第290話 アリバレー石碑の間
マテヨを先頭にロード一行は岩穴の中へと進んで行く。
「はっ! はっ!」
くしゃみをしそうになるブン爺さん。
この時、
(――――!! 馬鹿じじぃ!!)
オテダシがいち早く気づいて手で口と鼻を抑え込む。そしてブジュンっと音が鳴る。くしゃみをしたのだ。
(汚ねーー!!)
手が鼻水と涎でいっぱいになったオテダシだった。
そして――――プウウーーーーとおならをするブン爺さん。
「「「――――!!!?」」」
もちろんその音が洞窟内に響いて一同驚く。
この時、
(クソじじぃ~~~~!!)
襟元を締めるオテダシ。
「なんじゃ?」
この時、
(――しゃべるなぁ!!)
焦ったオテダシ。
「何だ今の音……」「くっせーーなオメー―」「ちげーよ!!」
洞窟の奥から話し声が聞こえて来た。
「(まずい正面から来る……三人か)」
その小声にロードはトントンと指で肩を叩く。
コクンと頷くマテヨ、無言のコミュニケーションを取る二人だった。
「オイ! 誰だくせーのは!?」「ハハハオメーだろ!!」
ドリドリム団の盗賊たちが近づいてくる。
「ちげーよぶっ殺すぞ!」
松明を持つ男が正面を照らした。その時――
「んごっ!!」「へばっ!!」
マテヨが顔面に膝蹴りを食らわして松明男を気絶させ、ロードが即座にもう一人の男の首を手刀で叩き気絶させた。
「へっ!?」
マテヨが最後に残った男の後ろに回り、ナイフを突きつけ耳元でささやく。
「(口を閉じろ……動きを止めろ……妙なことをすれば首を切る)」
気絶した二人を毛布を掛けて隠すロード。
「(最深部アリバレーの石碑まで案内してもらう)」
マテヨがささやく。
「(指で方向を指摘しろ)」
ナイフを突きつける役を変わったオテダシが言う。
男は指を差し、スススススーーと最深部まで進んで行く一行だった。
▼ ▼ ▼
アリバレー最深部・石碑の間。
二つの松明が左右にあり、壁いっぱいに大きな石碑が安置されていた。
「ここが最深部だ。もういいだろ解放してくれ」
男が言う。
「ああ、いいぜ」
オテダシが了承し、マテヨが睡眠袋を男の口に当て、中の睡眠煙を吸わせて眠らせる。
眠りについた男を背に石碑に近づくロード一行だった。
「ブン爺」
「なんじゃ」
「早く石碑の文字を呼んでくれ」
マテヨが急かす。
「これが石碑か……」
大きな岩の壁に何とも表しがたい文字が刻まれていた。
「オイ、ブン爺読めよ」
急かすオテダシ。
「なんじゃ? 文字はどこじゃ?」
「目の前にあるだろ……」
「なんじゃ、ヘッタくそな文字じゃな……読めんぞ」
「「「――――!?」」」
「読めないのか?」
ロードが驚く。
「ここまで来て収穫できないとは……」
ハズレが残念がる。
「もういい、この異世界の歴史が分かったところで、この異世界の人たちは何も変わらない」
スワンが辛らつな言葉をかける。
その時後ろから、ザッザッと足音が聞こえて来た。
「全員動くな!! 探険ごっこはおしまいだガキ共!!」
ゾロゾロゾロと人が現れ、辺りの洞穴を通って、石階段を通って、侵入者たちを取り囲むドリドリム団。
「夜は大人の時間だ……」
ここにいる50人の盗賊のうち誰よりも強そうないかつい顔の男が言う。
「ちっどうなってやがる!」
オテダシがバツの悪そうに言う。
「まるで私たちがここに来ることがわかっていたかのような集まり方だ」
マテヨが不審がる。
「オメーらガキの考えることなんざ、ハナからわかってんだよ」
上段から声を掛けて来たのはノロシという男だった。
「ノロシ!!」
「大人を出し抜こうとするなんざ、考えちゃいけねーーガキはもっと慎ましく生きねーとな。鼻の利くやつもいるんだ。早死にするぞ」
ノロシの足元にはドーベル犬がいた。
「「くっ」」
マテヨとオテダシは悔しそうに歯を噛み締めた。
「全員大人しく捕まれ……さもなくば今死ね」
強そうな男が合図を出すと盗賊団は弓を構えてロードたちを狙う。
「もう、やるしかない」
スワンが精霊の術を発動しようとする。
「待てスワンこれだけの矢を向けられては流石にしのげない」
ハズレは両手を上げていた。
「ここは大人しくするしかねーーチャンスが来るまで……」
オテダシは両手を頭の後ろに付けて降参した。
「くっそ……さっさと殺ればいいものを……舐めやがって……このかりは返してやる」
悪態をつくマテヨも両手を頭の後ろに付け降参する。
「オイ、お前もだ手を頭にやれ」
「ロード!!」
スワンでさえ降参することにしていた。が――
「おい、言う通りにしとけ!!」
オテダシがロードに発言する。
「さっさとしねーかガキ!! 頭に報告する前に全員ぶっ殺すぞ!!」
その言葉を聞いて、ロードは渋々両手を頭につける。
「……………………」
しかしその目は屈服していない。
「よし、牢に連れて行け」
大男の声に石碑の間に居た人物たちが連れ去れれる。
ただ一人、岩の陰に隠れたグラスを覗いては、




