第510話 強敵スカル軍団
ロード隊の前に恐るべき、眷属使魔スカルワイバーン、スカルシャーク、スカルスパイダーが現れた。
シルベの召喚で何とか難を逃れた。スワン、ユキメ、セイジ。
「シルベ! オオヅチさんをホーウッドまで戻してくれ!」
ロードが叫ぶ。
「わかった」
シルベはすぐさま召喚の陣を描いてオオヅチをホーウッドに戻した。
「うああああああああああ!!」
その時、翼人のネバーロングが叫びを上げた。空中でスカルワイバーンと一対一で戦っていたのだ。
「ギネさん! メイビスさん! 二人には骨のサメとクモを相手にして欲しい。頼めるか!?」
ロードが通信用の召喚陣で呼ぶ。
「了解した」「こっちは今忙しいけど、しょうがないな~~」
ギネとメイビスが了承する。
「――ミチル!」
ロードは青い剣を掲げて空中に飛び立った。一人で戦うネバーロングのところへ向かったのだ。
鉄人のメタールが動きを見せた。彼はそのフルメタルボディで眷属使魔の元へ突っ込んで行った。
迎え撃つのはスカルスパイダー。無数の細い骨を口から吐き出し攻撃して来る。
しかしメタールは鉄の身体を持っているから通用さなかった。それどころか骨を折って進んで行く。
メタールはスカルスパイダーの至近まで迫った。そして殴りつけようとした時、蜘蛛は飛んでメタールを踏みつけた。これでメタールはそのクモの重さで動けなくなった。
そこにトニーがやって来た。アサルトライフルを撃ちながらスカルスパイダーに勝負を挑む。
しかし、勝負にならなかった。アサルトライフルの弾丸はスカルスパイダーには通用せず、代わりに細長い骨を口から出され刺殺された。
「ごはっ! く、や、やろー」
死力を尽くしてアサルトライフルを構えるが、スカルスパイダーの非情な骨の攻撃になすすべなく死亡した。
この時、
(くっ、召喚に遅れた! もうホーウッドに転移しても助からない!)
シルベは一瞬の攻撃に能力が出遅れた。
そして細長い骨はシルベに向かってくる。そこに風人のカザナが現れ、手の穴から風を噴き出した。細長い糸は吹き飛ばされていった。
「気をしっかり、皆死は覚悟しています」
「分かってる(それでも助けたかった)」
シルベは自分の無力さに唇を噛み締めて責めた。
ロードは空中で一人で戦っていたネバーロングの助けに入った。スカルワイバーンの翼の鉤づめに赤い剣で対抗した。
「済まない」
翼人のネバーロングが言う。
「大丈夫か? 戦えるか?」
青い剣にぶら下がるロードが訊く。
「ガタガタガタガタ」
新たな敵を前にし、武者震いするスカルワイバーン。口から骨の槍を高速で飛ばしてきた。
ロードはその攻撃を赤い剣で軽くはじいた。しかし、弾いても追尾してきた。
(この骨、どこまでもオレを追って付いてく――――)
その時ロードに向かって骨の槍を次々と出していくスカルワイバーンだった。
「ミチル!」
飛ぶ斬撃は岩さえ斬る。そこでロードは骨を躱すではなく破壊する選択を取ったが、爆風が味方をしなかったのか……ロードの周囲に骨の槍が集中していた。とても破壊する時間はない。
その時、もう一人の援軍アーティモリが姿を現し、ロードをマントで包み込み、骨を弾く。
「今だ!」
アーティモリが叫ぶ。
「ミチル! 最速で飛ばせ!」
青い剣から飛ぶ斬撃が放たれ、スカルワイバーンの翼を斬り落とした。スカルソルジャーのいる地面に落下するスカルワイバーン。
「これで、空からの攻撃がなくなれば……」
ネバーロングが言う。
「皆も安心して戦える」
ロードが飛びながら言う。
「では、とどめを刺しに行こう」
アーティモリが提案したが、
「ガタガタガタガタ」
スカルワイバーンはスカルソルジャーの身体から必要な骨を奪って翼を再生させて飛び立った。
「「「――――!!!?」」」
三人はようやく理解した。敵は強大だと、
スワンたちの元にシーリアンが合流した。シーリアンは自慢の腕から放射されるウォーターカッターでスカルシャークを入り裂こうとしたが、水が底を尽きてしまった。
「スカルソルジャーとの戦いで水分を使い果たしてしまった」
「これ飲んで――――」
スワンがフラスコに入った水を渡す。
「ありがとう」
シーリアンは水分を補給する。
「妖術……雪ワラシ!」
雪女のユキメの術で数体の雪だるまが現れて、スカルシャークの元へ攻撃しに行くが全て噛み砕かれてしまう。
「来る!」
スワンたちが迫るスカルシャークに身構える。その時、
「道を開けて!」
水晶の秘宝玉所有者のメイビスが叫んだ。スワンたちは指示通りスカルシャークに道を開けた。
「クリスタルロック」
辺りに散らばった水晶の破片が小から大へ形を変えて、スカルシャークを刺し捕まえた。
「「「す、すごい」」」
「メイビスちゃんの占いは結構当たりますよ」
心強い味方メイビスが駆けつけた。




