表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
376/937

第376話 アニマル系スライムの感謝

 暴れるスライム達を手分けして気絶させていくロードたち。


 バシンバシンとロードは襲い掛かるスライム達を手で払い退け気絶させていく。


 牛型の大きなスライムがロードの背後を取ろうとしていた。


 その時、ゲシッと牛型のスライムがハズレにけられた。


 藁の家を潰して倒れる牛型スライム。


「やぁロード」


「ハズレ、済まない飛び出してしまって……」


「もういいさ、それにこっちの道の方がやっぱりいいな」


 背中合わせの二人の元に暴れるスライムたちが来る。


「「「があああああああああああ!!」」」


「半分任せる……」


「おやすい御用さ」



 ◆ ◆ ◆ ◆



 フーサ村外れ。

 ドノミさんがぽつんと立って、状況を整理していた。


「――こんなにたくさんのスライムの記憶は消せない。どうしよう、マニュアルに書いてないことしないでよ」


 その時、上空を飛んでいた一羽の鳥が目に入る。それはドノミさんの上でくるくるまわっていた。


「伝書鳥?」


 足に掴んでいた紙をドノミさんに向かって落とす鳥、役目を終えてどこかへ飛び出して行った。


 紐にくくられた紙を受け取るドノミさん。


「拠点からの緊急報告!? まさか……もうこの事態を知って……対処法を……」


 ドノミさんは報告書をすぐに読み上げた。


「――――!? ……そういうことですか……」


 ドノミさんが納得した。



 ◆ ◆ ◆ ◆



 フーサ村。

 ロードたちはやっと鎮まった村の中央に集まっていた。


「やっと鎮まったな」


 ハズレが言う。


「酷い光景だけどね……」


 辺りは気絶したスライムでいっぱいだった。


「このぐらいで情けねー奴らだ」


 グラスが言う。


「みんな来てくれてありがとう」


 ロードがお礼を言う。


「よしてくれロード」


 ハズレが照れる。


「いえいえ……」


 スワンが手を振る。


「フン」


 グラスがフードを被る。


「クパパパパ」


 ドルちゃんが鳴く。


「ロード! オレも手分けできた!」


 トンガリが足元にやってきた。


「大丈夫だったか?」


 ロードはそのまま腰を下げてしゃがみ込む。


「4匹倒したぜ……」


「そうか、じゃあ15レベルだな」


「そうだ! そうだよ!」


「やったあーー! レベル15だぁ!」


 大喜びのトンガリだった。


「あ、あの~~」


 ロードたちの背後からアニマル系スライム達が現れた。彼らは暴走しなかったスライムである。


「誰なんだ?」「知らないけど助けてくれた~~」「ありがとう」「親切にありがとう」「怖かった」「おかげで皆怪我しなかったよ」


 アニマル系スライム達がそれぞれお礼を言う。


「助けになってよかった」


 ロードが安堵する。


「聞きたいんだが何が起きた? どうしてこんなことになったんだ?」


 ハズレが訊いてみた。


「?」「分からない」「分かるか?」「こんなこと今まで起きたことないよ」「みんなどうしちゃったんだろ」


「ドノミさんの言ってた通り、異常は起きてたんだ」


 スワンが呟く。


「誰か何かわからないか!?」


 ハズレの問いかけにざわめくアニマル系たち、しかし答えを持つ者は一匹としていなかった。


 この時、

(ドノミさんに調査って言った手前、納得できる理由が欲しかったが……無理か)

 ハズレは気を落とした。


 ロードたちはその場から立ち去ろうとした。


「あ、あの、皆さんどちらへ」「どこ行くんだー」「ぜひ御礼を」


「悪い急いでいるんだ」


 ロードが背中越しに言う。


「せめて名前だけでも」「誰~~」「教えて~~」


「ロードだぁ!」


 ロードは自分の名前だけ言ってその場を後にする。


「いいの言って……」


 スワンが訊いてくる。


「記憶は消されるんだろ?」


 ロードは言う。


「どうだろうな」


 ハズレが考える。


「やっぱりまずかったか?」


「「全然」」


 助けてくれてありがとう、ロードさーん、ありがとー、いつまでもお礼を言うアニマル系たちだった。


「やっぱ助ける方だと気分がいい」


 スワンが口にした。


「ならねーな」


 グラスが否定した。


「損してる! 私はグラスが手伝ってさらに2倍気分がいい」


「さて、こっちはどうしようか」


 ハズレが目の前の難題に直面した。


 フーサ村外れ、彼女と再会する。


「先ほど私たちの拠点から緊急報告がありました……不法入界者4名の侵入を検知しています。なので皆さん、拠点まで同行してもらいます。はむかうなら力づくで……これは規則です」


 鉄の棒を構えたドノミがそう口にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ