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第321話 潜入、天翔木馬トロイア内部

 ロード、ハズレ、スワンを乗せた赤き竜アカがはばたく。


「行くぞ」


 森の中から体長10メートルの巨竜が姿を現す。


 はばたき飛び立つアカ、目の前に魔物たちが立ちふさがる。


「邪魔だ!!」


 アカが灼熱の炎弾を放つと魔物たちは、消え去りぽっかりと穴が開くように道が出来た。


 その道をアカが突っ込んで行く。


「す、凄い」


 ハズレが一撃で50は通したであろう魔物たちを前にアカを称賛した。


「アカ!! あなたって強いんだね!!」


 スワンも驚くべき攻撃に賞賛する。


「今の力は全盛期の2割だがな。それにすぐまた寝る。目標に辿りついた後は頼んだぞ」


 アカは全長約200メートルの天翔木馬トロイアを視界に捉え取りついた。


 その間アカに向かって盗賊団の矢が飛んできたが、それを翼をはばたかせることではじき返す。


「アカ!! 流石だ!!」


 ロードが久しぶりのアカの暴れっぷりを称賛する。


「そろそろ着くぞ」



 ▼ ▼ ▼



 森の中。


「ハッ、聞いてはいたが、アレが竜か……すげーなアイツら、飛んでやがる」


 戦いながら黒い影が通り過ぎたのでリョウは上を見上げてロードたちを称賛した。


 その時、天翔木馬から一体の魔物が降りてきた。


「「「――――!?」」」


 盗賊一同はズドンと降りてきた魔物に戦慄する。明らかに他の魔物より威圧感があった。


「コケコケコーーーー!!」


 魔物たちを率いるのはニワトリ人間、トゲコッコーだった。


「オレに続けーーーー!! 野郎共!!」


『『『おおおおおおおおおおおおおおお!!』』』


 盗賊たちと魔物たちの大地に上での戦いが今始まる。



 ▼ ▼ ▼



 トロイアに近づいて行ったアカが炎弾を放った。するとトロイアの背中に穴が出来て、アカはそこへ憑りつく。


 アカがトロイアの背中に憑りついたことで、トロイアの内部に入り込むロードたち。


「我の仕事はここまでだ。あとは任せる」


「ああ、任せておけ」


 そういうとアカは竜封じの剣に戻って行った。剣を鞘に納めるロード。


「オレは魔王の居そうこの木馬の頭部を目指す。二人は捕まった人たちを助けてくれ」


「分かった――行くぞスワン」


 ハズレが走り去った。


「ロード、気を付けて……」


 スワンも走り去った。


 一人になったロードは上へと向かう。


「今度は何だ」「爆発か!!」「人間共め!!」「トロイアになんてことを」


 ロードが走っていると複数の魔物の軍勢が押し寄せてきた。


 通り過ぎるように魔物を蹴散らし、霧散化させるロードはまさに天下無双だった。


「「「ああああああああああああ」」」


 この数秒で10体の魔物を葬り去った。


「わぁーーーー!!」「乗り込んできた」「トロイアに侵入者だ!!」


 天下無双のロードが魔物たちを二本の剣で斬りつけていく。


「ぎゃあああああ」「あああがあああああ」


 霧散化していく魔物たち。


(魔王がいるのはどうせ、外の景色の見晴らしい木馬の頭部、近辺だろう……このまま背中から直進する)

(魔王を欲深き溝に突き落とす)

(それで戦いは一瞬で終わる)

(グラスも皆も救える)

(そして頼むぞ、ハズレ、スワン、早く人々を解放してくれ)


 ロードは迷わずトロイアの頭部目がけて直進した。


 

 ▼ ▼ ▼



 トロイア内部。

 トロイアの内部は梯子や通路でいっぱいだった。


「よし、潜入は成功だ」


 ハズレが物陰に隠れて言う。


「それじゃあハズレ先に行くからついて来て……」


 水雲鳥になったスワンはいう。魔物に見つかりにくくするために変身したのだ。


「これがトロイアの内部。通路だらけじゃないか」


 上も下も右も左も通路だらけだった。


「この方が進みやすくていい。今は急いでるんだから……」


 スワンが華麗に下へと移動していく。


「確かに……」


 そのすぐ後を追うハズレは通路から飛び降りて、別の通路へと足を乗せる。


「ロードが囮になってトロイアの魔物を全部引き受けている内に私たちは燃料にされている人たちを助ける。人の気配が大きい場所……下の方にいるはず」


 スワンが移動速度を速める。


「木馬の腹部か……さっさと役目をはたしてロードの方へ行かないとな、この方法しかないとしても不安が大きい」


 ハズレはスワンの後を追う。


「――――敵!! 隠れて!!」


 スワンが突然言う。


「――――!?」


 通路に置いてあった物陰に隠れるハズレ。


「上で侵入者だ!!」「飛べ飛べ魔王様の為に!!」


 魔物たちは空を飛びロードがいると思われる上を目指す。


「だいぶ魔物は外に出払っているな……」


 ハズレが密かに言う。


「魔王が動く前にこっちも終わらせないと……」


「ああ」


「通り過ぎた行こう」


 スワンが飛び出す。


 ハズレが後に続く。通路を走り。通路から飛び降り、通路に着地する。


「内部も全部木材か……」


 ハズレが呟く。


「燃料を燃やしてるのに燃えないなんて……」


 スワンが疑問に思う。


「これも魔王の力なのか?」


「前例もあるそうかも――――って前方に敵!!」


「ちょっと待て隠れるところなんてどこにもないぞ」


「一体だけだから私が撹乱する」


 スワンは魔物の前に姿を現す。


「――!? なんだ? 精霊?」


 スワンは魔物の周りを飛び回った。


「こんな時に、しかし珍しい……ぜひ魔王様にお見せしたい――――!?」


 その時魔物は背後から剣によって貫かれた。


「悪いけど精霊じゃないよ」


 ハズレが霧散化していく魔物にそう言った。チャキンと剣を鞘に納めるハズレ。


「やった!?」


 スワンが戻ってくる。


「ああ、それより急ごう!」


 スワンと、ハズレは通路から飛び降り人々の気配が大きい場所へ向かって行く。

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