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第470話 ロードVSサイボーグのターカウス

「ふぅ……」


 ブケンが西門にから出て来たっところだった。


「勝ったようだな……」


 次の試合の為、受付で待っていたロードが言う。


「聞いたか? オレの修行の成果」


 ブケンが訊く。


「衝撃の秘宝玉……どうやって手にした?」


「オレと試合になるようなことがあたら教えてやる」


 ブケンはロードの肩に手をポンポンとおいて立ち去って行った。


「さぁ! それでは次の試合です! Dブロックロード選手対ターカウス選手です! さぁ入場門が開きますよーー!」


 ロードは開いた東門から会場に出る。


 そうすると、


「「「ロード! ロード! ロード!」」」


 観客たちが声を合わせた。


 続いてターカウスが出てくると、


「「「ターカウス! ターカウス! ターカウス!」」」


 観客たちが声を合わせる。


 ロードは前へ進む、すると徐々に対戦相手の正体が見えて来た。


「何だその姿は……」


 ロードは見た。ターカウスのメタリックボディと口元をマスクで隠したスキンヘッド、身体中に武器を仕込める箇所があった。


「自分はいわゆるサイボーグ。初めましてロード」


「ああ、ああ、初めまして……」


 ロードとターカウスが会話する。


「礼!」


 審判が言う。


「さぁ、注目の一戦です!」


「ターカウス選手もまた優勝候補です」


(この人が優勝候補、今までの対戦相手とは違うか……)


 ロードが剣の柄に手をそえる。


「始め!」


 審判が赤旗を振り下ろす。


 ロードは一瞬の内にターカウスと距離を詰めた。


 青い剣で首元を狙う。だが、ガキンという音がした。まるで鉄に接触するような甲高い音だった。


「ノーダメージ!」


 審判が言う。


「何!?」


 ロードは驚いた。


「言ったはず自分サイボーグ」


 ロードに拳を振るうターカウス、しかしスピードは常人くらいだったのですぐ避けられた。


(……よく見ると肌が日の光で輝いている部分と生身の肉体のような部分がある)

(試してみるか……)


 今のロードに赤い剣はない。青い剣一本。


 ロードはまたも光るボディに攻撃を加えようとした。


「利かな――――!」


 右からの攻撃だった。瞬間ロードは右手で持っていた剣を左手に持ち替えて、左から生身の部分に攻撃を加えた。


 その衝撃でターカウスは身体のバランスを崩し膝をつく。


「ロード一点!」


 ロードはその場でくるりと回っていた。左手の剣を右手に持ち替え、再び生身の部分へと攻撃を加えた。


「ロード二点!」


 ロードの追撃は終わらない。ターカウスは手を伸ばしてロードの剣を掴もうとしていたが、ロードは剣を弄び右手から左手に移行、ターカウスの手を躱し、左手からの人たちを浴びせた。


「ロード三点!」


 審判が言う。


「おおっと、早くもロード選手は三点先取! これは早くも勝負が決まってしまうか!?」


「ロード選手はここまで完全試合で終わらせています。優勝候補のターカウス選手が苦戦するのも無理はないでしょう」


 ロードは左手に持った剣から右手に持ち替え、うまくターカウスを翻弄しダメージを与えて行った。


 しかし、見切ることの難しい剣技を前にターカウスは青い剣を完全に見切り掴んだ。


「――――!?」


 そしてロードを捕まえたに等しい状態から、剣を掴んだ右手の腕から、仕掛けてあったいくつかの銃口を出し纏うように変形した。ロードは知らなかったがガトリングという銃器の名称だった。


「もう、この目がロードの動き、見切った」


 ターカウスの目を見ると奇妙なことに数字が流れていた。


「お前はいったい何者なんだ?」


 ロードが訊くが、ガトリングから容赦なく弾丸が発射されていく。ダダダダダダダダダダダダダダダダッと続けざまに何発も何発も発射されていく。


「ターカウス一点!」


 審判が言う。


「出ました! ターカウス選手のガトリング攻撃! 流石のロード選手もここで完全試合は消え去りました!」


 実況が言う。


「しかもターカウス選手、ロード選手の変則的な攻撃を完全に見切りました。これは厳しいです」


 解説が言う。


 ロードが腹部に弾丸を食らい続けてもプロテクトオイルで打撃に変わる。意識も消えていない。しかしロードの剣はターカウスに掴まれたまま、続くガトリングの攻撃が来る。


「ミチル!」


 そしてロードは続くガトリングを避けるため、ターカウスの右手から飛ぶ斬撃を放ち爆発させる。


「ノーダメージ!」


 審判が言う。


「鉄の腕か……」


 ロードは何とか剣をターカウスから取り戻し間合いを取る。しかし爆煙の中からガトリングの弾が飛んできた。


「――――何!?」


 ロードは弾丸の軌道を見た。そして剣でガトリングの弾丸を弾いていく。しかし驚いたのはそこではない。


(爆煙の中からオレの居場所を正確に知って攻撃してきた。あの眼か……あの数字の流れる目でオレの攻撃を見切ったり、爆煙の中からオレを見つけ出しているのか……?」


 ロードは爆煙の中へ飛ぶ斬撃を放った。


「ノーダメージ!」


 審判が言う。


(鉄の腕で受け止めたってところか……)


 次第に煙は晴れたてターカウスの姿がさらされる。


 ロードは二撃、三撃、四撃、五撃と飛ぶ斬撃を放つが全て右手で受け止められる。


「ノーダメージ!」


 審判が言う。


 そしてターカウスは動く。機械で出来た足の裏からローラーを出現させ遠回りにロードの様子を見る。そのスピードはロードと同等だった。


(なんだアレは……鉄の塊があんなに早く動けるのか)


 ロードは動いた。そして飛ぶ斬撃を幾つか撃つが、躱されたり、受け止められたりしていた。


「ノーダメージ!」


 審判が言う。


 ターカウスがロードの方向に近づいて行く。しかも、飛ぶ斬撃が当たらないようジグザグに迫ってくる。


 ターカウスが右手を上げて、肩から照準器が出てきて覗き込んだ。そして右手の手のひらを開いて中心の穴を開く。


「――――!?」


 ロードは走ったままやり過ごそうとしていたが、


「レーザービーム!」


 ターカウスの手のひらからレーザービームが発射された。


 ロードは光の速さにも等しい光線がロードに直撃した。同時に爆発する。


「ターカウス二点!」


 審判が言う。


「ロード選手食らってしまった! 流石に避けきれなかったか!?」


「ターカウス選手も今までの試合では見せなかった攻撃をしていますね」


 実況と解説が話す。


 ターカウスが動きを止める。


 ロードの方は片膝をついていた。


(…………強い)



 ▼ ▼ ▼



 観客席。


「あのロードが……」


 スワンが呟く。



 ▼ ▼ ▼



「片膝をついた……」


 ハズレが呟く。



 ▼ ▼ ▼



「情けねぇ」


 グラスが呟く。



 ▼ ▼ ▼


「ロードさん、相手が悪すぎます」


 ドノミが呟く。


 それぞれがロードの苦戦を見ていた。


 ロードとターカウスの試合は続く。


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