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第518話 第二波、スカルサウザウンドと10万の軍

 何もない丘。


 魔王ボランデスカールによる第二波が来た。


 スカルソルジャーとアマジャー隊が激突していた。


 アマジャーは戦場に着いたところ直ぐに千体の戦士を出した。


 ところが今回のスカルソルジャーの数は尋常ではなかった。何しろ10万規模の大軍勢、確実につぶしに来ていた。


 それに加えこちらの戦士は秘宝玉の力を合わせても、たったの1600人であった。


「ひるむな! それがしに続くのだ!」


 勢いだけならあった。アマジャーが皆を引っ張って戦っていた。そこを買われて総隊長になったのだから。


「灰被り……」


 カナミが右手と左手を振って灰をスカルソルジャーに吹きかけていく。


 そうするとスカルソルジャーの身体が燃え出す。


「その灰は触れたものをその熱で燃やす。そして関節部分に灰を送って動けなくしたりできる」


 しかしそれでもスカルソルジャーはひるまず、燃えながらカナミに向かってくる。


「だったらこれならどうかな……」


 依然余裕のカナミがスカルソルジャーの一体に近づいて行く。


「灰化」


 ふぅっと息を吹きかけるだけでスカルソルジャーの身体が灰となって消えて行った。


 その他、灰被りを食らったスカルソルジャーたちも、あまりの熱に身体を保っていられなくなる。それどころか身体の内側にある核を燃やされる。


 カナミは着々とスカルソルジャーの数を減らしていた。


 一方、鉄球の秘宝玉マーマルは五つの鉄球を出して攻撃を繰り出していた。


「ボーリング」


 マーマルが人間大程もある鉄球を50メートルほどのところまで勢いよく転がす。すると、スカルソルジャーは鉄球に巻き込まれ次々と潰されていった。


「4式ボーリング!」


 今度は四つの鉄球を並べてそのまま転がしていく。そして最後の一つはマーマルの周囲を漂い近づいてくるスカルソルジャーを自動で迎撃していた。


 スカルソルジャー達は成すすべなくやられていく。壊れ、砕け、折られ、二度と再生できない。それどころか核を正確につぶしていた。


 その三人の秘宝玉所有者のおかげでアマジャー部隊は何とか持ちこたえていた。



 ◆ ◆ ◆ ◆



 骨の根城・玉座の間。


 壁も床も天井も人間の骨で出来ていた。そして人間の骨が椅子の形を取った玉座に大魔王ボランデスカールの姿があった。


「小賢しい、小賢しいぞ。秘宝玉所有者どもよ。たかが一度に数十体倒せる力があるから何だというのだ。我が兵力はまだ99500体、いずれ体力切れを起こす。それとも何か秘策でもあるのか? フンいいだろう付き合ってやろうではないか……ただしこいつをどうにかできるものならな。秘宝冠で命ずる。眷属使魔スカルサウザウンドよ目の前の人間共を倒し骨を持ち帰って来い」


 ボランデスカールの被っていた王冠が闇に輝きだした。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 

 何もない丘。


 そこでは今、アマジャー部隊と90000以上のスカルソルジャーが激突していた。


 秘宝玉所有者のおかげで勢いだけならこちらにあったが、敵数は大群、持久戦に持ち込めばこちらが不利となる。


 そしてついに、


「うああああああああああああああああああ!!」


 ある者が断末魔の叫びを上げ息絶えた。


「「「――――!!!?」」」


 それに続くかのようにどんどんスカルソルジャーの波が押し寄せ、アマジャー隊を囲み包囲していく。


 所詮は烏合の衆、それも敵の数は尋常ではない。90000体にあっという間に包囲されていった。


 そして、アマジャーとカナミとマーマルは戦慄していた。その強大な力を持った魔物に恐れを抱いた。


 その魔物は全長約30メートルほどの観音像によく似た風貌で、背中から千本の腕を生やした骨の眷属使魔であった。


「ガタガタガタガタ」


 スカルサウザンドが笑うと上から包囲したばかりのアマジャー部隊に数本の拳で攻撃していた。


 何人かの命がその拳に潰された。


「お、おのれ~~応戦いたせーー!!」


「「「うおおおおおおおおおおおおおお!!」」」


 何人かが命を落とそうとも一歩もひるまないアマジャー隊だった。


 彼らだって秘宝玉は持っていないものの何かしらの能力を持った戦士たちだそう簡単にはやられない。


 迎え撃つのは眷属使魔スカルサウザウンドが率いるスカルソルジャー達だった。

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