表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/935

第55話 赤い竜に乗って帰還

「この程度の距離なら我が送り届ければ一時間で着くが……」

 

「そんなに早く!?」

 

「それならばアカよ、帰りも頼めるか?」


 カリフ王が訊いてみる。


「いいとも」


「ならば我は、しばしの間ストンヒュー王国に足を運ぶことにする。お前たち留守を頼むぞ」

 

「は、はいホ」「お任せくださいホ」


 付き添いのゴリラの衛兵に告げるカリフ王。

 

「衛兵長、私も父上に今回のことを報告しに帰還しようと思う……」

 

「わかりました。こちらのことはお任せください」

 

 こうしてアカは、僕ら、ルロウとネズミたちとシャルンス王子とカリフ王を乗せて飛び立つ。

 

「では飛ぶぞ」

 

 翼をはばたかせアカが空へと高く高く飛翔していく。

 

(おお、凄い景色だな~~)

 

 レオリカン王国と広大な荒野、遠くの方にはミャーガン山らしき山まで見えた。

 

「こわチュウ」「チチチーーーー!!」「チャア!!」

 

「そんなに騒ぐことか……?」


 この状況でロードはいたって冷静だった。

 

「な、なに言ってんだ。お、落ちつけるわけないだろ」

 

 またも狼狽えるルロウ。


「流石は竜に立ち向かった者だ」


 褒めたたえるカリフ王。

 

「ロードも成長したわけか……なら、私もいずれは国を背負う者として君に習わなければな」

 

「そんなに構えなくても……アカは皆を落としたりはしないさ。なぁ!」

 

「極力、気は配るが万が一はある。しっかり掴まれ、落ちれば命はないぞ」

 

「えっ!? じゃ、じゃあ、やめとこうか……アカ! やっぱり地上を――」

 

「行くぞ! しっかり鱗か何かに掴まれ!」

 

 聞こえていなかった。

 

「ま、待てよアカァ!」

 

 アカはすでにもの凄い速さで空を進みだした。

 全員が落ちないようにしがみつくことに必死になる。

 

「「「チューーーーーー」」」

 

 命の危機に瀕しながら一行はストンヒュー王国へと向かっていった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ