第446話 4ブロックに分けられて
ロードたちは契約書に署名して番号札を受け取った。
そして長蛇の列が無くなり、番号札を持った者たちが辺りに溜まっている。
ロードたちも溜まって自分たちが渡された番号札の話をしていた。
「今に分かる」
ブケンがそう言う。
その溜まり場に4人の役員が門の前に並ぶ。
「はいはーい、ハオストラ武闘大会への参加者の方々ちゅうもーく!」
茶髪の女性役員が言う。
「これよりーー本戦出場の為のーー予選を行いまーす」
ツインテールの女性役員が言う。
「番号札をお持ちの方はその番号をよく見ながらきいてくださーい」
ショートカットの女性役員が言う。
「今回の参加者は約5000人です。皆様一人一人をトーナメントすると何日かかるか分からないのでそのための予選を行います」
天然パーマの女性役員が言う。
「1番から1250番の方は私の列へ並んでくださーい。4列くらいに並んでくれると移動時間が短縮されるのでそうしてくださーい」
茶髪の女性役員が言う。
「1番からか……635番だ。並んでいくよ」
ハズレがその場から立ち去る。
「頑張ってハズレ」
スワンが声を掛ける。
ハズレが後ろ姿のまま手を振っていた。
「並びましたねーー、それではいきまーす」
1番から1250番の選手たちがゾロゾロと門の奥へと入っていく。
「ではーー1251番から2500番の方お並びくださーーい」
ツインテールの女性役員が言う。
「1789番、グラスさんの数字ですよ」
ドノミが言う。
「何だどうすればいい……?」
グラスが訊く。
「並んでついて行けば分かる」
ブケンが勿体ぶって言う。
「まぁいい、行ってくる」
「グラスいつもみたいに大暴れしてーー」
スワンが声を掛けるが無視される。
「それじゃあ行きまーす」
グラスの並んだ列が門の奥へと出発する。
「それでは、2501番から3750番の方ーー並んでくださーい」
ショートヘアの女性役員が言う。
「3482番、オレの出陣か」
ブケンが前へ進む。
「えっと、2769番。私もですね。それでは行ってきます」
ドノミが言う。
「行ってらっしゃい」
スワンが挨拶する。
「それでは行きますよーー」
ドノミとブケンの列が女性役員について行く。
「それでは最後のあまりものの皆さん並んでくださーい」
天然パーマの女性役員の前にゾロゾロと並び始める。
「ロードなら心配いらないよね……?」
スワンが余裕の表情で訊いてくる。
「予選突破を祈っていてくれ」
ロードが言うと列に並んでいく。
「それでは出発しますついて来てください」
ロードたちはそれぞれバラバラではあったが、門をくぐってハオストラスタジアムの中へ向かった。
▼ ▼ ▼
螺旋階段。
そこは蝋燭で灯されていた。
4列になった武闘大会の参加者の足音しか聞こえてこない。
階段を下っているのだが、足元が前の人の背中で見えづらかった。
(どこまで行くんだ? この下に何があるんだ?)
「みなさーん、ここでシャワーを浴びてもらいまーす」
傘を広げた天然パーマの女性が言う。
(何でシャワー?)
「ここのシャワーに浸らないと予選大会で大変なことになります。例えば剣を使う相手がいるとしましょう。その相手に斬りつけられたら、大惨事ですよね? しかしこのプロテクトオイルシャワーを浴びるとあらゆる攻撃が打撃となり、斬りたくても斬れないような身体になります。ですので、これからの対戦に備えてしっかりとシャワーを浴びてください」
(そんな、技術があるのか……)
ロードたち出場者は服の上からシャワーを浴びる。不思議と濡れた感覚やぬるぬるとした感触はない。
(不思議なオイルだ)
「それでは皆さんついて来てください」
(思っていたより安全な大会かもしれない)
ロードがそんなことを考えていると、目的の場所はすぐそこだった。
▼ ▼ ▼
真四角の空間。
中央に円型のスタジアムがある。
「えっと、皆さん予選会場に着きました。これよりルール説明があるのでよく聞いてください」
天然パーマの女性役員は壁際の方へ退避した。
そして、気取った格好をしたマイクと呼ばれる機械を持ったおじさんが出て来た。
「皆さん、この度はハオストラ武闘大会に参加いただき誠に頼もしい限りです。さて、すぐにでもトーナメントを始めたいのですが、どうにも毎年毎年数が多い。そこである一定数の参加者にまで減らして本戦を始めたいと思います。具体的な数は皆さん約1250人の中の67名です」
ざわざわと地下予選上に集まった異世界の参加者たちがざわめく。
「さて、予選のルールですが、正面のステージをご覧ください直径50メートルの円のスタジアム。ここから出てしまえば失格という、とてもシンプルなルールです。ただしここでは契約書に書かれた一切の能力や秘宝玉の力は禁止させてもらいます。万が一使った場合はその場で失格とさせていただきます。ここで一つお知らせが、この真四角の天井の4つの角には監視カメラが仕掛けてあり、67名になった時点で終了の合図を教えてくれます。それまではいかように暴れても誰も何も言いません。最後に一つ武器の使用は許可されています」
ざわめく参加者たち。
「それでは皆さん。会場におあがりください」
番号札を持った選手たちが続々とスタジアムに上がっていく。
(オレの今の実力だと、どこまで行けるだろう……?)
ロードはそんなことを考えながらスタジアムに立った。
周りは松明や篝火に照らされてまさしく地下空間を表していた。
「それでは、67名になるまでスタジアムから退場させる予選の開始です!」
マイクで叫んだおじさんの声を聞いた参加者たちが目の色を変えた。
予選の始まりだった。




