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第522話 荒れ狂う魔法! スカルメイジ

 ロード隊とスカルソルジャーの戦が続いていた。


 その中でも眷属使魔と見られるスカルトリケラトプスを倒したのは大きい。


 しかし、まだ油断ならない。敵軍は20万体。さらに眷属使魔と見られるスカルメイジはまだ倒されていなかったのだ。


「くっそーー閉じ込められた!」「何だこの檻は!?」「誰か出してくれ」


 スカルメイジの出した魔法の檻に閉じ込められていた。サイズは人一人が入れるくらい。


 その中に閉じ込められていた隊員たちは、スカルソルジャーたちの攻撃を受け絶命した。


「やめてください!」


 ドノミが鉄棒を持ってスカルメイジに攻撃するが、バリアによって弾かれる。


 さらに魔法の光弾が複数発射されて迫りくる。


「はぁーーーー!」


 ドノミは鉄棒を演舞のように回したり突いたりして、光弾をわざと爆散させダメージを受けないようにしていた。


 魔法の杖を振るうスカルメイジは雷撃を飛ばして来るが、ドノミは鉄棒を地面に突き立て大きく高跳びをする。そして間合いを計るスカルメイジの近くまで来ると、くるりと鉄棒を地面から離し叩きつけようとしていた。


 しかし、またもバリアに阻まれて攻撃が通らなかった。ドノミは再び距離を取る。


 そして、スカルメイジは杖を振るい変身魔法をかけようとする。ドノミは魔法の軌道から避ける。


 背後にいたスカルソルジャー達が蛇やウサギのなどの姿に変わっていく。


 この時、

(あの魔法のバリア、私が攻撃する時は張って、自分が攻撃する時は解かれるみたいですね。だったらカウンターを狙うしかありませんね。しかし、基本距離を取る魔法使いがそうやすやすと近づけさせてくれるでしょうか)

 ドノミは思っていた。


 ガラッと鉄棒で落ちていた骨の残骸をスカルメイジに振りかける。


 スカルメイジはバリアを張り、降りかかる骨の残骸をやり過ごす。


 ドノミの姿はもうスカルメイジの目の前になかった。


 ドノミは走っていた。


 そして、


 この時、

(攻撃よ、来い)

 ドノミはチャンスをうかがった。


 スカルメイジは炎の魔法をドノミに向かって放って来た。


 その時、ドノミは火傷覚悟で炎の中に突っ込んだ。鉄の棒にも熱が伝わって来るが手は離さない。


 確実にスカルメイジに鉄棒をと説かせるための一手だった。そしてスカルメイジに鉄棒が触れようとしたが、


 ギリギリのところでバリアが展開され鉄棒の攻撃も受け止められてしまった。


 バリアから引き抜けもせず、攻撃も与えられない鉄棒、次の攻撃が来る。それでも彼女は鉄棒を手から離さなかった。


 魔法攻撃。無数の光弾がスカルメイジの背後に現れる。そして放たれると同時にバリアが解除された。


「――――(――お父さん、お母さん、ごめんなさい。まだ私、罪すら償えてないのに)」


 ドノミはこの時、死を覚悟した。


 しかし、光弾の魔法はドノミの目の前で遮られた。さらに無数の光の矢がスカルメイジを襲う。


 当然この攻撃にバリアを張ったが、光の矢は貫通し、スカルメイジのボロ着れのようなローブに突き刺さっていく。


「大丈夫ですか?」


 駆けつけたのは神官と呼ばれるホートスだった。


「あなたはホートスさん。この力は一体なんです? 魔法でも聖法でもない」


 ドノミが不思議がる。


「私は神官、すなわち神に近しいものです。神の血がこの身体に流れていて神通力を可能としているのです」


 ホートスは説明した。


「じんつうりき?」


「あの程度の魔法使いなら私の神通力で倒せますが、あなたはここまで頑張った。どうです最後まで頑張れますか?」


 ホートスは問う。


「はい」


「ではこの力を授けましょう」


 ホートスは指でドノミの持つ、鉄棒の先に触れていく。そうすると鉄棒の先が光り輝いた。


「これは一体?」


「私の神通力を少し分けました。これで魔法のバリアを突破できるはずです」


 ホートスは言う。


 ドノミは鉄棒を握りしめてスカルメイジに向き合った。


「行きますよ」


 鉄棒を構えたドノミが宣言する。


 スカルメイジは無数の氷のつぶてを魔法で出した。対してドノミは鉄棒で自分に降りかかる氷のつぶてを弾いていく。


 そして走り出した。すぐさまスカルメイジは空へと飛んだが、スカルソルジャーの肩を足場にして、ドノミは飛んだ。


「はぁーーーーーー!!」


 ドノミはスカルメイジの心臓部に鉄棒を突き立てようとした。そこでバリアを張ったが、鉄棒の先に宿った神通力の力でバリアを打ち破った。そして鉄棒はスカルメイジに突き刺さり、心臓部の骨をバキンと割り、核を攻撃する。


 ガラガラガラと空中分解するスカルメイジ。ドノミもスカルソルジャーの大群のいる場所へ降り立った。


 そして、四方八方から襲い掛かってくる。スカルソルジャー達を鉄の棒を振り回して一蹴する。


 砕け、壊れ、崩れるスカルソルジャー達。


「さぁ、まだまだ行けますよ」


 ドノミはまだまだ戦い続けられるようだった。


「加勢します」


 ホートスも現れ、ドノミは心強く思った。

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