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第544話 皆の死を乗り越えて

 ボランデスカールは次々とロードの仲間を殺していく。


「くっ、うぅ、くっ、うう(早くあの大魔王と戦わないと……)」


 地面を這ってでも動くロード。


「さぁ、我こそが大魔王ボランデスカールを撃ち果たす者という者はおらんのか!」


 ボランデスカールの右手にはグニャグニャの20メートルの骨の剣と、左手には骨を束にした巨大なハンマーが握られていた。


「プロペラ砲台!」


 サイボーグのターカウスが背中から無数のプロペラのついた砲台兵器を出現させる。狙いはボランデスカールで自動的にビームが発射される。


「スカルソルジャー達よ! 我が盾となれ」


 ボランデスカールは無数のビームを避けながら命令する。


 しかしビームのあまりの高熱度が骨の盾を溶かして貫通していく。


「そんな小細工は効かん! ロケットパンチ!」


 ターカウスの攻撃がボランデスカールを完全に捉えた。無数のプロペラ砲台のビームも一点集中する。


「よし!」


 勝ったと確信した。


 しかし、


「何を倒して喜んでいる?」


 ターカウスの背後からボランデスカールが現れ、骨の剣で突き刺された。


「くぅ、どうして……ここに、瞬間移動か?」


 急所と思わしきところを刺されたのに動けるターカウス。


「うん? 我はスカルソルジャーと自由に位置を交代できるのだ。貴様ごときの攻撃を食らうものか!」


 ボランデスカールは巨大なハンマーでターカウスを潰そうとした。


「ブースターブーツ!」


 ターカウスは真後ろへ緊急回避した。しかし、


「スカルソルジャーのいない場所に逃げない限り、我の攻撃からは逃れられん!」


「――――!!!?」


 有無を言わさずターカウスは骨のハンマーによって潰された。つまり命を落としたのだ。


(タ、ターカウスさんまで……オレはどうしたらいいんだ)


「マグマパンチ!」


 溶岩人のマグマンがボランデスカールに戦いを挑む。


 パンチをスカルソルジャーと交代して受けさせ、マグマンの背後に瞬間移動し、ハンマーで打つ。そして、上空で躱しきれない所を切っ先が10に増えた骨の剣で突き刺していく。


「その身体はマグマ……しかし生物である以上急所はどこかに必ずある。そこを突けば襲るるに足らん」


 どうやらボランデスカールの見込みは当たっており、急所を貫かれたマグマンは絶命した。


(今までこんなにも力が欲しいとは思ったことが無い)


 ロードは腕に力を入れる。そして道を進んで行く。


 ボランデスカールの右肩に発信機の刻印が刻まれた。そしてそれは爆発した。


「ぬおっ! この力は秘宝玉か! この威力と特異性」


 技の特異性と威力からそう推察したボランデスカール。


「スカルソルジャーよ! 隠れし狼藉ものを我が前へ付き出せ!」


 その時、数人の人間たちが放り出された。発信機の秘宝玉所有者はいない。


 ボランデスカールは破壊された右肩を修復し、即座に骨の剣を掴んでいた右手を自分の物とする。


 そして、


「死ね」


 その一言だけでグニャグニャの20メートルの無数の切っ先を付けた剣が放り出された人間たちを突き刺した。


(――――!!!? ボランデスカール!)

(やっぱりオレが倒すしかない)

(道の秘宝玉オレの意思に答えてくれ)

(アイツを、大魔王を倒したいんだ)


 その時、ロードの刺された心臓が鼓動再開した。


 そして発信機の秘宝玉ギネも見ていられなかったのだろう。思わず魔王の前に飛び出した。


「やってくれましたね」


「我に一矢報いただけでも褒めてやろう」


「その余裕今すぐ消して――――」


 その時、前に居たのはスカルソルジャーと気が付いた。目くばせして付けた発信機はスカルソルジャーに、まぶたを閉じた瞬間、ギネの背後に移動したボランデスカール。両者の実力には圧倒的な差があった。


「ぐっ!! ――ごはっ!」


 無数の骨の切っ先がギネを串刺しにした。


「何の秘宝玉かは分からんが、これから先の我が眷属使魔に使わせよう」


 ギネは間もなく死亡した。


(立て、立つんだ! ここに力があるのだから、使うんだ。生命力よ刺された心臓を治してくれ!)


 ロードは腕と足に力を入れて立ち上がろうとする。


 そしてロードの残りの仲間たちも次々とボランデスカールに殺された。


 そして、最後の一人を殺した時、ボランデスカールは信じられないものを見た。


「貴様、何者だ……」


 心臓を突き刺してなお、立ち上がるロードに、血の滴る戦士衣装の敵を見た。


「勇者ロードだ!」


 その宣言と同時にロードの刺された傷口は完全に再生した。

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