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第489話 発動、真・麻鬼刀

 勇者ロード対魔王シドウオガの戦いは続いていた。


「ロードの全ての技が吸収されてるぞ」


 ハズレが言う。


「それだけじゃねーーヤツに斬りつけられるたび動きが遅くなってる」


 グラスが言う。


「ロードさん、ミハニーツさんとの試合で力を使い果たしたんじゃ」


 ドノミが不安がる。


「あの刀に掠るたび減速していくな」


 ブケンが言う。


「おそらくあの刀がロードの体力を奪ってる。斬りつけたものの力や攻撃を吸収していくのが、あの四本の刀の能力」


 ミハニーツが言う。


「ロードォ! 頑張ってーーーー!」


 スワンが叫ぶ。


 そうすると、観客席にいた人たちがスワンに釣られてロードを応援する。


「頑張れーーロード!」「勝って新チャンピオンになるところを見せてくれ」「魔王なんかに負けるなーー!」


 観客席からは次第にロード一択の声援が巻き起こっていた。


「「「ロード! ロード! ロード!」」」


「皆」


 ロードが呟く。


「素晴らしい……」


 シドウオガが言う。


「何だって?」


「これほどの歓声を浴びるおぬし、そして勝てば観客を皆殺しにする拙者、これこそ魔王、これこそ拙者の存在意義」


「どういう意味だ……?」


「つまりおぬしが拙者に勝つしか皆の衆の命はないと言ことだ!」


 その時、魔王シドウオガから凄まじい闘気が場を支配。


(なんだ? 何を仕掛けてくる)


「おぬし、拙者の弟アグロ―ニを倒したそうだな……だったら麻鬼刀の効力は知っているな?」


「確か力を吸収してそれを自分の――――まさか!?」


「そのまさかだ!!」


 シドウオガは刀を一振りした。そして刀からミチルと同じく飛ぶ斬撃が放たれた。


(オレと同じ技!)


 ロードは咄嗟にミチルのいる青い剣を振る。すると飛ぶ斬撃が生まれ、シドウオガの斬撃と相殺されていく。


「反応は衰えていないな……ならばこれならどうだ!」


 シドウオガが刀を一振りする。すると巨大な飛ぶ斬撃が放たれロードに向かう。


 この時ロードは回避に専念しようと思ったが、身体が自由に動かず、しかたなくミチルの力で相殺することにした。


「――――ミチル!」


 しかし、巨大な飛ぶ斬撃は、ミチルのような小さな斬撃を消し飛ばし、ロードに向かって迫りくる。そして――


 ロードは斬撃を食らい宙を舞った。ドサッと背中から地面に落ちるロード。


「――――がはぁ!!」


 身体中に大ダメージを受ける。


「まだ戦い慣れしていないようだな。弟の麻鬼刀を見ているのなら吸収した力を逆に自分の物にするのだ」


(そうだった……)


 ロードの腕から血が滴る。


「ではもっと面白い物を発動させよう。砂起こし!」


 シドウオガが刀を振ると、砂が巻き散らされ土煙を起こした。ロードとシドウオガを包んで行く。


「何だこれは!?」


 その瞬間ロードはシドウオガの殺気を感じ、刀を躱した。しかし、四本もある刀をそうそう躱せることもなく。いくつかのかすり傷を作り。おまけに体力まで奪われていく。


「くっ――――!!」


 ロードは何とか土煙の中から脱出した。


「お前の力はここまでかロード!」


 刀を振るった威力の風圧が土煙を晴らしていく。


「何だその力は?」


「さっき見ていたはずだ。拙者が地面と空気を斬りつけているさまを。地面を吸収し土煙を起こし、空気を吸収し風圧を生む。これが拙者の力だ! そしてこれも返してやろう!」


 魔王シドウオガが刀を振るうすると、今度は炎がロードに襲い掛かる。


「ロード――相殺する! 振れ!」


 ロードはアカの言う通り剣を振った。すると炎が吹き荒れ、シドウオガの吸収した炎が相殺されていくが、炎は一瞬にして消えた。シドウオガが真麻鬼刀でまとめて吸収したのだ。


「ヌハハハハハハハ! 何をしても拙者の秘宝具には勝てぬ!」


 シドウオガが走って来ていた。それを迎え撃つロードは切れ味を失った剣で応戦する。


「見よ! 聖法のバリアを!」


 その時、刀から聖法のバリアが出現し、ロードの剣を止める。


「無駄だ。このバリアも戦い前、ここに入場したときに切り裂いて奪った力、切れ味のない秘宝具も精霊の剣も通らぬ」


(――――!!!? なす術なしか)


 ロードは今度こそ距離を取る。


「ロード我にいい考えがある耳を貸せ!」


 アカが言う。


「まだそれだけ動けるか流石強者!」


 シドウオガがミチルの斬撃を次々に飛ばしてく。そしてロードはそれらをギリギリに躱していく。


「――――そうか、それなら勝てる!」


「どうしたもっと走れ! 勝負はこれからだ」


「悪いが魔王シドウオガ……お前はここまでだ」


 ロードが赤い剣を掲げる。そしてそれは光を帯び、長大な光の剣の姿へと変わっていく。


「ふん、またまた見せてくれる。それがおぬしの切り札か?」


「ああ――これまでだ魔王シドウオガ」


 ロードは光の剣を真っ直ぐシドウオガに振り下ろした。しかし、シドウオガの四本の剣が上に構えられそれ阻む。


 だが、光の剣は消えた。吸収されたわけではない。ロードが故意に消し、四本の真麻鬼刀の軌道を通過すると、再び光の剣が出現し、


「なっ――――――!!!?」


 魔王の四本の刀の壁を突破して魔王シドウオガに光の剣がズバンと直撃する。


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