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第390話 真夜中のホラー系

 真夜中の空き家。

 ロードが水を探しに一時間。

 スワンを見守るトンガリが眠りにつこうとしていた。


「おっ! ダメだ! ダメだ! 寝たらレベルダウン」


 トンガリは目をパチパチさせる。


 この時、

(暖炉の火怖いな~~消しとこ~~)

 暖炉の火を消し、

(暗いな余計怖くなっちゃったよ~~)

 トンガリはそう思っていた。


 スワンは息を切らし、大きな葉っぱを持って仰ぐトンガリ。


 その時――


「アーーーー」「アーーーー」


「何? スワン起きた?」


 トンガリがスワンの方を見る。


「……………………」


 何の返答もない。


「変な虫でもいるのかな……?」


 ゾゾゾと背筋の凍り付くトンガリ。


「アーーーー」


「――!? 外の音、外からだ……何だろ!」


 トンガリは窓の方へ向かった。そして外を見る。


「――――!!!?」


 何と外には異形なスライム達が集まっていて今にもこの空き家に入ってこようとしていた。


「アーーーー」「ウーーーー」「アーーーー」


 異形なスライム達は仮面を被ったり、目玉が飛び出したり、口がゆがんでたりしていた。


「あ、あっ、あああ」


 窓の外を見たトンガリはわなわなしていた。


「何あれ何あれ……逃げよ、逃げよ――あっ! スワンが!」


 スワンは苦しそうに寝息を立てていた。


「あ~~~~」


 外から不気味な声がした。


「――――っ!?」


 声にビックリするトンガリ。


「えっとえっと……どうしたらいいんだ、どうしよ」


 その時、

(何があってもスワンから離れず守り切るんだ)

 ロードの言葉を思い出した

(そうだ……じっとしてなきゃ)

 トンガリは行動する。

(スワンを隠して……)

 トンガリはスワンの顔を布団で隠す。

(つぼを扉の前に)

 トンガリは空き家に在ったつぼを押していた。


「う~~重い~~」


 ススス~~と進んでいくつぼ。


「アーーーー」「ああ~~」


 外からの声がだんだん近くなってくる。


「早くしない……と……」


 つぼを押し込むトンガリ、しかし力を入れすぎたのか、バランスを崩しつぼはゴトッと倒れた。


「――――ひっ!!」


 トンガリがビビる。


「アーーーー」「アーーーー」


「――――!!」


 トンガリが窓の外を見ると、不気味なスライム達が大勢やって来ていた。


 この時、

(き、来たーー! どうしよ)

 トンガリは考えた。そして、

(もうこの中に入って隠れよう)

 倒してしまったつぼの中に入り、ふたを持って隠れる。

(う~~~~、怖いよ~~~~)

 トンガリはつぼの中へ閉じこもった。


「ああーー」「あーーーー」


 外から声が聞こえてくる。間違いなく異形なスライム達のものだった。


 この時、

(うう……うう……来ませんように、来ませんように、うう、ごめんなさい。もう友達のことを忘れない、いいスライムになるから~~)

 トンガリは神頼みしていた。


「う……う……」「あああ~~」「ああ……」


 明らかにスワンのうめき声ではない声がトンガリには聞こえていた。


 コンコン……ドアをノックする音。


 この時、

(ひぃ!! いないよ! 誰もいないよ! 早くあっち行ってーー!)

 トンガリは泣いていた。


 そしてギィーーーーッと扉が開く音。


「ああああ」「あああああ」


 この時、

(うわっ! は、入って来た! 来たよね! どうしよ、つぼの蓋開けませんように、開けませんように)

 トンガリは願っていたが大事なことを思い出す。

(あっ、待ってスワンが、どうしよ、開いたらあいつらに見つかっちゃう。でもスワンが……)

 トンガリは意を決して、蓋を開けることにする。

(大丈夫だよね、もう帰ったよね)

 トンガリが見るその先には、


「ああ~~」「ああーー」


 スワンのベッドの周りに集まる異形なスライムを見た。


「――――!! (オレはレベル28なんだ。きっとやれる)」


 トンガリはつぼの中から堂々と出た。


「ス、スワンから、は、離れろ!」


 ゴ、ゴクンと息を飲むトンガリ。


「アーーー」「バァーーー」


 振り返るは様々な不気味な顔をしたスライム達だった。


「――――!! (じっとしてなきゃ!!)」


 そのあまりの不気味な顔ぶれに気絶しそうになったトンガリだが、声にならない叫びが顔に出ていた。

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