもステッキを納める。それを確認して、僕はゆっくりと口を開いた。

「そもそも、どうしてこうなるに至ったのかといえば…」

 そう、全てはあのバカ姉貴の郵便物から始まった。

 ◇

「えーっ、それでは、皆さんが健康な状態で、また二学期を迎えられるよう、願っております」

 校長の締めの声に合わせて、まばらな拍手が体育館に響く。湿気と熱気が混ざり合った空気が終業式という一大イベントを弱らせていた。

 校門を出ると、真上から照りつける太陽がアスファルトを容赦なく焼いていた。蝉の大合唱は、すでに季節の風物詩を超えて騒音の領域に踏み込んでいる。

 両脇に怠惰の遺産、数々の持ち帰り忘れていた美術作品の数々を抱えた姿が、いかに不格好かは言うまでもなかった。

 玄関に向かいながら、ポストをのぞく。ネットで注文したゲームが届いていないか確かめたかったのだ。しかしそこにあったのは、期待していた薄いパッケージではなく、小さな包みだった。

「これ……これって…」 

 差出人欄を見た瞬間、僕の指が止まる。

 

 白取アズハ。


 六年前から行方不明になっている、姉。その名前が、くっきりと記されていた。


 急いで自室へ飛び込み、背後でドアが荒々しく閉じられた。机に小包を置いた瞬間、姉との記憶がフィルムの巻き戻しのように次々と脳裏をよぎる。粘着テープを剥がそうと指を掛けるが、焦りと汗でうまくいかない。


「なんで……なにを今更……生きてたのかよ!」


 テープがようやく剥がれ、小包がわずかに開く。その隙間から、薄い紙切れがひらりと床へ落ちた。拾い上げて、記された殴り書きの文章を読み上げる。

 

悠々へ。


まずはひさしぶり。今年で十六になるのかな?まだ少し早いけれど、誕生日おめでとう。

わるいけど、父と母には手紙のこと、秘密にしてくれると嬉しい。

とにかく、私にとって大切なものをお前に預ける。

私からの誕生日プレゼントとして受け取って欲しい。


また会える日を、楽しみにしてる。


 相変わらずのバカ姉貴だ。突然いなくなったと思ったら6年ぶりの手紙の内容がこれとは。ふざけるのも大概にして欲しい。

 怒りと安堵に揺らぐ感情を隅に置くように、僕は小包を開封する。

「……ピストル?」

 中には、黒曜石のような光沢を持つ銃のようなものが、緩衝材に包まれ鎮座していた。掌サイズの小さなもので、全体を走る白い有機的な模様が、血管のように淡く脈打っている。

「なんだろ…?」

 両手でゆっくりと手に取る。模様は覗き込む程細かく刻まれており、言葉で言い表せない程の繊細な美しさを持ち合わせていた。

 まるで使い慣れたかと思う程に掌にすっと馴染む。

「……かっこいい……」

 自然と感嘆の声が漏れた。思考より先に好奇心が勝り、何かに突き動かされる様に指先で引き金を引く。

 瞬間、青白い光球が銃口から弾け、部屋はたちまち強い光に包まれた。

 ◇

「それで…しばらくして光がおさまったとき、君がここにいたんだ。」

 一連の話を聞いた彼女は目を丸くした。

「まさかですけど、ここって…"地球"ですか?」

「そうだけど…」

 その言葉を聞いた途端、彼女の顔が一気に青ざめる。

「そんな…でも…話を聞いていて思ったんです!話は聞いてました…でも本当に繭間を転送させるモノがあるなんて…」

「ごめん…全然話が読めないんだけど…君は誰?」

 彼女はわざとらしく咳払いをした後、僕の目を見て改まった口調で話した。

「私はミルルシア…貴方達に合わせた言い方をすると…そうですね…」

 彼女は小さく息を吸うと微笑んで、「宇宙の外側からやってきた者です。」と言った。

ありがとうございました。

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