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第488話 ロードの猛攻

 ロードVSシドウオガのデスマッチが始まった。


「正真正銘の命を懸けた真剣勝負だ」


 テンションの上がる魔王シドウオガ。


「(――――一瞬で終わらせる!)ミチル連撃!」


 青い剣から飛ぶ斬撃が連続して飛んで行く。


「ヌハハハハハ! 面白い攻撃だ! だが、真麻鬼刀の力を教えたはずだ!」


 魔王シドウオガが刀を振る。そして連続で迫りくる飛ぶ斬撃は刀に触れると消えていく。


(消えた――――!?)


「先ほど言ったばかりだろう! この真魔鬼刀は切ったものを吸収するのだ!」


 飛ぶ斬撃が消えていく。それは、刀に触れていたからだった。シドウオガの振るう剣が、ミチルの飛ぶ斬撃を次々と吸収していく。


(ミチルの攻撃を一瞬で吸収したのか!?)


「――――はぁーーーーーーーー!!」


 魔王シドウオガは謎の行動に出た。


「おっと、シドウオガ選手地面を四本の刀で斬りつけていく!」


「何か意味があるのでしょうか?」


 地面だけではない。空中の何もないところにも斬撃を放つ。そして振ってもそれは決してロードのところまで届かない距離だった。


(刀で地面や空気を斬りついている? 何がしたいんだ隙だらけだぞ)


 ロードは青き剣の切っ先を真正面にいたシドウオガに飛んで突き刺しに行く。


「フン!!」


 シドウオガが四本の手に掴んだ刀を振り抜いて、青い剣の切っ先の攻撃を受け止めた。


「四本同時にガードか、だが――――」


 ロードは赤い剣でシドウオガを突き刺そうとする。


 そして赤い剣はシドウオガの横腹を斬ろうと迫るが、四本の内の一本の剣がその剣を阻止する。


「二刀流なのはいいが、片手片手で、あまり力がこもっていないぞ。失策だな」


 シドウオガはニ本の刀を振り上げて、ロードの頭の上から振り被る。そして振り下ろす。


 その瞬間ロードはシドウオガに止められていた剣を引き戻し、上から迫る二撃を両手の剣をクロスさせることで受け止める。しかしその隙に、四本の剣の内、二本の解放された剣が両側から迫る。


「――――馬鹿め! ここは受け止めるのではなく引くべきだろう」


「そうかな――ミチル!」


 ロードはシドウオガの至近距離でミチルの飛ぶ斬撃を発動させた。すると真麻鬼刀が力を吸収する前に爆発した。


 ロードは上から来たシドウオガの刀をはじき返し、懐に入り込む。そしてシドウオガを斬る。


(――――!! 何だこの手ごたえは!?)


 ロードは両側から来る刀の剣技を後ろに下がって躱す。


(おかしい、今確かに魔王の身体を斬ったはずだ! 外してない――受け止めた? プロテクトオイルでも塗っているのか?)


 ロードは中距離からシドウオガの様子を見る。


 シドウオガは四本の真麻鬼刀で地面を切り裂き、空気を切り裂いていく。


(確かに当たったはずだ。肉体にめりこむ感覚はあった。なのにどうして斬れなかった。赤い剣は聖法さえ切り裂くと言われて禁止もされていた。今の二撃が効かないとは思えない)


 シドウオガは相変わらず地面や空気を斬っている。


「疑問があるような顔をしているな」


 シドウオガが話しかけてくる。


「――――何かしたのか?」


「ヌハハハハハハハ! 思い当たらんか!? 拙者の真麻鬼刀は力を吸い取る。それは剣戟だけにあらず、切れ味も奪っていくのだ! その剣ではもう拙者は斬れん! 諦めて死ね」


(――――切れ味が奪われた!? じゃあこの剣ではもう切れないのか?)


「どうやら状況は理解したな……さてここからどうする。お得意の体技に頼るか?」


 ロードは後ろへ下がって、ミチルの飛ぶ斬撃で攻撃する。


 一撃、二撃、三撃、四撃、五撃、六撃、七撃、八撃、九撃、十撃と連続で放って行く。


 シドウオガが四本の刀を振り回して、全ての飛ぶ斬撃を吸収した。


「――――くっ!(吸収される! 隙もない)」


 その時ロードに声が聞こえて来た。


「ロード、ロード! どういう状況だ!」


 赤い剣から声が聞こえて来た。


「アカか、今ちょうど戦闘中なんだ! 眠った方が――――」


「何ぃ、相手はどんな奴だ!?」


「あのオレの故郷で会ったアグロ―ニの兄だ!」


「兄だと? あやつにそんなものがおったとは……」


「現に今目の前にいる見えないか?」


 ロードが言うと、赤い剣のひらめきにアカの瞳が映る。そして目の前の敵を見る。相変わらず地面と空気を切り裂いていた。


「奴の名は?」


「魔王シドウオガ!」


「そうかならばロード我を使え!」


「どういう意味だ?」


「何、我が封印されている剣をヤツに向けて振るだけでいい」


「どうにかなるのか?」


「無論だ」


「分かったやってみる」


 ロードは赤い剣を構える。


「今度は赤い剣で何をしてくる?」


「アカ――――! 頼む!」


 ロードはアカの封印された剣を振るう。その時、竜封じの剣から灼熱の炎が吹き荒れた。向かう先は魔王シドウオガ。


「今度は炎か――――面白い」


 シドウオガは向かってくる灼熱の炎を四本の真麻鬼刀を振って吸収した。


「何!? 炎が消えた!?」


 アカが驚く。


「アカ!」


 ロードが焦る。


「どうしたもう手品はお仕舞か?」


 地面と空気を切り裂いていくシドウオガが挑発して来る。


「まだだ極体!」


 ロードは生命力を身体向上の力に変えて体中から黄色いオーラを発する。


「はぁーーーー!!」


 その足のスピードは獣のように速く、そしてその拳は岩のように固く魔王シドウオガに入る。


「ガハッ!!」


 魔王シドウオガが片膝をつくが、反撃の真麻鬼刀を四本突きの構えでロードに差し向ける。


 ロードは剣を避けて行くが、流石に数が多いため肩や、太もも、頬に、横腹、腕にまでかすり傷を付けていく。


 そしてロードは異変に気付く。身体が重くなっているのだ。極体を使用しているにもかかわらず。


(そうか――――この刀、オレの体力も血も吸収しているのか!)


 ロードはそれに気が付いた瞬間、またも中距離を取る。


「さてと、準備はこれくらいでいいだろう。次は拙者が斬りこむ番だ」


 四本の腕に、四本の真麻鬼刀を構える魔王シドウオガだった。


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