第543話 自責の念
心臓部を貫かれ包帯によって出血を少しでも止めることにするロードだが、
「ぐはっ――――!!」
起き上がろうにも起き上がれない。
その隙に新たな仲間がボランデスカールに戦いを挑む。
「この鎧のマスクなら! どんな攻撃も効かないぞーー!」
鎧のマスクを被って全身鎧人間と化したイロヨが相手になるが、
「や、やめろーーーー!」
ロードは傷口を抑え叫ぶ。
「ぬん――!!」
ボランデスカールがイロヨの腹を手刀でやすやすと貫いた。
「がはっ――――!!」
イロヨが投げ捨てられた。もうその身体に命は宿っていない。
「火炎車輪!」
今度は疑宝玉使いのグルンが勝負を挑んでいた。
「ほう、この力は秘宝玉を模して造られた疑宝玉か……」
ボランデスカールはスカルソルジャーを盾のような形にして火炎車輪を防ごうとしたが、盾は破壊された。
「そのまま焼け死ね」
火炎車輪がボランデスカールの身体をその回転に巻き込んで行く。
しかしボランデスカールは火炎車輪を強引に抑え込んで所有者の元へと跳ね返す。
「いっ――――!」
急いで手を前の掲げ、車輪を操って突き返すグルンだったが、伸びてくる骨の剣を見落としていた。
長さ20メートルの骨の剣がグルンの身体を貫いた。
「ごはっ――」
グルンは盛大に吐血し、膝から崩れ落ちて息絶えた。
(このままでは皆死んでいく)
ロードはうつ伏せになる。
「100万ボルト!」
電気人間のカミージが放電攻撃を仕掛ける。
「――――――――!!」
ビリビリとしびれる大魔王、最初は何が起きたか分からなかったが、目の前の敵を見て即座に理解した。
「骨の身体には効くだろう?」
「いいや、神経が通ってないから効かんな」
ボランデスカールはグネグネと軌道を変える骨の剣を振りまわし、その舞いに惑わされたカミージを貫かれた。
「ぐおっ――――!!」
カミージも急所を刺され膝から崩れ落ちる。そして絶命した。
(オレだ。オレがアイツの相手をしなくちゃいけないのに)
そしてまた新たな襲撃者がボランデスカールを襲う。
「はぁーーーー!!」
背後から剣で斬りつけたのは騎士のシロトだった。
「ほう、我が前に何の力も持たない騎士が出張って来るとは勇敢だな」
「お褒めにあずかり光栄だが、お前は私が倒す! いやぁーーーー!」
剣を振りまわすシロト。だが全て硬い骨の前に攻撃は無力であり、その首を骨の手で捕まれ浮かされた。
「永遠の命に興味はないか?」
「はっ、私は騎士だ! 死ぬ覚悟ならとっくにできている!」
「なら死ぬがいい」
ゴキッと首の骨を折り、その場にシロトを捨てた。シロトはもう死んでいた。
(まただ、また死んだ。おのれーー大魔王めーー!)
ロードは身体を這いずらせた。
「火遁の術!」
ボランデスカールに無駄な攻撃を仕掛けたのは忍者のブパイだった。
「フン、この程度の火力では我には勝てんぞ!」
20メートルの骨の剣をグニャグニャに振り回すボランデスカール。その貫く軌道は読めないが、ブパイには秘策があった。
「木の葉隠れの術!」
木の葉を舞い上がらせ己を隠す。それから、
「分身の術!」
ブパイの姿が何十人にも増えて、クナイを構えて攻撃を仕掛ける。
「鬱陶しい――スカルハンマー!」
スカルソルジャー達を骨の束にして作り上げた大きなハンマーが振り回され、近づくブパイの分身たちを片っ端から打ち付けた。
「がはっ!」
そして骨のハンマーに打たれた本体が隙を作った。
「死ぬがいい」
骨の剣がブパイを貫こうとするが、
「変わり身の術!」
ボンとブパイが木片に変わり、骨の剣を間一髪で避ける。
「逃げたか? いやどこかに潜んでいるか?」
ボランデスカールの秘宝冠が光る。そして、ブパイの居場所を察知した。後ろから地面の中を進んでいやって来るのがわかった。
「スカルソルジャー達よ! 地面に剣を突き立てよ!」
全てのスカルソルジャーが地面に剣を突きつけた。そしてその剣は地面に潜っていたブパイを貫いた。
「――――――!!!?」
地面の中から声も聞こえず、忍者のブパイは死んだ。
(あの時、油断しなければ心臓は刺されなかった。相手は大魔王だ、今までの魔王とは違うのに、分かっていたのに)
ロードは後悔に近しい道を進んでいた。




