表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

朝飯と昼飯の話

作者: 一般通過ベーコン

朝食はベーコンエッグでした

「一緒に美味しいハムエッグになろうね!」

そう言っていたタマ子がベーコンと一緒に出て行った。


「なーに、彼女の代わりはいくらでもいるさ!この子なんてどうだ?」

励ましてくれたのは友人のキャベ次だが、彼女の代わりなんて考えられなかった。


「私、姉の…タマ子の、妹です」

キャベ次が連れてきたのは彼女に瓜二つな妹のタマ美、聞けばそっくりな兄弟姉妹が更にいるという。

けれどよく似た姿を見ると余計に心がささくれだってしまい、俺はすっかり腐ってしまっていた。


「公三さん!」

そんな俺を見捨てずに、タマ美は話しかけてくれた。次第に心がほぐれていった。


「タマ美、キミさえよければ…俺とハムエッグになってくれないか!」

決してタマ子の代わりではなく、キミだからこそと思いを告げる。


「公三さん、嬉しい!でも、私…「公三!ハムエッグなんて水臭いこと言わずによ!3人でホットサンドにでもなろうや!」

「キャベ次?!何を言ってるんだ!?」


「タマ美は良い子だろう?誰とでも仲良く出来ちまう!もちろん俺とも相性がいいのさ、なあタマ美!」

「…」


タマ美の顔が真っ白にそまり、固くなる。それと同時に俺の顔が火であぶられたように熱くなるのを感じた。


「ふざけるな!タマ美に何をした!」

「おいおい、タマ美をお前に紹介したのは俺だぜ?俺が先、お前が後だ」

「黙れっ!」「公三さん!」

カッとなり思わず殴りかかるが、突如タマ美に遮られる。

「タマ美?!」

「ごめんなさい公三さん!でも…きゃあっ!」


キャベ次がタマ美ごと俺を白い床に押し倒す。


「キャベ次!」

「みんなで仲良くするのが一番だろ?タマ子とベーコンの時は俺は添え物だったからな」

「…何の話だ」

「タマ子はお前に謝ってたぜ?『ベーコンエッグになったらもうハムエッグにはなれない』って泣きながらなあ!」


突然知らされた事実に俺もタマ美も口を開くことが出来なかった。


「…まあもうおしまいだ、公三。俺とお前とタマ美でホットサンドになるのさ!」


言うが早いか、キャベ次の狂気的な笑みと共に空が落ちて―――――



パン

千切りキャベツ

目玉焼き

ハム

パン

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ