表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/938

第78話 アカVSクロドラ

 クロドラの相手が出来るはアカしかいない。

 だから、アカが倒されてしまえば全ての作戦は崩れ去る。

 ここからは気を付けて戦ってほしい所だが、

 

 そう簡単にはいかないだろう。

 

 街に落ちたクロドラは翼をはばたかせてアカのに向かって飛んでいく。

 二体の竜がストンヒューの上空で対決することになる。

 牙と爪を立てて襲い掛かっていくだろう。

 けど、アカも迫ってくるクロドラから離れるはずだ。

 逃げるアカをクロドラは追いかけるだろう。

 その様は、まるで大きな魚が空をで泳いでいるように見えることだろう。

 しかし、追うクロドラに比べて逃げるアカの移動スピードは遅いもののはずだ。

 アカの力な大半がクロドラを作っているから。

 尻尾に叩きつけられ、鋭い爪に掠られてもおかしくない。

 

「グウオウ!!」

 

 クロドラの前進の突撃をまともに受けたらうめき声を出すかも。

 攻撃を受けたアカは、すぐに目を敵に向けて突撃し返すんだろうけど。

 追い打ちの突撃を仕掛けていたクロドラと真正面からぶつかるだろう。

 

「グオオウ!!」

 

 でもアカなら、互いの強烈な激突にも耐えて、下がることなく押し進む。

 空中で態勢を崩したクロドラの顔に、身体を回して尻尾を叩き込んで、

 

「ギョオアア!!」

 

 さらに態勢を崩したところに火を吐くんだ。

 

『ザオオオオオォォォォォォ』

 

 だけど、クロドラは手強いから大きな咆哮を放ち火を掻き消してしまうかな。

 そしたら、翼を大きく広げて、空を勢い良く進んで急速な突撃を打ち込んでくるか。

 海に潜るような鋭い突撃が、

 

「グオウ!!」

 

 アカに激突してぶっ飛ばす。

 そうすると、よろめいて、一旦上空に高く飛んでクロドラから離れるだろう。

 それをまた、クロドラが追いかけにいく。

 逃げて追われて、離れて近づいて、と竜たちが空を泳いで何度も繰り返していく。

 

「暴れたいなら、もっと上に行くぞ!!」

 

 それでも、アカには頑張ってもらう。

 作戦にはないことだけど、アカの戦いを見れば王様たちはどうするか。

 

 

 ▽ ▽ ▽

 

 

 ストンヒューの丘。

 

 

「竜と竜が戦っている」「まるで夢でも見てるかのようだ」「空気が重い」


 大臣人たちが話し合う。

 

「王様、皆さん、万が一ということもあります。我々もここを離れましょう」

 

孔雀の大臣がそう提案してきた。


「それがいいニャー」

 

「いいや、私はここを動くわけにはいかない」

 

「王様……」


 一人の大臣が言う

 

「戦いに行ける身ではないなら、せめてここでストンヒューの衛兵たちの強さを見守るのが王である私の務めだ」

 

 

 ▼ ▼ ▼

 

 

 ストンヒュー大通り。

 

 

 二体の竜がストンヒューの空を泳ぎ回っている。

 だからこそ僕らは安心して大通りを進んで行ける。

 隊列を共にしていた兵士たちの一部は、大通りを守るために離れて行った。

 

「倒せなさそうだな……」


 シャルンスがそう口から零す。

 

「アカがやらなければいけないのは、クロドラを引き付けて皆から離すことです」


 ロードが言う。

 

「そうか、逃げているのではなく。私たちのために時間を稼いでくれているのか」

 

「そう、オレが魔王を倒すまで……」

 

「けど、追い込まれているように見えたが、まずいんじゃないか?」

 

「アカは強い。魔王の刀に操られながらも皆を守っていたんだから……今度もまた、やってくれます」

 

「そうだった、私たちは彼に救われていたんだったな……」

 

(アカ……倒れるなよ……)

 

 遠く後ろの上空で戦う二体の竜を確認しておく。

 

 

 ▼ ▼ ▼

 

 

「オオオオオオ!!」

 

 突進を繰り返すクロドラに、アカが火の砲弾を、一発、二発、三発と放っていく。

 クロドラもそれに反応して黒い靄の砲弾を口から放った。

 黒い砲弾がゴゴゴゴーーーーン!! と火の砲弾を爆発に誘わせ全て消し去った。

 

 クロドラはその後もアカを狙うように黒い靄の砲弾は放ち続けていく。

 アカは狙いから外れるため空に大きな円を描くようにして避けていく。

 クロドラは黒い靄の砲弾を撃つのを辞めると、またアカを狙って突進していく。

 

 アカはクロドラが後ろから追いかけてくることに気づく。

 全身の熱を喉に集中させて炎を口から漏れ出すくらい溜め込んでいった。

 クロドラも後ろから狙うため黒い靄の砲弾を放つ準備をしている。

 アカは上昇や下降を繰り返し振り切ろうとするが、速さが足りないのでどんどん距離を縮められていく。

 

 だが、突然アカは後ろを振り返って、追いついてきた竜に溜め込んだ炎を吐きだした。

 ゴオオオオオオオオ!!

 吐き出された炎にクロドラは自分から突っ込んでしまう形になった。

 

『ザオオオオオオオオオ!!』

 

 炎から抜け出したクロドラはアカを見失って動きを止めた。

 

 アカは上からクロドラの背に突進して打撃音をズドン! と炸裂させた。

 

 あまりの突進の勢いに負けたクロドラは街に落ちていく。

 ズゴゴゴン! と小屋が家が壊れていく。

 さらに落ちたクロドラを――アカが空から急速に降下して押しつぶす。

 

『ザァオオッッッ!!』

 

 その身体を踏みつぶす。

 

「こんなものだったか! 我が力は!! 我に時間を稼がせよ!!」

 

 ロードたちはそう聞こえたような気がしたので心配はそこで終わらせた。

 次はの作戦だ。

 そろそろ、カリフ王たちはあそこに着くころだ。

 

 

 ▽ ▽ ▽

 

 

 ストンヒュー大通り・正門前。

 

 作戦が順調に行っているならもうその辺りに着いているはずだ。

 

「宮殿の正門が見えてきました」「門は空いたままです!!」「カリフ王いかがいたします」

 

「このまま正門を占拠してロードたちを待つ!!」

 

「カリフ王!! アレを」「正門から何か出てきます」「さっきの魔物たちとは違うようです!」「ど、どうしますか!」

 

 もしかしたら、予想外のことがあるかもしれない。

 例えば、正門を大きなクロヅノたちが守っていたりするかもしれない。

 

「止まるな! 我に続け!!」

 

 けど、大丈夫。勇猛果敢なカリフ王が前に出れば、

 

『『『おおおおおおおおおおおおおおお!!』』』

 

 皆、後ろから続いて敵を倒しに行く。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ