表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/25

第13話:晩夏の夢

~これまでのあらすじ

アイワは『キセキ』をなかったことにできるかもしれないと知る。

曇り空の下、それに似合う人混みの中で、僕は前を見据える。いつもの通り、いつもの朝、いつもの人々・・・・・・いつもの地獄。


「・・・・・」


心象は、未だ崩れるか否かを反復する。激痛が、僕の脳内でのたうち回る。それを悟られぬよう、その心中を、平静に保つよう努める。


「あ・・・っと」


どうやら、下らぬ熟考に呆けて、視界への意識を疎かにしていたために、身体がぶつけてしまったようだ。向かいにいた青年が、目の前で尻餅をついている。


"縺ッ縺ゅ?√≧縺悶>縺ェ縺薙?繧ッ繧ス繧ャ繧ュ"


心象で吐露する苦言に、聞かぬふりをして、僕は手を差し出す。


「大丈夫ですか?」


「あ゛?・・・・・・・ぇ・・・ひっ!?」


青年は、苛立ちの込めた顔をこちらに向け・・・・・・目があった途端、消沈するように表情が消えた。


「どうかされましたか?」


「い、いえ・・・だ、大丈夫、です・・・」


僕の手を取らず、そそくさとその場を駆け出す青年。彼を認識して、ほんの数秒しか経ってないために、その心中の詳細を推し量ることができない。


唯一・・・・滲み出るような『恐怖』を除いては。











「キセキがなくなるって!?・・・マジかよかったなあ、アイワ君よぉ!!」


「君って・・・・なんか急に距離が」


昼休み、屋上にて。


僕らはいつもの駄弁りを繰り広げていた。概要は当然、昨日の『魔女アンナ』に関する話題。アンナとは今日の夜に合流予定であったため、すぐにでも共有しなければならない情報だった。


「いやあ、俺もこのキセキっての、流石に力の加減ずうっとやり続けるってなあ、結構大変だったんだぜ。」


「まあ、僕のも結構繊細な力だし・・・・というか、やっぱりミヤビも、キセキは捨てたいんだ。」


「当然だぜ。この変な刺青が残ってるの、正直大人になるとイタイと思ってな。タトゥーって言われて、温泉とか断られてたらやべーなーって感じだった。」


「その発想は無かったよ。」


ミヤビの、こういう自由の発想が好きだ・・・だなんて、これじゃあ僕が頭の硬い年寄りみたいではないか。けれど実際問題、公共施設を使えなくなると言うのは、正当な悩みだ。


「けど、その紋様が消えるかは、聞いてなかったな。」


「けっ!もし温泉入れない場合は・・・・お湯に(つば)でもつけてやるよ。これで俺だけのお湯な〜〜って。」


「おい絶対やめろマジで。即刻出禁だよ・・・・いやほんと出禁で済めば良いけど」


慌ててその策を止める・・・なんか自分のキャラを忘れているような気もするが、ミヤビ相手なら繕う必要もないだろう。


「はいはい冗談だって。ここはひとつ、キセキを無かったことになるだけで、満足しときますよーーってな・・・・・まあ俺はともかくアイワよ・・」


「ん?」


「随分と浮かねえ顔だな。キセキ無くなるってのに、嬉しかねえのか。」


砕けた笑いの余韻が消え、改まった態度でミヤビは言った。読心術も持ってない癖に、相変わらずの勘の鋭さ。


「浮かないって、僕そんな顔してる?」


「おうさ・・・・まさか、あのアンナって魔女のこと、信用し切れてねえの?だってほらよ、心が忍者だったんだっけ?」


「まあ完全に信用ってわけじゃないけど・・・・でも、今回の件に関しては、信じても良いとは思ってるよ。問題はそっちじゃなくてさ。」


対外的な悩みではない。ソレは明らかに、僕自身の心象に依るもの。


「いろんな人の死を見た。」


「・・・・ああ。」


「その上で思うんだ。自分だけ、何事もなかったように、日常に戻っていいか・・・だなんて」


ミヤビには、爆発事件の末路・・・・・シラマキの殺害の件を伝えていない。そのため、ミヤビの中では『ただの怪物の討伐』で終わっているのかもしれない。


同情されたいだなどと、カッコ悪いことを言うつもりはない。それでも、ミヤビの前くらいなら・・・本音の一つくらいは。


「もちろん、キセキは消してもらう。それは変わっていないよ。でも、この気持ちにどうやって見切りをつけようか・・・そもそも見切りをつけるのが正しいのか・・」


「てぇい!!」


「って・・うぅ゛!?」


言の葉が終わる寸前、ミヤビが学生帽に向かって、チョップを仕掛けた。真面目に熟考していたことに加え、ミヤビの前で緊張を解いていたこともあり、その心象(ちょっかい)を読み逃してしまった。


ポスっと鳴った帽子下で、ミヤビの方を見上げる。


「よしアイワ!!」


「え?」


「海行くぞ!!」


「・・・・・・え?」











前例なし、話の筋にも合わず。そんな突拍子も無い提案を言ったのち、ミヤビは職員室へと向かった。止めようとする僕を、力づくで引きづり倒して。


ふざけんなよ。その馬鹿力は反則だろ。


「よぅし、んじゃ見てな。」


「おいちょっと待て、ちょっと待て、何するつもりだ。」


心象を見ればわかる話ではあるが・・・流石にミヤビがここまで馬鹿だとは思いたくない。頼むから嘘だと言ってくれ。


「決まってんじゃん。今すぐ海行くってんなら、先生騙くらかさなきゃ、学校出れねえだろうよ。」


「ばかだった・・・・。」


忘れていた。この男は、コミュ力が高いだけで、勢い任せの馬鹿だった。口八丁がそこそこなもので、ソレなりの世渡りができていた分、今回もそれでいけると勘違いしている。


「仮に行くとして・・・海なら、放課後からで良いだろう?」


「放課後からじゃあ、これ見れねえのさ。」


そう言って、スマホの液晶画面をこちらに向けてきた。


「ミヤビ・・・・・」


「な、いいだろ?こういうのは俺も大好物」


「お前、こんな女が好みなのか・・・」


出てきたのは、『pixiv』の『ヤンデレ』の検索結果だった・・・いや、『なろう』じゃ無いんかい。


「え?・・・ああ!!違う!!違うんだよ!!」


「浮気ばれした彼氏かな?まさかミヤビ、今まで告られたの断ったのって・・・」


「違うわ。フィクションの性癖と、現実の性癖は別もんだろうが!!」


「へえ、じゃあシスコンっていうのは?」


「ソレは・・・・ソレはぁ〜〜〜って、違う、そうじゃなくて」


話を逸らすかのように、改めて端末をいじるミヤビ。エルシーやシラマキと戦った時も、そこまで必死じゃなかったぞミヤビ。


「ほらこいつよ、花火花火。海辺の花火よ。18時にやる、こいつを見に行きたくてな・・・いやあ青春だね。」


「青春としては、ちょっとテンプレすぎない?海とか花火とかって。」


「冷めたこと言うなよ、インドア野郎。」


「インドア野郎とはこれまた心外な・・・・・まあソレはいいとして、どうやって先生を説得させるの?」


「ふっ・・・・・まあ見とけ」


自信満々の様子で胸を張るミヤビ。格好つけた台詞を一言置き、僕が止める間もなく、職員室の中へ入って行った。


「本当に行っちゃったよ・・・・・大丈夫か?」


用も無いままに、職員室へ入るわけにもいかない。入り口の隅で、ミヤビの行方を覗くことにする。居た・・・向かいにいるのは、ミヤビの担任か。そういえばあの先生は、生徒にかなり甘めだった記憶がある。


一見、無謀で阿呆なやり方に見えて、ミヤビなりの考えはあるのだろうか。


「ミヤビ君、わたしに何か用でもあるのか?」


「ええ先生。実は俺、早退をしたくてですね。」


「おや、何か具合でも悪いのかい?」


やはり、第一関門として、その質問は立ち塞がるようだ。ミヤビの『任せとけ』発言が、どのようなアイデアから来る自信なのか、これまた見ものだ。


「・・・・・・・・・・えっと、」


先生の質問に、ダンマリをこくミヤビ。え?嘘でしょ。何も考えてなかったのか?・・・・・・・本当にノリだけで解決しようとしてるのか、あの男は。


「あ、ああ・・・・そ、そうですねぇーーーー。あ、そういや昨日早退したやつがいたじゃ無いですか、なんで休んだんですか?」


「え・・・ああ、それは・・・」


心象読みをフル稼働させ、ミヤビの意図を探る。


なるほど。昨日休みのあった人間の理由なら、最もらしい理由になるかもしれない。ここでそれを聞き出すのは、悪くない手だ。


「ああ・・・A組の丸井君ね。実はおばあちゃんがもう危ないってので。」


地雷案件だった。


「それですぐに病院に向かったんだとさ。けど、それは誤報だったようで・・・実際には、意識が持ち直すとこまでは体も治ったらしい。昨日夜遅くにもなって、電話で早退したこと平謝りしていたよ。まあそれに気にせず私も、よかったねってさ・・・・・ぐすん。」


いい話だなーーーーーなどと思っている場合では無い。休む理由にしては、あまりにも重すぎて参考にならない。結局のところ、ミヤビ自身が早退理由は考えなければならないようだ。


果たして何を考えているのかと、再度その目を凝らしてーーーーーー


「お!!いいっすね。俺も!!俺もそれにします。」


ミヤビは、どこまでいってもミヤビだった。











「なんか宿題増やされたんだぜ。」


「あたりまえだ。」


むしろあの状況から、説教で済んだのが奇跡。当然のようにミヤビの嘘がバレた。(というか騙す領域にすら行けてないのだが)その後は、こっ酷く『道徳』について、おありがたい授業を受けたのち、作文用紙を4枚ほど渡されたミヤビ。


「はぁ・・・・ミヤビがここまでアレだったとは・・・」


「・・・んだよ、はっきり言えよ」


「バカアホ間抜け」


「悪口以外端折れとまでは、言ってねえよ!?悪口小学生か!」


珍しくツッコミに走るミヤビ。(なり)で言えば、僕の方がツッコミに回ることの方が多いため、逆パターンもなかなかに新鮮だ。


「小学生結構・・・まったく、最後にせめて『ほんの出来心』だったんですぅの一言でもあれば、宿題倍増はなんとかなったんじゃない?」


「そう簡単にいくかよ。こればかりはケジメつけなきゃなぁ。」


「あっそ・・・・・で、どうするの?もう授業始まるけど」


説教が短めに済んだのも、先生の恩赦だろうが、それでももう残り十分もすれば授業が始まる。もっとも僕は、別に海に行きたいとか、花火を見たいだとか、全く考えていない。


機会なんていくらでもあるだろうし、今回は諦めて、


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜・・・・。俺、一緒に行きたかったなぁ・・・・」


「・・・・・・・」


・・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・仕方ないか。


「ミヤビ・・・・明日は土曜で、墓参りだったよね?」


「え?ああ。おうよ。」


「だったら・・・・・・・・・次の月曜は、一緒に心中だ。」


「は?」











「おいおいおい。ここって、本当に誰も見てねえのか?」


「大丈夫。うちの学校、そこんとこザルだから。」


授業始まりの刻も近い頃、僕らは正門前にいた。先導する僕とは対照的に、ミヤビは自転車を押しつつ、ビクビクしながら周りを見渡している。


「『置き手紙』して学校抜け出すたぁ、これまた堂々としてるよなぁ」


「一番最悪なのは、『僕らが行方不明』と判断されて、先生たちが警察呼んだりすることだ。だから堂々と『授業抜け出します』『悪いことだと分かってますが、行ってきます』と書いとけば、矢印は僕らにしか向かない。」


こっそり抜け出すという話になり、僕はミヤビに『置き手紙』作戦を提案した。それは、僕らが学校抜け出し、もうすでに帰ってしまったことを、知らせるためのものだ。


当然、後々お叱りをいただくだろうが、大事にされないだけマシだろう。


「僕はとりあえず謝罪文をびっしり書いたよ。十分前だからほんとにギリギリだったけど・・・そっちは?」


「『学校出ます。青春してきます』って一言な」


「えぇ・・・」


これでは、僕の書いた言い訳文が、全く通用しないではないか。なんせ、学校を抜け出したのが同時と知られれば、僕も『ミヤビと同じことをしてた』と判断されるのだから。


まあ・・・・言い訳一つで、お叱りの度合いが変わるわけでもないか。


「一応急ぐか。置き手紙見て、先生が止めに来るかもしれない。」


「お、おうよ。」


緊張混じる返事のち、ミヤビは自転車に跨る。それに倣い、僕が後方のサドルに腰掛けると、ミヤビは勢いよくペダルを踏みしめた。


「うわっ!?・・・はやってお前、こんなところでキセキは・・・もう40kmは出てないか!?」


「こんな時だからこそだろうがよ!!はっはっは!!このまま海に向かうぞ!!」


坂道だろうとお構いなしに、速度をどんどん上げていく。ビルからの落下を経験済みな僕でも、これは肝が冷える。必死になって、ミヤビの背中を掴んだ。


「そういやお前も変わったなあ!!まさか、黙ってバックれるのを、提案するたぁ思わなんだ!!」


「ああ!誰かさんの影響かなぁ!!まったくもってさぁ!!」


風圧によって(せわ)しく響く『周り』に、大声を出さざる得なかった。こんな慣れないテンションは、ミヤビ以外なら、竜頭蛇尾ですぐ消沈してしまうだろう。


「しっかし、大丈夫かよ?明日電話きて怒られねえかよ?一応墓参りなんだが。」


「僕らには、保護者がいない!!だから、怒りの電話は無視すればいいさ!!明日も登校日ならやばかったけど、説教あるとすれば、きっと月曜だね!」


「そうか・・・って変なテンションだなお前。」


「あ」


いつの間にやら下り坂を終えて、平らな道を進む自転車。タイヤの擦れる音も、先ほどよりは遥にマシなそれだ。今なら、こんな大声立てずとも、ちゃんと耳に届くか。


「今のは忘れて」


「いいや忘れないぜ。アイワがこんなに声張れるたぁ、良い気づきだぜ・・・・気付きついでにせっかくだ。お前の色々を探ってみようかぁ?」


ケラケラと背中で笑うミヤビ。一瞬降りようかと思ったが、この運転の主導権は奴にあるよ。ちくしょーめ。


「そーだなぁ・・・おう!!まずは恋バナだ恋バナ。」


「恋バナって・・・・ミヤビが無双するだけの話題じゃないか。この女難相。」


「はんっ!!お前だって、坊主なんてやめちまえば、なかなかのツラだ。モテたいなら、まずはそっからだぜ。」


僕の顔が?そういう・・・・・いやいやそれは無い。第一、そもそも僕はモテたいなどと考えたことはない。確かに、ミヤビみたいに、女から好かれるのは、悪く無い気分だろう。けど、女性と付き合うっていうのなら、別に多人数から好かれなくても・・・。


「別に、モテたいなんて・・・・僕は、本当に好きな人に好かれるならそれで・・・」


「お!陰キャテンプレ回答あざす!」


「殺すぞ」


安い殺害予告を受けても、その剽軽な態度を崩さない。振り返ることなく、その高笑いを続けている。


「はっはー!!怖かねえよ!!いいか・・・女ってなぁ、モテる奴のことを好きになるんだ。」


「え?それはまぁ、好かれるやつは、モテるっていう・・・」


「違う、モテる奴を(・・・・・)好きになるんだ。まあ聞けよ・・・・『モテ』ってなぁ、結局、女にとっての信用なんだ。こういう奴は良い、こういう奴はダメ・・・そんなことを女友達同士で話す時、『モテる男』ってなあ、そのコミュニティの中じゃ『評価高め』からスタートするんだ。だからその『モテ男』を知らない女も、女友達の話を聞いて、すぐに好きになりやすい・・・・という戦法だぜ。」


「なる、ほど・・・・・?」


悔しいが、こればかりは舌を巻いた。様々な人の心を見て、誰よりも心象を理解しているつもりでいた。しかし、この女心への理解度に関しては、未だミヤビの方が一歩先を行く。


「アイワも、その女に好かれたいのなら、まずは髪伸ばそうぜ、俺みたいにな!」


「その女?それは・・・・・」


「いやだってお前、アンナていう魔女のこと好きだろ・・・・・って痛ででで!!??」


おっと・・・・間違えて、脇腹を強く握ってしまったみたいだ。ハンドル操作が狂い、進むための軸があやふやになる。危機を感じてか、ミヤビはブレーキをかけてその場に止めた。


「何すんだよアイワ!!」


「そんなんじゃないよ。」


「あぁ?」


ちょっとした苛立ちをもって、こちらに振り返るミヤビ。それがあまりにも急で、自身の表層を繕えているのか心配だったため、目を逸らしつつ、二の腕で唇を覆った。


「そんなんじゃ・・・・無いから。」


自分の思う以上に、辿々しくなった声。表情の方も、酷く赤いに違いない。きっとまた揶揄(からか)われるんだろうなと思いつつ、横目でミヤビを一瞥する。


けれど意外にも、その表情は呆けていた。


「いや・・・・マジじゃん。」


「だから僕は違うって・・・・」


「まあ魔女に恋するってのも、お前らしいかねぇ。」


やれやれとでも言いたげな様子で、ミヤビは再度、自転車のペダルに力を込める。僕の心中など捨て置き、自転車は

僕らを乗せて進む。


「いや聞けって・・・・」


このままでは、それ(僕の話)主体に話が進んでしまう。これ以上、僕の心を(まさぐ)られるのは勘弁だ・・・・・なれば奥の手。


「・・・・ミヤビ、恋バナっていうのは、互いに自分の好みを曝け出すことだろ。なら、お前はどうなんだ?」


「へ?いや俺は・・・」


「言い方変えるか・・・・・ミウのこと、どう思っているの?」


「・・・・は、はぁ?」


またも自転車の軸がブレる。今度はすぐ立て直されたため、ブレーキはかけられること無く、だ。自転車の挙動がミヤビの心情を物語っている。詰まるところ、テンパっているのが、死ぬほど分かりやすい。


「ミ、ミュウちゃんは妹だろ!!そ、そんな・・・まあ大好きなのは変わりないけどよぉ!」


「その、元兄ちゃん(ちゃんにー)の立場から言わせてもらうけどさ、」


「・・・・・お、おう。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・ん。」


強張る肩から、ミヤビの緊張が伝わる。心象に映るのは、僕の回答への恐れ。揶揄われるかも等という、安っぽい不安では無く・・・・ミヤビの芯を揺るがす、真の意味の恐れ。


その心象が見えた頃には、すでに僕の中で、茶化そうなどという意思は消えていた。


「・・・今はもうミヤビしかいないと思ってるよ。」


「・・・・へ?」


「だから、お前ほどの男ぐらいにしか、ミウは任せられない・・・・そう思ってるよ。」


言の葉を聞き、数秒ほど硬直するミヤビの心象。再起動した際には、心中にて、これまた忙しく暴れ回った。


「お、お前ほんとさ・・・・!!マジでさ!!新手のツンデレかよ!!急にマジでその!!」


「うん。」


「うんじゃねえよ!!はぁ・・・まあ別に俺はええっと・・・・あ、ほらよ。う、海見えたぞ」


慌ただしい心を誤魔化すように、海の方を指し示すミヤビの台詞。心象を読み取れる僕からすれば、まったくもって、見苦しいそれ。


そんなありきたりな海一つで、話題が変えられるものかという話・・・・・・だ、よ・・・?


「あ」


「な、なあ!!綺麗だろ。」


「・・・・・うん。」


どうやら・・・・・そんな『ありきたり』に、心を奪われるほど、僕の心は貧しかったようだった。











「ってここ、浜辺なんかないじゃないか。」


「んまあ良いじゃねえか。一応海の家はあるんだし」


「何で?」


普通、海の家はビーチで造られるもの。その最低条件にあたる浜辺すらないそこで、どうして海の家が存在しているのか・・・・まあ、海の前で食事したいと言うものが一定数いるだろうし、分からなくもないが。


その海の家の前で自転車を止めたのち、僕らは、海面との高低差が激しい海岸にいた。


「で、そうするの?僕ら急に来たし、水着もない。」


「良いじゃねえか見るだけで。俺たちは、こうやって海を見て、黄昏る・・・・・青春じゃね?」


「青春ってなんだっけ?」


とはいえ、ミヤビの言う『見るだけ』というのも、そう悪くない。もう4~5年海を見なかったというのもあるが、これまでの自分を、ほんの少し忘れさせてくれるような・・・・・。


「てぇい♪」


「は、はっ!?・・・ちょ待・・・・グブち!?」


熟考にふける僕の背後で、突如として、何か二つの物体が僕を奥へと押し上げる。軸が空中へと放られる。前触れもなく足場を失った恐怖に、酷く肝が冷える。そうして、素直な自由落下は、僕の身体を海面へと叩きつけた。


海水が(じか)に目へ入り込む感覚を覚えながら、何があったかを即判断。浮き上がるとほぼ同時に、苦言が湧き上がった。


「おいミヤビふざけっぐぷがぽぽ・・・・!?」


それが言葉になる前に、再度沈められる僕の身体。今度は、僕の顔を踏み締める、ミヤビの靴によって。


「はっはー・・・あ、悪いアイワ。間違って踏んづけちまった。」


「・・・・・・」


「お、おい。ホントごめんって。わざとじゃない・・・いや俺が突き飛ばしたのはわざとだけどって・・・・・・ってなんで無言で、岸のフジツボ剥がして」


「フジツボアタック」


「おぅわ!?」


勝リ者(ヴィクター)ならではの握力で、海岸側のフジツボを引っぺがす。そうしてミヤビの方に放り投げるも、上手く躱された。だが安心するなかれミヤビ。海岸側にいる僕は、いくらでもフジツボを引っぺがせるのだ。


「フジツボアタック、フジツボアタック」


「それしかねえのか!・・・ってうわぁ、くっついた気持ち悪い!?」


何度も飛来するフジツボに、大層気持ち悪がっている様子。いつもならここで辞めてあげるが・・・流石に今回のは許せない。


「フジツボアタック、フジツボアタック、藤壺アタック。義母を(たぶら)かした報いを受けろ光源氏」


「フジツボ違いでスジ違いだこの野郎!?てめえこの、だったら俺は・・!!」


お?やるか?・・などとやる気満々で待ち構えていると、ミヤビは海から、何やら黒くて細いそれを引っ張り出して。


「喰らえ!!ウミヘビアタッ・・!!え・・へび!?・・・ウミヘビ!?」


「え!?ちょっ、ミヤビ・・・!?」


海上から身を出したそれは、まごうことなきウミヘビ。海洋危険動物など初見のそれなので、酷く肝を冷やした。ここまでこれば、ミヤビに対する苛立ち諸々が、色々と吹き飛んでしまう。


「おい、馬鹿ミヤビ!!噛まれる前にさっさと離せ・・・!!」


「おっお!?・・・おおわっ!?・・海へび・・・」


だめだコイツ、酷くテンパっている。すぐに離せば良いと言うのに、そんな簡単な判断すら下せていない。時間が経つほど、この蛇が何かするかわからないというのに。


不安通り、シャーシャーと威嚇してきた蛇は、顎の外れる勢いでパックリと口を開いて・・・


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!? ああ!?ほわぢゃああああああああああああ!!?」


「うわぁ!!!??何すんじゃあ!!!?」


パニックにパニックを重ねた結果、あろうことかミヤビは、僕の方へウミヘビを全力投球。心象が混乱してるせいで、予測もクソもなく、直感を用いてギリギリ回避した。


「おいミヤビお前・・・」


「ってアイワ、やばい!!来てる来てる!?」


「え・・うわっ・・!?ってミヤビ待てよ!?」


玩具のように握りしめられ、振り回され、思い切り投げ飛ばされたウミヘビは、黙ってどこかへ消えることもなく・・・・こちらの方へ悠々と泳ぎ迫る。


普通は逃げるものだろうと内心ツッコミつつ、僕らはそのウミヘビから距離を取らんと必死になる。逃走劇が終わるまでの、約1時間。その膨大な3600秒を、僕らは全力クロールに費やした。










水泳を楽しく(?)勤しんだ後、濡れて重くなった身体を、岸辺へと引き上げた僕ら。今日は、季節でいえば、ほぼ夏の終わり・・・・晩夏と言うのが適切な日。ある意味、秋の始まりともいえる時期なので、潮風もかなり涼しい。


もっとも、ずぶ濡れの僕らからすれば、体の冷えを悪化させるそれなのだが。


「うぅ゛・・・さぁむい、な。って、僕のスニーカーは?」


「ほら、落ちてたぜアイワ。」


「ありがと・・・・って、中敷きが無くなってるし・・・・」


クッション無き靴の、感触の悪さを実感しつつ、ミヤビの方へついて行く。その先の海の家なら、タオルの一つでも売ってないだろうか・・・・などと淡い期待を抱きつつ、重い体を引きずった。


「おお、これは・・・・・ありかも。」


「ミヤビ?」


前方にて立ち止まるミヤビが、看板の方を見上げている。ミヤビに倣い、その記述内容に目を凝らした。


「ウミヘビサンドイッチ?」


「よくね!?よくね!?・・・絶対変な味するぜ!!」


「えぇ・・・・今さっき、ウミヘビへの認識が悪い方にアップデートしたばかりなんだけどさ。」


「いいから一緒に食べようぜこれ。ほら奢るからよ!!」


ミヤビの切り替えの速さには、呆れるしかない。まあ・・・今日はミヤビに最後まで付き合うと決めたのだ。そこまで言うのなら、一口くらい良いのかもしれない。


「わかったよ僕も食べ・・・っておい」


僕の答えを聞かずに、そそくさと店内へ入って・・・・・行こうとして、入り口前で止まった。


「あ・・・・・・」


「・・・・・ミヤビ、そういやお前金持ってたっけ?」


「はは、はっはーーーーーー、ごめん、金貸して。」










「・・・・・何?ミヤビ」


「なあ・・・・・・・わかるよね?心読めるならさぁ。」


「・・・・・はぁ」


店内の卓の一つ・・・・僕ら二人がいる机の中央に置かれた、無駄に豪華なプレート。一人分にしては大きすぎるそれを、僕の方へ寄せようとするも、ミヤビの瞳が全力で阻止してくる。


結局僕は、件の『ウミヘビサンドイッチ』は頼んだ。ただしミヤビ用ではなく、僕用のを一つ。しかしながら、それを羨ましがる、ミヤビの視線に耐えられず・・・・ちょっとしたイジワル(譲ってやらない)も、簡単に崩れた。


二つ重なったパン生地の、やや左中心部を、爪楊枝で突き刺す。それを軸に、側のナイフで出来るだけ綺麗に切り分けた。



「半分個だ。喰えよ。」



「おおサンキュー・・・・って、肉はアイワの方が大きくねえか?」


「・・・・全部僕が食べても良いんだよ?」


「あ、アザース、ゴチになりまーす。」


ナイフで寄せたそれを、そそくさと受け取るミヤビ。それを一瞥したのち、僕もそのパン生地に齧り付いた。


「んん!?・・・こほっ!?・・・お、美味しいけど、辛いなこれ。」


臭みをとる為だろうか、中の肉には相当の香辛料が。これは覚悟してないと結構きつい。一方、ミヤビは・・・いつの間にやら全部食べ終わっていた。相当お気に召したらしい。


「思ったよりうめえな・・・・お?食わないなら、食べかけでも俺食うぜ。」


「生憎、ちびちびゆっくりと、食べさせてもらうよ」


パンの端を齧りながら、海を横目に黄昏る。


ああ・・・・こんな穏やかな気分はいつぶりだろうか。夏の終わり、平日の昼・・・・その諸々が重なった為なのだろう、この海の家およびその周辺には、ミヤビと店員の数名ほどしか人間がいない。図らずとも、心の声を集める僕にとて、この不思議な『呆け』は、本当に心地良い瞬間だった。


「どうだアイワ。ここじゃあ人もいねえ・・・てめえも楽に過ごせるんじゃねえの?」


「ミヤビ、そこまで考えて・・・」


「いや考えていりゃあ、お前心読んで気づくだろよ。ただ今そう思っただけだ」


「まあそうか・・・そうだな。ミヤビがそんな賢い男なワケもない。」


「おいこら」


ミヤビのツッコミを一瞥していると、軽い苦笑が漏れた。鼻息に等しい一言のそれでも、確かな心の緩み(・・)。街中の喧騒に浸っていれば、絶対に無かった心の安定。


「楽しいか?アイワ」


「・・・・・・・・・うん。」


しかし、その安寧を自覚したところで・・・・・・・心の中で突如として吹き出る、複雑な感情。きっとこれは・・・ミヤビにも言及した『日常へ戻りかける己』への『自戒』。


「・・・・・・・・・・・・・・」


「まーたか、相変わらずお前ってやつは・・・・」


「え?」


「そんなに自分が許せねえってか?」


いつもの勘の鋭さ。最近になってからずっとだ。いや、ミヤビの察しの良さと言うよりは・・・・


「もしかして結構、顔に出てる?」


「あたぼうよ。お前はいっつも、変な義務感ばっか持ちやがって・・・・・・なあ、お前さ」


身体向きを正面に戻し、僕の方へまっすぐと向かい合う。改まったような態度からして、その舌に真面目な話題を仕込んでることは、すぐに分かった。


「お前のその妙な義務感ってよ・・・・誰かの影響だったりするのか?ほら例えりゃ、死体回収の時にも『報いるべきことがあるとするなら、すべき』ってやつだったり?」


「・・・・・ああ、そうだな。ミヤビには話してなかったか。」


様々物事に立ち止まりかける時、度々僕の原動力となるその『言葉』。もうかれこれ10年経った今なお、僕の芯に染み付くそれ。


「『成すべきことを定め、ただそれを成せ』。父さんの言葉だ。」


「父さんって・・・・・それって、アイワの養護施設の長さん?」


「うん。まあちょっとした憧れってやつさ。なんせ、僕にとっての唯一の親で、恩人。あんな人間にはもう会えないって言えるほど、すごい人だった。」


背中越しで一所懸命に駆け回る彼が、どこか格好良く見えたのが印象深い。彼はその生涯を『子への救済』に費やした男。その一つに筋を通し、全うした男。


我ながら、憧れる相手を間違えなかったと自負している。


「僕も、話す機会が多かったわけじゃない。けど、時たまの教鞭の全てを・・・・小っ恥ずかしくなるような綺麗事を、あの人は全部行動で示してくれた。筋を通したあの人がカッコよかったから・・・・・その言葉の一つくらい全うしてみてもいいかなってさ。」


「・・・・それが、お前の原動力ってか。」


「どちらかといえば楔かな?」


この『心を読む力』が消えた後も、僕はその在り方を止めるつもりはない。今の自分が、父さんに誇れる程の人間なのかは分からないけれど・・・・・筋を通したのなら、その先に未来で、それなりの人間になると信じて。











「ほら早く漕げよ」


「せ、急かすなよミヤビ・・・・この坂、結構傾斜やばいんだって・・・・」


「だからいいんだろうよ、ほら」


「・・!?おおっとぉ・・!?」


刻は大体18時手前。


海の家から少し離れた丘の上に、僕らはいた。ミヤビが、今度は運転手を変えようと言うので、試乗探しに選んだそこが超急斜面の坂道。いくらバイトで自転車に慣れているとは言っても、ここまでとなれば、些か怖くなるのも仕方なしだ。


たじろぐ僕を見兼ねてか、僕の背中へと思い切り体重をかける。坂の手前で止まっていたため、その『体重掛け』が、僕らを下方へと吸い寄せた。


最初は、軸を安定させることに一生懸命であった。しかし、路面が綺麗なことに加え、坂の角度がこれ以上酷くなることもなかったために、焦りはすぐに溶け消えた。


「・・・・・!!」


「な?良い眺めだろ?ここなら花火も見えるってもんさ。」


太陽下に輝る波面の景色も良いが、夜に染められた海の情景も中々なもの。視界の下部に映るは、海岸沿いに(たか)る人混み。思えば今日は金曜日。明日の予定を気に留める必要もないからこそ、人も多く集まっているのだろう。


「・・・・ありがとうミヤビ。」


「ん?・・・ああ。まあ、お前は人混み嫌いだしな、俺もこっちの方がいいと思って・・・」


「それもなんだけどさ・・・・・・・・その、色々とね。」


キセキを体に宿してからの五日間。経ったそれだけだというのに・・・・己の脆弱な心ゆえか、どうにも疲れてしまった。ミヤビも、僕のそういった疲弊を、察してくれたのかもしれない。


「僕が、ちょっと気疲れしたってさ・・・・・気にかけてくれたのかなって」


ミヤビの心象を覗きつつ、恐る恐る言の葉を紡ぐ。こういう『他者の本音』を言語化する行為は、ある意味マナー違反のそれなので、慎重な態度を心がけた。


ミヤビはため息一つ(のち)、静かに口を開いた。


「・・・・・・・・俺は馬鹿だからさ、お前のキセキがどんなに苦しいものなのか、わかんねえんだ。けど馬鹿らしく、笑わなくなっちまったお前を、楽しませる方法考えてたんだ。」


「それが海や花火?僕を突き飛ばしたのも?」


「あれはちょっと魔が刺したっていうか、まあ悪かったぜ・・・でも、まあ気晴らしにはなったんじゃねえか?」


「・・・・・・・・それは」


「まっ!これも学校サボりたい口実にしたってなぁ、内緒だぜ!」


「締まらないこというなぁ・・・・・・・ぁ」


夜を裂く一筋の光に、僕らは口を止める。


静かな夜を躍動に染める、高らかな上昇音。その余韻が消えるか否かの瞬間、芯に響く轟音を携え、鮮やかな花火が上がる。


それは一度にとどまらない。多種多様な残光の、消えかかるたびに再展開される花弁らは、夜景の黒を色とりどりに塗りつぶしていく。


一度咲いたのち、二度とその花弁を開かぬ、淡く儚い火花達。まさしくそれは、晩夏の夢のようでーーーーー


「ようやく・・・・・ちゃんと(・・・・)笑ってくれたな(・・・・・・・)。」


「・・・・・うん」


チカチカ、チカチカと。

最後の煌めきに至るまで、僕らに幸福を振りまいた。











花火の余韻に浸るまもなく、僕らは来た道を引き返す。丘の下方では、屋台が展開されていた。できれば周りたいものだが、こんな厄介なキセキを持つ限りは、十分に楽しむこともできないだろう。


加えて魔女との合流の件があるため、早歩きで自転車を押す。


「なー知ってるか?あの祭りって、三日開催してるらしいぜ。墓参り帰りによ、ミュウちゃんも連れて向かおうぜ。」


自転車の後方から、陽気なミヤビの声。用事がどれほど掛かるかも分からないが、少なくとも、明日の打ち上げ時間には間に合うだろう。


「いいなそれ。キセキ無くなった後なら、また場所気にせず楽しめる。」


「決まりだぜ・・・・てか、そうじゃん。俺ら一回、魔女さんとこ、寄らなきゃいけないっけな。」


「まあ一度、ミヤビん家で荷物置いてからでもいい。今夜は僕も泊まりたいけど・・・いいか?」


「お!!そんじゃあ、今夜は三人で夜更かしってな!!」


少し深夜テンションでも混じったような態度。魔女との用事が、未だ片付いてないというのに、その心持ちは早すぎやしないだろうか。でもその不遜さこそ、ミヤビに相応しいか。


そんな下らぬ対話を繰り広げて、何十分経っただろうか。歩道が少しずつ、見覚えのあるものへと変化していく。


「見えた見えた・・・んじゃ、俺に自転車パス」


「ん・・・」


握るハンドルを側方へ傾け、ミヤビの方に預ける。手持ち無沙汰に、なんとなく顔をあげる。視界の先にあるは、二人が住むには、あまりに広い敷居を持つ、よく見知った館。


「やっぱり広いなぁ」


ミヤビの実家の相変わらずの、広大さ(スケール)に、毎度のことながら感嘆の声を上げる。


「どうしたアイワーーー!!こっちなんだぜーーー!!」


館を目にするのは、かなり久しいことだった。だからか、無意識に足を止めてしまっていたようだ。ミヤビが手を振る先の門前箇所へ、僕も小走りで駆ける。


そんな僕に、顔を綻ばせるミヤビ。


「ほらこっちこっち・・・・あ!!ただいまーー、ミュウちゃーーーーん!!」


間の抜けた台詞に恥ずかしがることもなく、愛しい妹へと、その声を響かせた。




















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

先生との会話の下りは、落語『出来心』をパロリました。よければ調べてみてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 回を重ねるごとに面白くなりました。ミヤビがアホで救われる。
2023/12/11 20:48 匿名きぼう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ