第531話 巨大な脅威、スカルジャイアント
ロードとアカがスカルドラゴンを引き付けている間に、スカルジャイアントにも動きがあった。
全長約20メートルもあるスカルジャイアント、巨人族のオオヅチの倍の大きさになり、鎌の秘宝玉所有者ザイスを遠方まで蹴り飛ばした。
スカルジャイアントは走るだけで戦士たちを潰していく。足に踏まれることで絶命しているのだ。
「う、うわああああああああああああ!! ――――」
化物マスクのノモケバがスカルジャイアントに踏まれる。プチっと呆気なく命を散らせた。
「これでも喰らえーーーー!!」
鬼人のデガラが自慢の三本の角から発した雷撃を浴びせる。
「カタカタカタカタ」
スカルジャイアントは感電したが大したダメージにはならなかった。そして腕をデガラを掴むように伸ばす。
「うわあああああああああああああああ!!」
デガラは逃げようとするが、その腕のリーチからは逃れられない。捕まえられる。
しかし、デガラの足元に召喚陣が描かれて、戦場から少し引き離したところにシルベが召喚する。
「メイビスさん――もう少し早く未来を予知することは出来ないのか!?」
シルベが杖を片手に構えて言う。
「無理、今の私には30秒でワンシーンの未来しか見えない! 次の30秒まで待って!」
メイビスが水晶玉に映る皆の死亡シーンを見守る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
その時、オオヅチがスカルジャイアントにタックルした。腰の位置に手を回しスカルジャイアントを横倒しにする。その攻撃はスカルジャイアントを皆から引き離す為、そしてスカルソルジャー達を押しつぶすためのものだった。
「爆発カセットセット! レディーゴー!」
グルグルメガネのヤセヤセは奇妙な左腕の機械に黄色いカセットを刺し込む。すると左手から無数の胞子状の光を生み出し、爆発を連鎖的に発生させていく。狙いはスカルジャイアントの右足だった。
破壊は可能だったが、直ぐにスカルソルジャー達の骨が集まって再生していく。
しかし、爆発を切らさないヤセヤセ、右足を破壊し続けていく。爆発が太ももまで達したとき、ヤセヤセの奇妙な機械から力が失われた。燃料切れである。
「――――!!」
燃料切れで爆発が治まったことで、完全に右足が再生するオオヅチもいつまでもスカルジャイアントを抑えてはいられなかった。スカルジャイアントのあばら骨が口を開けるように開いていき、牙のごとくオオヅチに食いかかろうとした。その瞬間オオヅチは普通の人間大の姿に戻って攻撃を躱した。
しかしそうすると、誰もスカルジャイアントを抑えられなくて起き上がってしまう。
「う、うわあああああああああああああああ!!」
ヤセヤセガ悲鳴を上げて再生したスカルジャイアントの右足に潰された。
「く、化け物が……」
オオヅチは顔色に疲れを見せていた。
「カタカタカタカタ」
スカルジャイアントが走っていく。ロード隊の戦士だろうが、ライズ隊の戦士だろうが踏みつぶしていく。
「うぬ――――!!」
そんな中、スカルジャイアントの踏みつけを耐えた者がいた。岩石人のゴンガだった。
不信感を抱いたスカルジャイアントがゴンガを踏みつけていた足を退ける。そしてゴンガを掴み取る。
「カタカタカタカタ」
スカルジャイアントが笑いゴンガを遠くに投げ飛ばした。まるで人間が落ちていた小石を投げるようだった。
「見えた! 次はこっちの攻撃の番!」
メイビスがそう言うとスカルジャイアントの前にムサロウが立ちはだかる。
「幾人もの命を奪って来た貴様にこの一撃を送ろう――――一刀両断」
武士、ムサロウが刀を両手に上段の構えで、刀を上から下へ振り下ろす。
地面ごとスカルジャイアントの下半身を斬る。斬撃は上半身まで届かなかった。そして直線状にいたスカルソルジャーも巻き込まれていった。
しかし斬られた下半身が骨の矢として攻撃に変わり、次々と発射され、ロード隊の面々とライズ隊の面々を刺し殺していく。
「ぐあああ!!」「うおおお!!」「ぐふ!!」
殺された人数は50を超えていた。
そして斬られた下半身を再生していくスカルジャイアント。
「させぬ――――!! 一刀両断!!」
ムサロウがさらなる斬撃を放つ。
スカルジャイアントの下半身の再生を邪魔したが、斬り落とした骨の山に埋まるムサロウだった。
「くっ、皆が死ぬ未来は見えなかった」
メイビスが悔しそうに顔を歪める。
「ぎゃあああああ!!」「うわあああああ!!」「のああああああ!!」
次々と殺されていく戦士たち。それを召喚陣の転移で、少しでも命を助けようとするシルベ。
この時、
(皆が殺されなければ本気も出せないか)
シルベの秘宝玉は光り輝いていた。
スカルジャイアントの猛威で戦士たちの死者が100人を超えていた。
シルベの目つきが変わる。本気を出そうとする目だった。




