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第99話 タイトル

「「「ロードの部屋に帰ってきたチュー!」」」

 

「やっと机の上だチュウ」

「鍵はここに置いておくチー」

「なくさないようにしようチャア」

 

「「「……………………」」」

 

「……行っちゃたんだチュウ」

「それにしても、ここってこんなに広かったチー」

「ロードがいなくなったからそう感じるんだチャア」

 

「よく皆で夜更かししたチュウ」

「ランタンが倒れて火事になりかけた時はビビったチー」

「記念日には皆でお祝いしたチャア」

 

「懐かしいチュウ」

「ここで見守ってたチー」

「大きくなってたチャア」

 

「初めて会った時はいつも寂しそうだったチュウ」

「チー達が教えないと何もできないヤツだったチー」

「それが、もう一人でどこにでも行くようになったんだチャア」

 

「最初は『なんでこんなのの面倒見なきゃいけないチュウ』って思ってたチュウ」

「チーもだチー」

「これで本当にお役御免だチャア」

 

「「「……………………」」」

 

「やめろ……しんみりするなチュウ」

「そうだチーこれでチー達も自由になったと考えればいいチー」

「今から好き放題チャア」

 

「「「今日はチーズパーチィーチュー」」」

 

「もうチーズまみれにしてもいいチュウけど」

「何も言われないとやっぱり寂しいチー」

「この部屋は大切にしようチャア」

 

 

 

「筆記長だチュウ」

「よくこれで勉強してたチー」

「ん? ちょっと待てなんか新しくないかチャア?」

 

「ほんとだチュウ」

「何に使ったんだチー」

「開いてみるチャア」

 

「「「…………」」」

 

「ここ数日間の旅を記録した日記みたいだチュウ」

「あれ? 絵はないのかチー? ロードなら描きそうなのにチー」

「絵は得意じゃなかったはずチャア」

 

「そいえばあんな旅? は初めてだったチュウ」

「楽しかったチュウ」

「最後にいい思い出になったチャア」

 

「「「…………………」」」

 

「チュウチュウ。次のページチュウ……」

「チーまだチー、まだ読めてないチー」

「おっそいチャア……」

 

「「「……………………」」」

 

 最後の日……。

 

 

 青年は夢にまで見た冒険の旅に出た。

 

 

「ここで終わりチュウ」

「何か物足りない一言チー」

「なら書き足してやるチャア」

 

「そんな事して怒られないかチュウ?」

「いいチーもうチー達は好きにやるんだチー」

「心配するなチャア……変なことは、書っかな~~いチャア」

 

 

 

「締まりが良くなったチュウ」

「そいえばタイトルがないチー」

「なら、考えるチャア」

 

「青年って言っても……」

「ロードの物語だから……」

「あれしか思い浮かばないチャア」

 

「「「チューー」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~~レジェンドオーブ・ロード~~

 

 そこは人と動物の民たちが共に暮らす幸せな世界でした。

 ある日突然、異なる世界から悪しき竜がやって来ました。

 悪しき竜は皆の世界を壊していきました。

 力のない住民たちは、泣き叫び、逃げることしかできません。

 けれど、ある国の使用人が被害にあった民たちを元気づけに行きました。

 そのとき、竜を倒すことの出来る剣の存在に気づきました。

 それを手に入れるために大きな山に向かいました。

 色々あって何とか竜を倒す剣を手に入れました。

 そして青年は戦士たちの協力を経て一緒に戦いました。

 強大なる竜の力でも力を合わせれば倒せることを知りました。

 しかし、竜を倒すことは出来ませんでした。

 負けたわけではありません。

 どうして悪いことをするのか、その事情がわかってしまったからです。

 その竜は悪の力に操られ暴れていただけでした。

 青年は竜を助けました。

 それから悪いことをした竜は迷惑をかけてしまった皆に謝りました。

 心優しい皆は今までの行いを許してくれました。

 これで世界に平和が戻ったと思いました。

 

 しかし、まだ終わっていませんでした。

 竜を暴れさせた何者かがまだいるというのです。

 青年は直ぐに国に帰って皆に知らせます。

 けれど、そこに別の世界から来ていた本当の敵である魔王が現れます。

 青年たちは戦いましたが、魔王に国を取られてしまいます。

 誰もが不安に駆られましたが、青年は戦おうと皆を焚きつけました。

 けれど、一人の青年が立ち上がりました。

 青年は魔王を倒すために力を探しました。

 結果的に何も手に入りませんでした。

 それでも勇気を持って立ち向かうことに決めました。

 皆の協力を借りて魔王の元までたどり着きます。

 青年は自分がこれまで積み重ねてきたすべての力を使って戦います。

 味方になってくれた竜に乗ってまで魔王と戦いました。

 けれど、竜は戦いの最中にその命を奪われそうになりました。

 青年は願います。

 そのと願いが奇跡を起こし光を溢れさせ竜の命を助けました。

 少年は気づきました。

 これまで進み続けて来た道こそが自分の力なのだと。

 青年は本物の《秘宝玉》を手に入れました。

 見事、青年は秘宝玉の力で魔王を倒しました。

 戦いの末、世界は魔王に勝利したのです。

 こうして、住民たちの世界に幸せが戻りました。

 そして、青年は竜と共に無限大に広がる世界へと冒険の旅に出ることを決意します。

 自分の手に入れた強さを必要としている場所があると思ったからです。

 そう思ったことが旅支度を終えたことの証でした。

 遂に念願の旅に出る時が来たのでした。

 

 そして、旅立つまで最後の七日間を過ごします。

 故郷である世界を、幸せだった日々を、出会ってた人々を、

 心に刻みつけながら。

 

 

 

 最後の日……。

 

 

 青年は夢だった冒険の旅へ出た。

 

 

 

 

 故郷に別れを告げて竜に乗って旅立ちました。

 こうして勇者になった彼はいなくなりました。

 きっと異なる世界で元気にやっていることでしょう。

 

 彼は本当に強くなったから。

 

 その冒険の旅は故郷にまで届く伝説へと、

 好きなことが出来る楽しい旅になって、

 色んな人たちと出会い友達になって、

 多くの試練を乗り越えて強くなり、

 道に立ちふさがる壁も切り開き、

 

 最後は全ての世界を幸せにしてくれるのです。

 なにせ彼は、魔王と向き合って受け入れるほどの強さを持っていたから。

 もしできなければ、彼は地獄の修羅の道を歩いて不幸になっていたかもしれません。

 

 でもそうはならない。

 いつの日か彼が進んだ道は輝かしい王道となって、その名を世界に刻むのでしょう。

 

 勇者ロードの名前を。

 

 

 ~~おしまい~~

 

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