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第525話 スカル系最強、スカルサウザウンド

 何もない丘。


 アマジャー隊とスカルサウザウンド率いる10万のスカルソルジャーの戦いは続いていく。


「食らえ鉄球四式ボーリング!」


 太った大男マーマルがスカルサウザンドに戦いを挑んだ。しかし、スカルサウザンドの千の腕が鉄球を受け止める。


「オデの鉄球を全て手のひらで受け止めただ?」


 信じられないものを見るかのようなマーマル。そして10メートル級の観音像が一本の腕で手刀を作り出しマーマルの腹を貫いた。


「――――!?」


 マーマルを守っていたはずの鉄球も反撃するが、鷲掴みにされて止められた。


 手刀が腹から抜き去られる。そして多くの血を流し、マーマルは絶命した。


「彼の弔い合戦をしよう……」


 儚げな青年カナミが今度はスカルサウザンドに戦いを挑む。


「灰被り!」


 熱を帯びた灰がスカルサウザウンドを襲う。


 灰が腕の関節部分に付着して軟骨部分を焼き尽くす。そうすれば骨で組み立てられた身体は自壊するとスカルソルジャーとの戦いでそう学んでいた。しかし、


「カタカタカタカタ」


 スカルサウザンドは笑っていた。そして灰の秘宝玉所有者のカナミを掴む。


 あまりの握力にカナミは身体を潰されて絶命する。


「あっ、ああ~~」


 ごみをポイ捨てするように投げ出された死体となったカナミだった。


「うあああああああああ!!」「ぐああああああああ!!」「きゃあああああああああ!!」


 それからというものスカルサウザウンドの手刀にやられていく戦士の数々、10,20、30と殺されていった。


「このままでは全滅するやはりここで本気を出さねばならないか」


 この光景を見たアマジャーが背後に千体の戦士を召喚し、スカルサウザンドの手刀を命賭けで止めに行く。


 戦士たちは一人一本の腕を止めていた。数にして1000本。アマジャーの戦士たちはしっかりと腕を受け止めに行く。ある者は手刀に引き裂かれそうなところを助けられ、ある者は手刀に潰されそうなところを助けられ、ある者は手刀に貫かれそうになるところ助けられる。


 この時、

(くっ、これほどの腕の数を止めたはいいがこれでは引っ付くのでやっと、倒すことなんて夢のまた夢)

 アマジャーは何かいい倒し方はないかと考えていた。


 しかし敵も非情、考える時間など与えてはくれない。戦士たちが掴まった腕が強引に戦士たちを振りきろうと振るわれる。


 大多数のアマジャーの出した戦士たちが地面に叩きつけられ、投げ飛ばされ、握りつぶされていく。


 この時、

(いけない、このままでは全滅する)

 アマジャーは思っていた。


 そして、戦士を潰したスカルサウザンドの腕がアマジャーに伸びる。


 この時、

(それがしの命運もここまでか……)

 アマジャーは死を覚悟した。


 その時、黄色い壁がスカルサウザウンドの手刀をはじき返した。


「――――!!!?」


 これにはアマジャー自身も何が起きたのか分からなかった。


「蜜の巣……壁」


 スタスタと歩いて戦場に舞い込んできたのは、凛々しい顔つきのミハニーツだった。


「おぬしは――!?」


 アマジャーが思わぬ助っ人に驚いた。


「こいつは私が倒すだから他の人たちを下げて、私の攻撃は人を巻き込みやすい」


「りょ、了解した」


 戦士の一人にホラ貝を吹かせた。そして撤退の合図だと知った戦士たちがスカルソルジャーの前から引いていく。


 スカルサウザンドはもう一度蜜の壁の破壊を試みた。しかしあまりにも硬いその蜜に全く傷一つ付けられなかった。


「その程度?」


 ミハニーツの背後に蜂蜜の入ったつぼが二つ現われ、無尽蔵にその地を蜜で覆った。


 黄色一色に染まった何もない丘。そして足場を固められ身動きの取れなくなったスカルソルジャー達。


 そして、アマジャー隊の戦士たちが全て下がったところで蜜のドームを作り上げた。


「あなたのような眷属使魔はこの技で十分」


 ドームの内部は蜜一色だった。そしてアマジャーの1000体もいた戦士たちが姿を消していく。


 やっとすべての腕が解放されたスカルサウザンドはミハニーツに向けてすべての手刀を向かわせる。


「無駄……」


 しかし、スカルサウザンドの手は蜜の壁に遮られる。そして約10万体の戦士たちも身動きが取れない。


「蜜針」


 たった一言だった。それだけでドームの内部にいたスカルソルジャー達に鉄を砕く蜜の雨を全方向から浴びせる。


 しかしスカルサウザウンドは千の手で蜜針を掴み取って行った。


「だから無駄……」


 蜜針を100、200、300と掴み取っていくも、流石にその手は有限。無限に蜜の針を全方向からドーム内に放つミハニーツの問題ではなかった。


 1000の針を掴み取ったところでようやく蜜針の攻撃がスカルサウザウンドを打ち砕いていく。


 その蜜針の数、10000どころか100000を超えていた。


 スカルソルジャーは壊れ、砕け、打ちのめされ全滅した。ほどなくしたスカルサウザウンドの方も破壊していった。


「これくらいか……」


 ミハニーツがドーム状の蜜を解いた。


 アマジャー率いる戦士たちが驚いていた。


「全滅!? あれだけのスカルソルジャーが!?」


 アマジャーが言う。


「何をしているの? 大魔王のいる根城に行くんでしょ?」


 ミハニーツが刺すように言う。


 この時、

(待っててねロード、私が助けに行くから)

 ミハニーツはそう思っていた。


 アマジャーたちは魔王の根城へ向かう。

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