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第549話 戦友たちとの別れ

 最後の砦・ホーウッド。


 その異世界は紫色の空に覆われていた。しかし、大魔王ボランデスカールを倒してから青空に戻った。


 ロードたちと戦士たちは無事この異世界を救済したのである。


 それから後日、戦士たちは元いた異世界に帰ることとなった。


 ロードはホーウッドの受付カウンターにいた。そして椅子に腰掛け、帰り支度を済ませた戦士たちと握手を交わしていた。


 その背後に異世界人の為、通訳できるドノミが配置され、受付の隣では元いた異世界への道を作るシルベがいた。


「まず、一番手で帰るよ。何か困ったことがあればスポンサーを通してくれ。さようなら戦友」


 金髪のすまし顔のライズが言った。彼は日光の秘宝玉使いだった。


「ああ、また一緒に戦えるときが来たらまた会おう」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「あんたすげーよ、一人で大魔王倒したんだって?」


 次に並んでいた褐色の肌の男ザイスという鎌の秘宝玉使いが握手を求めて来た。


「ああ、苦労したよ」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「あなたの未来を少し見てみました。あなたはこれからある人と再会します。その人はとても怖い気を付けて」


 次に並んでいた片目隠しのショートヘアーの女性メイビスが告げる。


「分かった、気を付けるよ。それじゃあ」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「お主のおかげでこの異世界は救われた。だが……最後の戦いに間に合わなくて済まなかった」


 次に並んでいた鎧姿のアマジャーが話しかけて来た。


「いいんだ。あの戦いに参加していたらもっと死人が出た。だからこれでいいんだ、皆が生きていたことを忘れず今日も生きよう」


 ロードの言葉にコクンと頷くアマジャーそして別れた。次の人。


「またいつか会おうぜ優勝者さん」


 獣人ヤドリックの順番が来る。


「ああ、また」


 ロードは軽くお別れした。そして次の人。


「共に生き残れてよかった、いずれ私たちのいるエルフ界を訪れてくださいね」


 長耳のダークエルフのメイダーが言う。


「ああ、いつの日か行くよ」


 ロードは軽く別れた。次の人。


「あんさん、やっぱただものじゃなかったな~~」


 のんびりとした口調のドワーフのグロックが言う。


「そうかな~~秘宝玉を持っていること自体が特別なおかげだと思うけど」


 取りあえず握手を交わし別れる。次の人。


「あなたのサインは家宝にしますので……」


 ソンという武闘家の女性が挨拶してきた。


「キミか、生き残ってくれて嬉しいよ。またね」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「傷を治してもらったこと感謝する」


 巨人族のオオヅチが別れの握手を求めて来た。


「いいんだ。ありがとう色々と動いてくれて」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「吾輩、貴公と共に戦えて光栄だった」


 怪人と言われるアーティモリが言う。


「こちらこそ光栄だった」


 ロードは軽く別れる。そして次の人。


「今回はお世話になりもうした」


 妖怪の雪女ユキメが話しかけて来た。


「お互い様さ」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「ロード、生き残れてよかったな」


 シール使いのヴァーエンがやって来た。


「ヴァーエンこそな」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「こたびの勝利をもたらしてくれたことに感謝しますわ」


 深々とお辞儀をするアビリティーアクセサリー使いのアニエスがお礼を言う。


「当然のことをしたまでさ」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「よもや、生き残れるとは思わんかった」


 武闘家の老人フンカーが言う。


「長生きしてください」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「死者を出したことを気に病むでないぞ」


 武士のムサロウが話しかけて来た。


「うん、けど、皆の顔は覚えておこうと思います」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「勝てて良かったな優勝者」


 鬼人のデガラが言う。


「うん、良かった」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「こんな戦いでも役に立てたかな……」


 資格マニアのプロマが言う。


「勝利した上に生き残ったんだ。今はそれを喜ぼう」


 ロードが軽く別れる。そして次の人。


「キミが大魔王を討ち取った者か」


 神の血を引く神官ホートスが言う。


「戦いに協力してくれてありがとうございます」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「ブツブツ…………」


 呪文使いのベダが現れた。何やらお礼を言っているらしい。


「こちらこそ生き残ってくれてありがとう」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「ホホホ、私の力は役に立てたかしら」


 超能力者のエスルが訊いてくる。


「はい、お役に立ったからこそこれだけ生き延びることが出来たと思います」


 ロードが軽く別れた。そして次の人。


「機会があれば一緒にスポーツしようぜ」


 スポーツマンのクンドウが言う。


「ああ、機会があればやろう」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「あなたと世界を救えて良かった」


 薬品のスペシャリスト、ナナスが言う。


「こちらこそ、身体の具合を見てくれてありがとう」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


「いつの日かまたお会いできる縁があるように」


 アイテム使いのメメが祈っていた。


「ああ、また会おう」


 ロードは軽く別れた。そして次の人。


 総勢約800人との別れの挨拶を済ませたロード。ドノミが持って来たコーヒーを飲み干す。


「お疲れさまでした」


「ああ、お疲れ様」


 ロードが椅子にもたれ掛かる。


「あとはキミたち一行だけだよ」


 シルベが近づいて来て言う。


「オレはまだ帰らない」


「シスター・クレアに用があったんだっけ?」


「ああ、失われたオレの記憶を取り戻す」


 ロードの目に光が宿っていた。

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