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役立たずスキル【ログインボーナス】で捨てられた令嬢が、本当の幸せをつかむまで【11月 コミックス2巻発売】  作者: 碧井ウタ
本編(完結済)

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18/46

18:家族の昼食①

 翌日の昼。

 ジョアンナは、少し緊張した面持(おもも)ちでヴィンセントの部屋へ向かっていた。

 

 今朝、【ログインボーナス】に新しい変化が起こったのだ。そのため、報告を兼ねて4人で昼食をとることになった。


 廊下を歩いていると、ヴィンセントの部屋の前に、ケルヴィンと見慣れない年配の男性がいるのが見えた。

 

 

「はじめまして、ヴィンセント様の主治医をしております、パオロ・ラコーニと申します」

 

 パオロはにこやかな笑顔を浮かべて、丁寧にジョアンナに挨拶をする。彼は、王家からの紹介でヴィンセントの主治医をしているそうだ。


 ジョアンナも笑顔で彼に挨拶を返したが、何故だか自分でもわからないが……彼が少し苦手だった。


 ──にこやかで感じの良い方なのに、この嫌な感じは何かしら?


 彼には申し訳ないなと思いつつ、自分の中で湧き起こる不思議な感覚にジョアンナは少し戸惑っていた。




「ヴィンセント! そのマスク、なかなか似合うな!」


 食事の席に着いたケルヴィンは、久しぶりの家族全員での昼食に上機嫌だ。

 ヴィンセントのマスクを初めて見たようで、(しき)りに褒めている。

 

 ジョアンナがリネハンに来た頃は、ヴィンセントは包帯で左側の変色している部分を隠していた。しかし、最近は包帯の代わりに黒いマスクを身につけている。


 これが美しい顔立ちをした彼によく似合っていて、ジョアンナも初めて見た時には目を奪われた。


 ヴィンセントは少し気恥ずかしそうに笑いながら、マスクをケルヴィンに見せている。生地には蜘蛛の魔物から採れる高級な糸が使われているらしい。肌触りが良く、伸縮性もあるので着け心地も良いそうだ。


 

 今日のメニューは、サンドイッチ、サラダ、野菜のスープ、フルーツだ。

 

 サンドイッチは、ヴィンセントも食べやすいように小さく切られていた。サラダも蒸し鶏と野菜や花などを小さく刻んであり、スプーンだけで食べられる。どれも片手で食べやすいものばかりだ。

 

 ジョアンナはこの部屋でのいつも通りの食べ方で、片手でサンドイッチを持ち、パクパク食べている。


 彼女は気がつかなかったが、その様子を見てケルヴィンとセリーナは少し驚いていた。実は、貴族女性は小さなサンドイッチでもナイフとフォークを使って食べるのが基本マナーだ。


 ヴィンセントがそれに気がつき、2人にだけにわかるように自分の左手をチラリと見る。

 納得の色を浮かべた両親に微笑み、ヴィンセントもいつも通りにサンドイッチに(かぶ)り付いた。


 ケルヴィンもセリーナも、2人と同じように片手でサンドイッチを手に持って口に運んだ。


 4人は美味しい料理を食べながら、ケルヴィンが領内を回った時の話や、不在の間の屋敷での話などをして和やかな時間を過ごした。


 

 

 食事を終えると、お茶を淹れた後で使用人は退出していった。


 そして、今朝、ジョアンナに起きた出来事の話を始めた。


 朝の段階で3人にも、画面を書き写した紙を届けている。それぞれが手元に紙を持っているので、ジョアンナはそれを使いながら説明していく。


「今朝、目覚めていつも通りに[ログイン]を押すと、この画面が出ました」


──────────────────────

 連続ログイン 1,010日達成!

 「連続ログイン達成プレゼント」が届きました!

 

 ① [交換]が解放されました

 ② 「コイン」の配布が始まりました

 ③ 期間限定コイン:100枚を手に入れました(有効期限:本日中)

 ④ [ガチャ]で手に入るアイテムが増えました

──────────────────────


「なるほど、[交換]と『コイン』か……」

 

「はい。そしてこの画面を閉じると、いつも通りに『ログインチケットが1枚』と、新しく『コインが10枚』手に入ったのです」

 


 3人とも紙を見て内容を理解したようなので、ジョアンナは次のメニュー画面の説明に移る。


「そして、メニュー画面を見ると、メニューという文字の右側に、持っているチケットの枚数などの情報が書かれている四角の枠があるのですが、そこにコインについての情報が新たに追加されました」


 ジョアンナは紙に書いた図を指差しながら、説明していく……。


 メニュー画面の四角の枠には……

  「連続ログイン:1,010日目」

  「ログインチケット:1枚」

  「ガチャチケット:0枚」

  「コイン:10枚」

  「期間限定コイン:100枚(うち本日失効:100枚)」

 と書かれている。


 

「そして、メニュー画面には、新しく[交換]のボタンも増えました。[交換]の説明にはこう書いてあります」


 ──────────────────────

 ◼︎交換

 これまでにガチャで手に入れたことのあるアイテムやガチャチケットと、コインの交換ができます

 ※ 一部、交換対象外のアイテムもあります

 ※ 「交換できる数の上限」や「交換できる期間」はアイテム毎に異なります

 ※ R以上のアイテムの交換はまだ解放されていません


 ◼︎使い方

 ① 交換したいアイテムを選ぶ

 ② 交換する数を入力する(やめる時は「×」を押して画面を閉じてください)

 ③ [決定]を押す

 ※ 手に入れたものは、全て[アイテムボックス]の中に保管されています

 ※ [アイテムボックス]の枠が空いていない場合は、枠に入っている物を捨てるか、新しく手に入れた物を諦める必要がありますので注意してください

 ──────────────────────


 ジョアンナが[交換]についての説明を終えると、すぐに試してみることになった。

 3人は真剣な顔で、ジョアンナを見つめている。


「それでは[交換]のボタンを押します」


 ボタンを押すと、「交換画面」が表示される。

 同じ大きさの横広の四角の枠が、縦にズラーっと並んでいる。


 四角の枠の中には……

 [ガチャ]のカードに書かれていた絵、アイテムの名前、交換に必要なコインの数が書かれている。

 交換に必要なコインの数はバラバラだが、ガチャチケットや良く出る聖水は一番少ないコインで交換可能なようだ。


 ガチャチケット:1枚……100枚

 ガチャチケット:10枚……900枚

 聖水……100枚

 初級ポーション……200枚

 初級毒消しポーション……200枚


 デスパル草は画面に無いので、[交換]の対象外になるようだ。

 本日期限のコインが100枚あるので、全員でどれを交換するのか相談した結果、ガチャチケットを1枚と交換することになった。


 ジョアンナはガチャチケットを選び、「1」を入力して、ガチャチケットとコインを交換した。

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