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第530話 空中戦! スカルドラゴン

 ロードの竜封じの剣から伝説上の生き物、竜が姿を現した。


「何だ?」「アレはドラゴン!」「味方なのか?」


 思い思いに上空を見上げる戦士たち。しかし、油断は禁物、目の前には大量のスカルソルジャーが迫りつつあった。


「状況はわかるかアカ!」


 ロードが訊く。


「まったく分からんが、魔物と交戦しているのはわかる!」


 飛び泳ぎながら、スカルドラゴンの撃ち出して来る骨の槍を回避していく。


 ロードは背中に刺さっていた竜封じの剣を掴むことで、アカに乗りこなしていた。


「状況は見ての通り! 敵の数、数十万! 今攻撃してきた竜はおそらく大魔王の眷属使魔!」


 ロードが簡潔に説明する。


「あの禍々しい魔力の持ち主が眷属使魔か、向こうに見える巨人もそうだな?」


 アカが骨を束にして構成された骨の巨人を見て言う。


 スカルドラゴンの体長はアカとほぼ同じくらいの10メートルだった。


「あそこでスカルソルジャーと戦っている戦士たちがオレたちの味方だ!」


 ロードは下で命を懸けて戦っていた戦士たちを指差す。


「…………奥に見える骨の城のような物はわかるか?」


 アカが訊いてくる。


「オレも初めて見たが、大魔王ボランデスカールの本拠地らしい」


「大魔王か……魔王を凌ぐ強力な魔王だ。強いぞ」


「分かってる、けど、立ち止まるわけにはいかない。この戦いを一刻も早く終わらせるためにオレは大魔王を討つ」


「ならば、急ぎ、こちらの眷属使魔を始末しなければな!」


 アカが口に炎を溜め込んで行く。そしてその炎の炎弾をスカルソルジャーの軍勢に撃ち込む。すると数にして200のスカルソルジャー達が消し炭になった。


「す、すごい」


「ロード! あの骨の竜から気を逸らすな! 奴の口元を見ろ! 魔力の塊である炎弾を放とうとしているぞ!」


「――――ミチル! 二連撃!」


 ロードは青い剣を二度振り、飛ぶ斬撃を放ってスカルドラゴンの口元に攻撃を当てた。


 そうすることで口元にため込まれた魔力の炎弾が口の中で爆発し、スカルドラゴンの頭を爆散させる。


「終わったか……」


 アカが一息つくが、


「まだだ」


 ロードが一言放つ。スカル系の眷属使魔特有のスカルソルジャーを使った再生が行われたのだ。


「カタカタカタカタ」


 スカルドラゴンは復活した。


「アカとにかく皆のいる上空から奴を引き離してくれ! アレじゃあ皆巻き込まれてしまう!」


「それは我とて危ぐしていること!」


 アカはスカルドラゴンに突撃を仕掛けた。アカの爪がスカルドラゴンを抑え込み、スカルソルジャーのいる上空へと押し戻す。


 その際、スカルドラゴンは炎弾を放とうとしていたが、ロードのミチルの斬撃により口の中で暴発、魔力の炎弾は完全に封じ込められた。


 アカも口から炎を吐いて、スカルドラゴンを焼き尽くしていく。骨が炭になるまで絶対に手を放そうとしないアカ。しかし、危険を察知したスカルソルジャーの群れがアカのいる上空まで積み重なって、絶賛火あぶりの刑にしているところに割り込んできた。


「アカ――下から来る!」


 スカルソルジャーがアカの腹部に骨の剣を刺し込む。その痛さに思わず手を離すアカ。そして上空まで到達したスカルソルジャー達はスカルドラゴンの顔を自分たちの骨を使って再生させる。


「頭を吹き飛ばしても仲間の骨で再生するのか?」


「これがこの眷属使魔たちの厄介なところなんだ!」


 スカルドラゴンが尻尾を振り回してアカを薙ぎ払おうとする。それを掴むアカは逆に尻尾を利用してスカルドラゴンをぶん回し、スカルソルジャーのいる地面に投げ放つ。


 多数のスカルソルジャーはその身体の骨ごと砕かれていく。


「どうすれば倒せるか分かるか?」


「核だ! スカルソルジャーもそうだけどあの眷属使魔にも動くための核がある。それを壊せばあの竜は倒せる」


「なるほど」


 一人と一体は上空から地面に叩きつけられ再生していくスカルドラゴンを見る。


 スカルドラゴンは口から骨の槍を放ち、アカに差し向ける。


 翼を広げ空を泳ぎ回るアカが骨の槍を避けて行く。ロードも振り落とされないように竜封じの剣の柄をしっかり握っている。


 スカルドラゴンは再び羽ばたいてアカと同じ目線まで飛び立った。


 アカが炎弾を、スカルドラゴンが魔力の炎弾を口から放ち相殺される。


 その爆煙の中から骨の槍が射出されて、アカの翼や身体に複数の箇所に突き刺さってしまった。


「――――アカ!」


「問題ない!」


 アカが爆煙の中を直進し、骨の槍を射出させたスカルドラゴンに体当たりする。そしてまたもスカルソルジャーの軍の中に撃ち落とされるスカルドラゴンだった。


 アカが突き刺さった骨の槍を一本一本引っこ抜いていく。


(どうにか、皆のいる戦場から骨の竜を引き離すことが出来た。これでアカも思いっきり暴れられるだろう)


 アカがスカルドラゴンにとどめの炎弾を放つが、その前に立ちはだかったのは積み重なったスカルソルジャーだった。その隙にスカルドラゴンは再生し、再び空に舞い踊る。


 アカとスカルドラゴンの戦いは続く。

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