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第500話 戦いに参加するのはハオストラ大会出場者?

 ロードたちはシスター・クレアの話を聞いて、この異世界を救うことにした。


 一方、ロードの記憶の手がかりを知りたがっていたミハニーツは、シスター・クレアの事実の秘宝玉の力なら思い出せると知り、救済に乗っかってみることにする。


 そして、教会から出たロードたちはそれぞれ武器の調整をしに別行動を取るところだった。


「じゃあ、オレは火薬とオイルの補充を……」


 ハズレが別れる。


「その辺の草でも食って腹ごしらえでもするか……」


 グラスが言いながら別れる。


「私は管理局のマニュアルでも読んで心を落ち着かせます」


 近場のベンチに座るドノミ。


「オレはどこか鍛錬できるところがないか探してみる」


 ブケンも立ち去って行った。


「私は水を汲みに行く、ロードついて来る?」


 スワンが言う。


「ロードは私と同じ剣士。剣の手入れをしに行かないと、研ぎ屋さんへ行こう?」


 ミハニーツが提案すると、スワンが少しむくれる。


「いや、オレはこの街を回ってみるよ。それから誰かが傷ついたときの為に応急手当のセットを探したい」


 ロードが提案を断る。


「そう、じゃあまた後で……」


 ミハニーツは立ち去った。


「何かあるの?」


 スワンは訊いてきた。


「何がだ?」


「ミハニーツさんとの間に何かあるの?」


「ああ、家族だと言われたくらいかな……」


「それだけ?」


「ああ、それだけ」


「そう、じゃあ私は行くから……」


 そう言ってスワンも立ち去った。


(さて、この街に傷に効く何かがあるといいが……)



 ▼ ▼ ▼



 ホーウッド・入り組んだ道。


 ロードが目的の応急セットを探していると見たことある顔に遭遇した。


 ハオストラ武闘大会でハズレと試合したダークエルフのメイダーだった。


「あっ、優勝者」


 メイダーもロードに気が付いたようだった。


「あなたもシルベに召喚されたのか?」


「うん、この異世界の話は聞いた? 何か私も役に立てないかと思って戦いに参加しようと思ったんだけど」


「魔界化しかけてるって話は聞いた」


「ぶしつけな質問だけど、シドウオガとの戦い怖くなかった? 生死がかかってる戦いに恐怖はなかった?」


「なかったと言えば嘘になるが、それよりも犠牲者を出さないことを優先したよ」


「そう、やっぱり強いんだ」


 メイダーはそう言ってその場から立ち去る。


「どこ行くんだ?」


「少し休憩して来る。話せてよかった優勝者」


 メイダーがその場から立ち去る。



 ▼ ▼ ▼



 ホーウッド・アーチの橋。


 橋の上を歩いていたロードは見知った顔を見つけた。


 その人物はハオストラ武闘大会でブケンと戦っていた聖職者のセイジだった。


 橋から眺めを見て憂鬱そうな顔をしている。


「セイジさん?」


 ロードは話しかけてみた。


「ん? ああ、優勝者の人か? キミもこの戦いに召喚されたんだね……当然か、だって優勝者だし」


「何か思いつめたような顔をしているが、どうしたんだ相談なら乗るぞ」


「うん、実はこの異世界の事情を知って戦いに参加することになったんだけど……あの大会で殆ど何も出来なかった僕が役に立つのかなって……」


「あなたの技は確か聖法だったか? 神様が作ったシステムで詠唱を唱えて異能の力を発揮するっていう技」


「そうだよ、でも魔物相手に実践するのは初めてなんだ。それにあの大会にも腕試しで出たのに結果は二回戦落ち、ショックだったよ」


「だけど、ブケンとオレの試合は見ただろう?」


「ああ、凄かった。凄すぎて自分の力が信用できなくなった。はぁ~~どうしたら強くなれるんだろう」


「オレも同じさ、あなたが羨ましいよ」


「えっ? 僕が羨ましい?」


「だって聖法って、神様がくれた力なんだろう? それを使ってバリアを張ったり、傷を治したり、日常生活で役に立ったり、秘宝玉とはまた違う特別な力だろ? オレは聖法を一つも習得してないからオレに出来ないことが出来て羨ましいよ」


「聖法に興味があるのかい?」


「ああ、ぜひご教授願いたいね」


「優勝者に言われると光栄だな~~わかった。もし僕がこの戦いで生き延びることが出来たら、キミにも聖法の基礎を教えてあげるよ」


「本当か!?」


「うん、だから頑張って大魔王を……あれ、僕元気を取り戻したかな?」


「セイジさん。一緒にこの異世界を救おう」


「うん」


 セイジは頷いた。


「おーい」


 その時、ロードのよく知る顔が見えた。


「ヴァーエン! キミまでこの異世界に来ていたのか!」


 ロードは驚いた。


「ロードがいるなら百人力だな。ん? もしかしてそちらさんはセイジ君?」


「初めまして」


 セイジがお辞儀する。


「なぁ、ヴァーエン。オレは薬屋のようなところを探してるんだが心当たりはないか?」


「薬屋? そいや~~見かけたな~~」


「どこだ? 案内してくれないか?」


「いいぜ、セイジ君もついて来いよ」


「うん」


 こうしてロードは新たなつながりを獲得していった。

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