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第541話 スカルクイーンの悲鳴

 ハズレ、スワン、グラス、ドノミ、ブケンは魔王スカルクイーンの元に辿り着いた。


 敵を認識したスカルクイーンは髑髏の杖を手に持っていた。


「このドクロマークはお前を倒したら消えてくれないか?」


 ハズレが何気なく訊いてみる。


「私を倒すことが出来れば消えます。倒すことが出来ればですが……」


 スカルクイーンは死の宣告をする。


「消えるならいい」


 スワンが安心していた。そしてフラスコの中から水を出す。


「てめーーオレたちを舐めてんだろ! その余裕がいつまでも続くと思うな!」


 グラスが怒りを露わにする。


「スカルソルジャー達、この狼藉ものを襲いなさい」


 スカルクイーンが杖を振るとスカルソルジャーの波がグラスたちに襲い掛かる。


「――――衝撃流!」


 ブケンがすかさず衝撃波を生み出してスカルソルジャー達をバラバラにしていく。


 しかし、ドクロの旗のせいか頑丈な骨は砕かれず、スカルソルジャーは再生していく。


「相手は仮にも魔王! 余裕を見せるなと言いたいのはこっちだ!」


 ブケンが注意する。


「あなたも秘宝玉所有者のようですね……さて、その技からして衝撃の秘宝玉と――――」


 スカルクイーンの感想はドノミの攻撃によって止まった。


 ドノミは2メートルの鉄棒を上から下に振り下ろしていた。それをスカルクイーンは髑髏の杖で受け止めていた。


「人の話は最後まで聞く。というのがあなたたち人間の教育法ではないのですか?」


 この時、

(くっ! 筋肉もないのになんて力! 私の鉄棒を思いっきり振っても片ひざを折ることすらない!)

 ドノミは魔王の脅威を知った。


 この時、

(ドクロの旗はスカルソルジャーだけじゃなく、この魔王にも効果がありそうだな)

 ハズレはそう分析した。


「ドノミ退け!」


 グラスが吠えた。


 ドノミはその声を受けて後ろに下がる。


 グラスは右手と左手の指にはめ込んだ、短剣の柄の輪から伸びる糸を引っ張った。


 短剣はそれに合わせて地面をひっぺがえす。そして両側から来る地盤にスカルクイーンは挟まれた。


 しかし、スカルクイーンは軽々と上にジャンプして避け、ドクロの杖を突き出した。


「スカルジャイアントの頭蓋骨」


 杖のドクロが巨大化した。そして、


「スカルジョーンズの牙」


 杖のドクロが大きく口を開きサメのような牙で重なった地盤を食い破った。


「(この攻撃は――)皆気を付けてたぶんこいつ全ての眷属使魔の攻撃を仕掛けてくる!」


 スワンは皆に伝えた。


「スカルスパイダーの網」


 巨大なドクロの口から出てきたのは、網状に組み替えられた骨。ドクロの旗で強化されてる為、一度掴まれば逃げられない。


「――――そのようだ!」


 ハズレが火薬玉とマッチ棒を合わせて、骨の網を爆散させた。バラバラと落ちて行く骨。


「スカルトリケラトプスの角」


 巨大なドクロの頭部から鉄をも貫く角が突撃してきた。


「アレは危ねぇーー全員避けろよ!」


 グラスが叫ぶ。


 皆はグラスの指示に従い、角を避けると地面に突き刺さる。


「もう一度!」


 ドノミはスカルクイーンの元までやって来て、鉄棒を上から下に振り下ろした。


 この時、

(今度はドクロの杖が地面に突き刺さって防御には使えない行ける!)

 そう思っていたドノミだが、


「スカルサウザンドの腕」


 巨大なドクロの口から数百の腕が飛び出してドノミを捕まえた。


「うがっ! ――くぅーー!!」


 首を絞められるドノミはそれでも鉄棒を手放さなかった。片腕だけで抵抗して見せた。


「衝撃流!」


 ブケンの拳が数百の骨の腕に衝撃波を走らせて砕いていく。


「流石秘宝玉の力……ドクロの旗の強化能力を受けた骨の腕を砕いてくれるのね」


 スカルクイーンが冷静に分析する。


「はぁーーーーーー!!」「おらーーーー!!」


 炎の剣を持つハズレ、手刀の十六夜を突き出すグラスがスカルクイーンに攻撃を仕掛けていくが、


「スカルドラゴンの魔力の炎弾」


 巨大なドクロの口から出て来た炎弾がハズレとグラスを近づけない。しかし、


 この時、水が降ってきて炎弾が鎮火した。これはスワンの精霊の術だった。スカルクイーンの真上にはスワンが水のサーフボードに乗っていた。


 この時、

「(これで全員、集まった!)――――今だ!」

 ハズレは攻撃の隙を見つけた。


 いつの間にかスカルクイーンはハズレ、スワン、グラス、ドノミ、ブケンに囲まれていた。


「十六夜!」


 グラスがスカルクイーンの心臓部を貫く。


「たぁーーーー!!」


 ドノミが鉄棒で杖を持つ手を打ち付けて、手元から杖を離させる。


「衝撃流――二石波紋!」


 ブケンが衝撃波をもろに食らわせる。その時スカルクイーンの全身の骨にひびが入る。


「水霊の抱擁!」


 水で筒むのはグラス、ドノミ、ブケン、そしてスワンだった。


 この時、

(この連携ならいける)

 ハズレは火薬玉を投げて、炎の剣を突き出した。そして接触することで爆発した。


「き、きゃーーーーーーーー!!」


 スカルクイーンの悲鳴が何もない丘に響き渡る。そしてドクロの旗は効力を無くし、ハズレたちに掛けられたドクロマークも消え失せた。


「やった」


 ハズレが爆散した。スカルクイーンをしっかり見て勝利を確信した。


「終わりか」


 グラスが水の中から抜け出した。


「やりましたね」

 

 ドノミも出てきたこの水はハズレの起こす爆発を防ぐものだった。


「手強い敵だった」


 ブケンが消えたドクロマークを探しながら言う。


「魔王に勝った」


 スワンが地上に降りて、勝利を喜んだ。


 その時、援軍に来たライズが現れた。


「倒したのか? 大魔王の眷属使魔を……」


「ああ、倒した。これでスカルソルジャーの強化も消える。さぁ反撃だ!」


 ハズレの言葉を受けて、皆、スカルクイーンを失ったスカルソルジャー達に逆襲する。


 残る脅威はボランデスカールのみだった。


 そしてスカルクイーンの髑髏の秘宝玉は炎を纏いて消えて行った。


 ハズレは秘宝玉を消える現場を目撃した。

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