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第59話 雑魚と最強

 魔王が猛烈な勢いで近づいて刀を振るう。

 

「――ぐっ!!」

 

 とっさに竜殺しの剣を引き抜いて受け止めた。

 しかし、相手の力が強すぎて潰されるように体勢が崩れていく。

 

「お前が竜を倒したような口ぶりだが、この程度の力で崩れるか!!」

 

「くうううっ!!」

 

 圧倒的な力だった、その場から全く動けなくなるくらい余裕がない。

 

「――雑・魚・があああああああああああああ!!」

 

 強烈な蹴りが体勢を崩した腹部にドガッと打ち込まれた。

 

「――おあっっっ!!」

 

 ロードは声と共に口から空気が吐き出てていく。

 

「や、やめ、やめないか!! ここをどこだと心得ている」

 

 飛ばされた後、ロードと魔王とな間にパレロットは立ってくれたが、

 

「うるさい!! 雑魚が!!」

 

「うあっっ!」

 

 腕を返すような仕草を取った魔王が揺らめく黒い衣で払い飛した。

 

「父上!!」

 

 払い飛ばされた王の元へ駆け寄っていく。

 

「王様をやりやがったチュウ」「冗談じゃすまないチー」「じ、自分が何したかわかってるのかチャア!?」

 

 その時、ルロウが玉座の間から急ぐように出て行った。

 

「異なる世界の者よ聞いてくれ、知らないかもしれないが、この世界で武力の行使は許されていないんだ――やめてくれ!」

 

 魔王に近寄ってシャルンスが言っていた。

 魔王が持っていた刀をわずかに動かしたのが見えた。

 

「――王子そいつは本気だ!!」

 

 ――魔王が王子に向かって刀を振り上げた。

 

 王子はとっさに剣を引き抜て刀を受け止めようとした。

 だが魔王の刀のあまりの力強さに、王子は構えた剣ごと振り飛ばされてしまった。

 

「ああっ!!」

 

 吹き飛ば床に叩きつけられたさ王子。手から剣が離れてしまい〔カラカラ―ン〕と床を滑っていく。

 

(王子……)

 

 フラつきながらも立ち上がる。

 

「お前このようなことをしでかしてタダで済むと思っているのか!!」


 カリフ王が叫ぶ。

 

「タダで済むわ!!」

 

「そうはいかん!! お前が竜に悪行を働かせたというのなら、我がレオリカン王国を陥落させたのはお前ということになる!! この責任どう償うつもりだ!!」

 

「国を陥落させたのなら、お前たち雑魚が償え!!」

 

「危険分子め! お前は我が国レオリカンで裁く!!」

 

『ガオウ!!』と魔王に飛び掛かって、鎧にもかまわず噛み付いた。

 

「オレにぃ~~タダでは済まんことをしでかしたな! 雑魚がああ!!」

 

 しがみつくカリフ王を軽々と片手で掴んで離し、柱へと思いっきり投げ飛ばした。

 

「――――ぐがあっ!!」

 

 強く背中をぶつけたようですぐには立たなかった。

 

「いいか雑魚ども!! オレは強い世界から来た魔王だ!! お前たちのような弱い世界の住民が何匹集まろうと勝てる道理はない」

 

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